第106話ハルは知らないところに送られました

ポルトポ辺境伯領領主ファレルリアルは不敵な笑みを浮かべ考えていた


危うく儂があぶりだされるところじゃったわい、薬師たちを利用してここまで荒稼ぎもでき、その資金で闇奴隷の売買ルートもできたからしばらくは大人しくしておるか、薬師たちから儂につながる情報は闇魔法で封印しておるし、証拠も全て処分した

これで騒ぎが収まれば今度は奴隷で稼がせてもらうかのフハハハ


そういえば奴ら可愛げな小さい奴隷を捕らえたと言っておったの、それをここに送らせるか、小さな子供ならこの転送用木箱に入るじゃろ


ファリレルアルは木箱に捕らえた子供を入れて送れと指示をした指示書を入れて転送した。


フードの男Cは、転送用木箱に送られてきた指示書を見て舌打ちをあする


「チッ!あのデブ変態辺境伯め!しかしこんな小さな箱に入るか?」


フードの男たちはしぶしぶハルを木箱に身体を丸めるようにして入れてみた


「ギリギリだけど入ったぞ、・・・?なんだ外が騒がしくなったぞ」


フードの男E


「大変です!この隠れ家付近を荒らしまわってるやつらがいます」


フードの男C

「おい!そいつを急いで転送しろ!」


男たちは慌てて箱を閉め転送用魔石に魔力を流す


〈バタン!ブーーーン〉


「よしこれで俺らが疑われても証拠がねぇ・・・おい!そこにあるのさっきのガキの服じゃねえか!早く隠せ!転移用木箱の周りを同じ木箱を積み重ねろ!」


☆・☆・☆

クルルは、使い魔からの報告をする


「デリスよ索敵させていた使い魔たちがこのデユランの町でハルちゃんの魔力を感じたと報告があった」



デリスは、皆に


「皆でデュランの町に行くのじゃ!」


ハルファミリーは全員がデュランの町に転移してハルの捜索をしていた。


「クルル母さま、この倉庫街でハルちゃんの魔力が消えました。」


デリスは苛立ちを感じていた、

何で我の大切なハルちゃんの魔力が感じられぬ


「全員で手分けして調べるわよ」



「「「「「はい!」」」」」


デリス達は、必死に捜した。


これだけ捜しても見つからないなんで……


そんな時にカエデから連絡が入る

「クルル様、怪しい場所見つけました。7番倉庫に来て下さい」


ハルファミリーが集まってくる


「どこじゃカエデ!我らの大切なハルちゃんをさらった愚か者は!」


クルルは、デリスに


「デリスよ、もう少し怒りを抑えよ、皆が苦しそうじゃ」


「怒りが溢れてるのはクルルもじゃ!」



ファミリーの中でも一番落ちついてるミルルが皆を冷静にさせる


「皆落ち着いて、まだここにいると決まったわけじゃないのよ、この倉庫には5人の魔力が感じられる、カエデここが怪しいと思ったのはなんでなの」


カエデは、集まったファミリーに説明をする


「微量ながらハルちゃんの魔力跡が、建物の入口付近から奥に向かって残ってます」


「よくやったカエデ!皆中の者達を絶対逃がすでないぞ!」


デリス達は建物を包囲して、中にデリスとクルルが入って行き、ミルル達は逃げられないように監視をする



「ちょっとよろしいか?ここに小さい男の子がいると聞いて来たのじゃが、我の大切な子供なのじゃ中を見せてくれぬか?」



フードの男A

「そんなガキ知らねえぞ!ここは商品倉庫だ!人は俺たち管理の者だけだ!」




フードの男B

「調べるのは構わねえが、もしいなかったらどうするつもりだ!それなりに代償を払ってもらうぞ!」



デリスもクルルもうなずき


「好きにするがいい!その代わり少しでも何か出ればそれなりの覚悟はしてもらうぞ!」


クルルは中を見回したが、ハルの魔力は感じられず焦っていた。くそ!こいつらここにいないから絶対の自信を持ってる


「カエデ、来てくれ!」


少ししてカエデが中に入って来ると、クルルに耳打ちされ、下衆な目で見てるフードの男達を警戒しながらハルの魔力跡を捜すために倉庫の中を動き回る


「クルル様見つけました。」


「さすがね♪カエデありがとう」


クルルとデリスは男達に積んである箱の一つを指さして、その箱を見せるように要求する


「そこに積んである箱の中を見せるのじゃ!」


フードの男は焦る


「それはできねぇ!大事な商品だ!」


デリスは、怒りのオーラを放ちながら


