第104話薬師の悪い組織

サフラン警備隊のモルトレは、最近商人の出入りの多さに疑問を抱いていた


ここ数日毎日のように同じ商会の馬車が薬草を運んで行く、ミラーレ連合国は女神ハルの恩恵もあり急速に発展していた。各町の冒険者ギルドにおいても、ポーションが不足することもなく安定に供給されていた


にもかかわらずこの大量の運搬にモルトレは疑問に思い上司に報告、上司もその情報を国の保安本部治安維持部門に報告されていた


☆・☆・☆


モーリスト州保安本部では最近になって起こっている事案に各州と連携し話し合っていた。


保安部総本部長のマエラが指揮をとっていた


「今回のポーション事件について、早急に対処しないと大問題になると思う!たかがポーションの流出と思っているなら即刻保安部を辞めよ!我々がだらしないから女神様の部隊が動いている!」


女神様の部隊が動いているの言葉でざわつく


「サフランにいる諜報部とキンモクの諜報部から報告が届いている、どちらも変装をして今回のポーションのことを調査しているらしい」


諜報部長が声を張り上げる


「その者達はまだ特定できないのか!」


「特定はできています!ですが証拠とまだ全容がつかめていません!かなりの組織になってると思われます」



本部長のマエラが激を飛ばす


「急ぎ証拠と全容を掴んで女神様達の手を煩わせるな!」


「「「「はい!」」」」



☆・☆・☆


キンモクのとある倉庫で男たち数十人が集まり話をしていた


大きな体格の男A


「最近我々の監視が厳しくなっている!少し行動をひかえ、国内向けに通常に商売のフリをしながら別のルートを考えろ!」


男たちはうなずき報告を始める


細めのイケメン風の男A


「私の商用の馬車がマークされていますので、今度別の商会をダミーでいくつか立ち上げて荷物を分散します」


細めのイケメン風の男B


「サフランで我々を調べてるのは、大柄なイケメンの冒険者夫婦だ」


細めのイケメン風の男C


「キンモクで薬師の我々のことを調べてるのは女冒険者数名だ、かなりの美人ぞろいだから捕らえて我々の奴隷にするか闇商人に流すか」


大きな体格の男B


「我々がそいつらの弱点を見つけ切り札にして動けなくする」


大きな体格の男A


「やっと権力と金が手に入ったんだ、逆らう奴は闇に葬れ!」


男たちはうなずき町の中に消えて行った


☆・☆・☆


「ミルル母さん、まだこの町にいるの?」


ミルルはこの町でやることを説明した


「ハルちゃんあのね、まだこの町にねハルちゃんの名前を利用してる悪い奴がいるのよ、それを今クルルとデリスが調べてるからもう少しかな」


「ふーんハルのことみんな協力してくれるわけじゃないんだ・・・」


ミルルは落ち込むハルを抱きしめ


「大丈夫よハルちゃんには、私たちがいます、たとえこの世界のすべてが敵になっても私たちがずっといます」


「うん♪ありがとなのです、ハル嬉しいのです」


「じゃクルルたちがそろそろ帰って来ると思うから戻りましょうか?私もいろいろ情報が集まりましたから」



ミルルは、ハルを抱っこして冒険者ギルドに戻って行った。



・・・・・・・


闇に潜むもの


「あの者達は隠してはいますが、全員が実力がSSランクです、まともに戦っても我らでは勝てません、ですがあの子供ならフフフ・・」



「よし動向を探り隙を見つけて子供の確保この闇の魔道具を使え」



・・・・・・・・・・・・・


数日後冒険者ギルド・・・・



「ねぇミルル母さん今日はどうするの?」


「この後クルルたちと合流して、商人たちの捕縛に向かいます、この町の領主に報告引き渡す予定よ」



「えー!もう犯人がわかったの?凄いです」



「フフフ私たちはいろいろなスキルを持ってますから、ちょっと時間かかりましたけど、もう少ししたらクルルたちも帰って来るからそこの食堂で休憩しましょうか?」


「うん♪ねぇミルル母さんハルは、森でスキル使わないで母さん達と静かに暮らして年齢も少し戻ったのに身体の成長しないの?なんで?」



ミルルは真剣な表情でハルに話す



「ハル様は人外の魔法スキルをお持ちです、それに加護の影響もあるのでしょう、この世界に創造神エアリアル様の加護を授かった方はいません、恐らく創造神様の目に留まり加護を授かったのかと・・・創造神様の加護つまり女神の一柱として認められた者なのです」




「えーーー!だからスキルの成長が変なんだ、それでこの身体が成長しないんだ・・・ハルは人族じゃないの?」



「あら気がつかなかったの?私達最強種族の龍族が眷属になることは人族ではありえませんよ、ウフフ」



「そんなぁ・・・ハルが人族じゃない・・おかしいと思ったのです」


「ハルちゃん、いえハル様は創造神エアリアル様によってこの世界に転生して来られたのです、ハル様の行動は多くの人を救って来られました、これからは私たちがお手伝いしますので、多くの人達を救っていきましょう」



「わかったのです、もうこの身体成長しないのかなぁ・・・」


「いいじゃない今のままで、私もクルルもデリスも今のハルちゃんの姿好きよ♪」



「うぅ・・・何かハル少し眠くなってきたのです」


「フフフ・・これから楽しくこの世界を冒険しましょ♪じゃ私はちょっとトイレに行って来るから寝てていいからここで待ってて」


「はいなのです・・・」



あれなんかギルド人が少ないわね・・ちょうどいいわ静かになったからハルちゃんも寝やすくなったわね、さっさと済ませてハルちゃんを抱っこして癒してもらいましょ


〈バタン〉


・・・・・・・・・・・・・・・


おい!今だ


闇に潜む者がギルドカウンターから出て来ると周囲に隠蔽魔法をかける



「こいつが奴らの弱点の子供か?女みたいなガキだな」



「さっさと魔力を抑える拘束具とこいつの姿と魔力を遮断するこの魔法袋にガキを入れろ!」



〈ガシャン!ドスン!〉


「よし!さっさと逃げるぞ!」


・・・・・・・・・・・・・・・


〈バタン!〉


ミルルはトイレから出てくるとさらに静かになってるギルド内に違和感を覚えながらもハルのいる食堂に向かった



「ハルちゃんお待たせ・・・・え!嘘!ハルちゃん!ハルちゃんどこなの?出て来てぇーー」



ミルルは必死に探し回るがハルは見つからなかった


「ハルーー!」



















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