第107話ハルは拷問されました

「確かにハルちゃんが転送された場所はわからないわ、でも手掛かりはあるわよ・・・ 5人の薬師よ」


「そうじゃ!そいつらがおったわ!」


その言葉にミロが反応する


「母様、私薬師のすべての仕入れ販売販売先からの転売先個人消費につながるまで全て調べました」



皆がミロに注目する


ミロはニヤリと笑みを浮かべ報告を続ける


「5人の薬師の事を広範囲に調べた結果、5人の全てに共通する人物が浮かびました。」


「誰じゃ!そいつは!」


皆が注目する


「その人物はポルトポ辺境伯です」


クルルはデリスとミロに皆を連れて転移するように指示をする


「クルル様それは、できません!何故か辺境伯領は転移を阻害する魔道具が設置されていて魔法転移が出来ません!」


「なんじゃとぉー!」


「なのでここからだと辺境伯領の隣の村に転移そこから走って高速移動が一番早いかと・・・ドラゴン形態での移動は警戒されますので絶対ダメです、飛行魔法で行くのもダメです」


デリスもクルルも納得し急ぎ転移して行った。



☆・☆・☆

ポルトポ辺境伯


「おおこいつか♪素晴らしいぞ!こいつは儂の奴隷として楽しむとしようグフフフ」


この部屋は魔力が漏れることはないから噂の奴らでも調べるのは無理じゃろ、それにここは、辺境伯領ではなくドレスコート国側にある屋敷じゃ、薬師にしても隠蔽は上手くできてるはずじゃが、もしかしたら薬師から儂にたどり着くかもしれん、しかし辺境伯の屋敷には金でやっとった儂の似た偽物が、辺境伯として動いておる、ここは絶対わからんはずだ、それにこのドレスコート国にミラーレ連合国の情報も流すことでドレスコート国で貴族としての地位も得ておるフハハハ


儂の計画を邪魔した愚か者どもめ!娘にたどり着けない悔しさを味わうがいいフハハハ


娘は殺さないようにじっくり傷めつけてやるよ儂のおもちゃとしてなフハハハ・・


「おい!この娘を吊るせ!今からこいつの鳴き声を聞いてみたい」



ハルは裸のまま鎖で吊るされる


『ぅうう・・何ここ?何で裸なの?グスン・・力でないの・・』


「フフフ・・お前の声を聴かせてもらうぞ!さぁ泣け!泣き叫べ!フハハハ・・」



〈バシン!バシン!バシン!〉


「ほれほれ!泣き叫べ!」


『ぐ・・・・・』


ポルトポ辺境伯はいらだっていた


「なんでこいつ傷がつかない!そうか身体強化か・・・しかしおかしい?魔道具があるから魔法が使えんはずなのだが・・そうかお前には何かが憑依してる邪の力か・・まぁいいならこれでどうじゃ」


「誰かボーガンで矢は魔法強化したミスリルの矢を使ってガキの足と腕を狙え!」


〈ブン!ザク!ブン!ザク!ブン!ザク!〉


「痛い!嫌ぁ!痛い!やめてぇー!嫌ぁー!ガクッ・・・」



ハルの両足と腕には矢が深く刺さりドクドク血が流れている


「いい声で泣きわめいてる、いいぞ!いいぞ!赤い血をもっと流せ!もっとだ、フハハハ」


気絶しおったか、まぁいいお前たちはこいつを見張ってろ!起きたら少し傷めつけておけ!わしは食事をとる


〈バタン〉


監視兵A

「なぁこの子の流れてる血止まるの早くないか?こいつ人間か?念のためにもう少し痛めつけてやればわかるだろ」


監視兵はハルの身体に刺さってるミスリルの矢を引き抜き再度矢を別の場所に打ち込む


〈ブン!ザク!ブン!ザク!ブン!ザク!〉


「うう・・・何痛いのとまらない・・・嫌ぁ!痛い!やめてぇー!嫌ぁー!どうしてこんなひどいことするの・・痛い・・どんどん力が抜けていく・・・」


泣き叫ぶハルを見て楽しむ兵士たち


監視兵B

「おい俺にもやらせろよ!こいつ矢が刺さって暫くするとすぐ血が止まるんだよな、どんな身体だ、絶対人間じゃねえだろ、ならいくら矢を打ち込んでも問題ないだろ」


監視兵C・D


「俺たちも参加させろ、お館様には許可もらったぞ!死なない程度にやれとのことだ!」


「ほんといいおもちゃだ、これハハハ」


監視兵たちは数人でハルの身体に矢を打ち込みハルは自動回復スキルの発動しすぎでとうとう制限スキルが作動し深い眠りについてしまった。

ハルの身体からは血が流れ出て床は大きな血だまりができていた


監視兵A

「おい!なんか変だぞ!こいつ血が止まらなくなってるぞ」



監視兵B

「ほんとだヤバイ調子にのってやり過ぎた、このまま放置して俺たちは監視だけしてればいいだろ」


「俺たちはお館様に報告してくる」


ポルトポ辺境伯は報告を受け怒り出す


「何だと!矢を刺し過ぎて血が止まらなくなってぐったりしてるだと、お前たちは儂の楽しみを奪いおって!まぁよいすぐには死なんじゃろ様子見て気が付いたら知らせろ!ただし次は儂がやる手は絶対出すなよ!」



☆・☆・☆

モーリスト州都


スミレは、州都のプライム宰相を訪ねていた。


「プライム様おひさしぶりです、少しよろしいでしょうか?」


「突然どうしたのじゃ、ハル姫のファミリーのお前がわざわざ来ると言うことは、ハル姫に何かあったのか?」


「ハルちゃんがさらわれました。」




「なんじゃとぉーーーーー!どこのばかじゃ!ミラーレの姫をさらったやつは!」



「非常事態です!奴隷もしくは見せしめに拷問して殺されるかもです!」


プライムはそのことを聞き緊急招集をかけようとしていた


「プライム様、招集はおまかせしますが、何かあったらすぐ連絡しますので、兵は待機でお願いします」



「それで、犯人の目星は着いたのか?」




スミレはにやりと笑い


「もちろんです!ハルファミリーになっていろいろ能力は上がったみたいで、私を欺こうとしても無駄なのに・・ハルちゃんを誘拐したあいつは殺します!情報がほしいので来ました」



「誰の情報がほしいのじゃ!」



「ポルトポ辺境伯!」



「奴か・・・なら納得じゃ」


「屋敷にはいる見たいなのですが、偽物じゃないかと・・・」


プライムはうなずき諜報部を呼ぶ


「なるほど、アルク!」


「は!ここに!」



「ポルトポ辺境伯の調査報告はどうなっておる」


「これでございます」


アルクは1枚の報告書をプライムに渡す


プライムはそれを読み納得しそれをスミレに渡す


「ありがとうございます、では失礼します」


スミレは報告書を読み一礼してプライムの元から姿を消す


プライムは諜報部及び州都警備保安部に命令しポルトポ辺境伯の屋敷の制圧に向かわせた


スミレはミロと合流しデリス達のもとに急いだ



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