第103話ハルたちは薬師の悪だくみをみつけたのです

この状況はまずいのじゃ・・・どうする?そうじゃ幻術でヒアリー草とデトル草を雑草にごまかすか・・・


デリスは念話でミルルに受付のキリの視線を何とかそらすようにと


ミルルは受付のキリに薬草についていろいろ質問して注意を逸らさせている


デリスは、その隙にヒアリー草とデトル草に幻術をかける


「……と言うことです、詳しい話は後程させていただきます、ではこの薬草の鑑定をさせていただきます」


キリは薬草全てを目視で鑑定していく、すると深いため息とともに、デリスに話しかける



「お待たせいたしました。ドリス様の持ち込んだ薬草ですが、ヒルラ草が約420で、それ以外は薬草モドキの雑草でした。一瞬ヒアリー草かと思ったのですが、残念です」


デリスは雑草として分けられた幻術をかけてるヒアリー草をマジックバッグに入れていく


「それでは、報酬をお渡しします、ヒルラ草は一束銀貨1枚ですので、金貨42枚をお渡しします」


デリスは金貨を受けとり、キリにこの街の宿の情報を聞き、ハル達を連れてギルドを離れた。


受付のキリは、ずっと考え込んでいた。


サブギルドマスターがキリに話しかける


「キリ、どうしたの?」



「あ!サブマス実は…………………」


サブマスのサトラはキリの話を聞き一つの答えに到達する


サブマスターのサトラは、ギルド就業時間後全員を集め、自分の考えをギルドマスターに伝える


ギルドマスターは全員に


「私もサトラの意見に賛成だ、今日薬草依頼をこなしたパーティーは、恐らく女神様達ではないかと思う、他国ならいざ知らず、このモーリスト国どこへ行っても女神様達の事はわかるはずだ、私達は女神様一行が来ても騒がず慌てずだ!いいな!」


「「「「はい!」」」」


ギルド職員から質問がなされる


「マスターもサブマスもどうして、彼らが女神様一行だと思われたんですか?」


サブマスのサトラはため息混じりに答える


「普通に考えて、依頼を受けてから報告にくるまでの時間と納品薬草の数、さらに、薬草モドキだ・・あれはたぶん上級薬草のヒアリー草だ他の薬草も本物だろそれが500以上だ!どうかね、元A級冒険者のダナスト君」


「常識に考えてその短時間でヒルラ草だけでも無理ですね、ましてや上級薬草となると、SSランクでも無理でしょう」


「と言う事だ!私達の国を救ってくれた女神様一行には普通に接するように!いいな!今日休みの職員にも伝えるように!」


「「「「はい!」」」」


若い職員が質問する


「どうして、女神様一行をきちんと対応してはダメなのでしょうか?」


サブマスのサイトライは答える


「じゃ質問だ!何で女神様達は変装してギルドに登録して依頼を受けたと思う?」


「それは、騒ぎになるからだと思います……あ!」


「そう言う事だ、騒がれたくないから我々に気を使わせたくないからだと思う、それにだ今まで森の奥地にいたのに町に出て来たのは何か目的があるのかもしれん、だから冒険者として、普通に接することが一番だと思う」


「わかりました。」



デリス達は、この町を拠点に薬師の情報を集めていた。


ギルドも毎回デリス達によって納品される大量の薬草を薬草不足に陥っている近隣の市町村に連絡していた。


デリス達も、数日何事もなく過ぎていくのんびりとした日々に魔の手が忍よってるのを気がつかなかった


サフラン冒険者ギルドは今国内はもとより、他国からも薬草を求め集まって来る薬師や商人達で賑わっていた。


こうなることを予想してたデリス達は、主に依頼と納品はデリスとクルルが

こなして、ミルルはハルと昼は街で買い物して、夕方ギルドの併設食堂で、デリス達の帰りを待つと言う日々を送っていた。


デリスは、通信具を使いミロ達と連絡を取り、情報交換をして州都から馬車を乗り継いで、調査をしながらサフランに来るように指示をした。


デリスとクルルの方も多くの薬師を調べたりといろいろ動きまわったが、不正を行っている薬師の正体が掴めずにいた。


ギルド職員もデリス達の情報は一切漏らさない事で箝口令がしかれていた。ただ前回の会議で出席してなかった者数名にその事が伝わらず、この事が後に大きな事件に発展するのだった。



デリス達は、怪しい動きをしてる者数名をマークして、薬草採取をしていた。


デリスはミロに連絡を取り状況を確認していた


「ミロ、そっちはどう?こっちは怪しい動きをする商人がいたわ」


ミロは転移後州都付近の市町村を手分けして調べていた


「薬師の数名が他国にポーションを流してるようです、薬草の持ち出し制限はないのですがポーションは他国への持ち出し制限があるにもかかわらず、大量に送られてるみたいです」


「その数人の薬師とこちらで調べた商人が繋がれば、大問題になるわね」


「しかもその薬師たちは闇商人から奴隷を購入しポーションの精錬過程で奴隷たちを酷使してるみたいです」



「ミロは、この事をハルちゃんが一番信頼してるミリア様に報告しなさい」


「わかりました母様、至急伝えます」


クルルが薬草の納品をして戻ってくると


「どうしたのじゃ?」



「どうやらこの薬草で、よからぬことをしてる者がいるようです」


「まぁ仕方ないじゃろ、大戦後落ち着いたとはいえ、まだまだ警備も人員不足じゃし、国民全員が女神ハル様を崇拝してるわけではないじゃろ、不満を抱くもの自分たちのことだけを考える者もおるじゃろ、でもこの国の決めたルールは守れないなら処罰が必要じゃ!今回我の情報網で、この女神ハル様の国の不安定な輩を排除するために、わざと国内を巡って他国へ冒険に出るようにしたのじゃから」


「そうでしたわ、人員不足で国の禁止事項を破る輩を私たち女神の眷属が対処してあげないと、女神の国が荒れますから早急な対処して秩序を維持する必要があります」


「ハル様を思い作り上げた国じゃ糞なやからに荒らされてたまるか!」


クルルたちは調査を続け裏ルートでポーションを他国に出荷する薬師組織があることを突き止めその全貌を探っていた

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