「その中に我らの求めてる者がいるはずじゃ!出なかったら私達の身体を好きにすればいい!」



フードの男C


「商品が入ってるから無理だ諦めろ!」


デリスは、相手が静止するのに強引に歩いて行く


「てめえそれ以上近づいたら殺すぞ!」


「できるものならやればいい!屑人間め!」


デリスに向かってフードの男達が剣を抜き斬りかかる


「死ねゃ!お前の女は俺達が頂く!」


デリスは無詠唱で闇玉を男達に放つ


「邪魔をするなぁー!」


〈ダンダンダン!〉


「ぎゃーーーー」


〈ドカン!ドカン!ドカン!〉


倒れる男達にクルルが近づき


「動くな人間!少しでも動けば殺す!」


デリスとカエデ、外で待機していたルナ達も来て積み上げである箱をどけていく、カエデはハルの魔力跡ごある箱をクルル達の前に置き箱を開ける


〈カパ♪〉


これは、ハルの着ていた服じゃ!


「おのれーーーー!人間!これは、どういう事じゃ!我の大切なハルをどこへやった!」



クルルは外で待機するミルル達に指示をする


「ハルちゃんの着ていた服を見つけました、これからここにいる男達を制裁します、絶対に逃がさないように!」


デリスの問い詰めに男達は


「そんなガキは知らねえ!ガキなんて泣きわめくだけでうるさくて仕方ねぇ!ちょっと裸にしたら、ぎゃぁぎゃぁわめくうるさいだけだ!」


「俺達は何も知らねえ!そんな事よりそんな服がそのガキの物だと証明できるのか!」




デリスもクルルも 男達の言葉に怒りのオーラがどんどん溢れてくる


デリスはフードの男Aを捕まえ


「きさま!ハルを裸にしたのか!」


フードの男Aはニヤニヤして


「もういいだろ!そうだよ!俺達があのガキを奴隷として売るためにさらったんだよ!その前に身体をチェックしょうと思って、裸にしたら男じゃなく女だったのは驚きだったがな、いい鳴き声だったぜ!ギャハハ!俺達に手を出せばあのガキの居場所わからねえぜ!」


〈ヒュン!ブチッ!〉


周りのフードの男たちが一瞬の出来事に驚き後ずさる


「おい!俺たちが死ねばあのガキの女は 〈ヒュン ブチ!〉   」



フードの男Cは立て続けに殺されたのを見て騒ぎ出す


「やめろ!ほんとにあのガキが・・・ ぐぅ・・・やめてくれぇー」


フードの男Dは逃げようとしてクルルにつかまり、フードの男Eは隠蔽魔法と気配遮断を使ってその場から逃げるも外で待機いていたミルル達に捕らえられデリスたちのもとに連れてこられる


デリスとクルルが男たちを容赦なく痛めつけている


「もうやめてくれ!俺たちは何も知らねえんだ!ギャー!グエー!」


デリスはルナの仲間のレンゲを呼ぶ


「レンゲ来て!この男たちを尋問してください」


「はい!デリス様任せてください」


レンゲは、魅了スキルと催眠スキルを使って男たちを尋問していく


すると男たちは転送用の木箱でハルを送ったことはしゃべったが、肝心の黒幕はだれかわからなかった。


「デリス様これ以上は聞き出せません、強力な封印がされています」


「レンゲありがとう、もういいわ」


〈ブン!ザシュ!ブン!ザシュ!ブン!ザシュ!〉



「デリス落ち着いて!破壊行動はダメよ!ハルちゃんが悲しむから・・・」



「しかしこのままではハルちゃんが・・・ひどい目に・・ あの子のいない世界なんて考えられない!もしハルちゃんがこの世界からいなくなるようなことがあればこの世界なんて滅べばいい!」


「そうよの我もハルちゃんのいない世界は想像できん、あの子の笑顔は何よりも癒しだ、人族なんて滅ぼしてしまうか」



ミルルがデリスとクルルを諫めて



「ちょっと二人とも冷静になりなさい!私も滅ぼしてしまいたいと、思うわでもそれはあの子が望まないと思うの・・ だから私たちは希望を捨てずに探しましょ」


クルルもデリスも悔しそうに


「ミルルよ、ハルちゃんの転送先がわからぬではないか!」


「せめて場所だけでも特定できれば・・・」



「確かにハルちゃんが転送された場所はわからないわ、でも手掛かりはあるわよ・・・ 5人の薬師よ」


「そうじゃ!そいつらがおったわ!」





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