第101話ハルのワクワク大冒険の始まりなのです

聖母テリスが質問するように


「問題と言うのがその薬剤師ですね」


「はい、現在国の取り決めで薬草は国が各冒険者ギルドから買い取り、無償で各薬剤師に提供されていますが、その薬剤師の一部の者が、傲慢になってるようで、かなり悪い評判が出てます、このままでは、国の医療優先の政策に支障が出ます、ただ薬剤師としての仕事はしてるので、薬剤師の人員不足でなかなか取り締まることができていません」



「確かに今の現状でその薬剤師を取り締まるのは、大きく影響するわね、それで問題の薬剤師は何人くらいいるのかしら」



「それが……」


「薬剤師スキルの高い者が10名くらいいるのだから1人や2なら何とかなるから大丈夫よ」


「5名です……」


「え?5名……そんなに…」



「その5名ほ全員男性で、一部はハル様の名前までだして、自分はハル様に認められた薬剤師だと言ってる者もいます」


プライムもカミルスもその多さに頭を抱えると同時にハルの名前が使われたことに嫌悪感を覚えた


この件の調査に当たっている調査員が報告する


「薬剤スキルはなかなか発現せずスキルの成長も遅く、回復率の高いポーションでも基礎魔力値が低いとスキルレベルが最低4以上でないとポーションの作成ができないとも言われています、それに魔力値が低い者がポーション作成までこぎつけたとしてもせいぜい一日で作成できるポーションは4、5本程度です、問題の5人はこの能力に秀でていたようで、それが周りからの影響もあり多額の金銭の要求、人を見てポーションを作ると言った態度、挙句ハル様の名前まで使っての傲慢な態度に出る暴挙で、現在情報を集めています」




テリスは至急その者達の情報と不正の証拠を集めるように指示をし、カミルスも警備局に命じてその薬剤師達の犯罪に至る行為がないか調べさせた。


「ところでミリア市長よ、ハル姫はどんな様子だ?」


「ハル姫様は、今他国に冒険を兼ねて視察に行くようです」


国防大臣のカミルスが焦って


「他国だと、急ぎ護衛部隊の派遣をせねば」


その発言を聞きミリアが


「カミルス様、ハル姫様には黒龍様達がいます、大丈夫かと思います、私達はこの国をハル姫様が満足なさるような国家にすることが最優先です、皆様ハル姫様はここまでのこと凄く喜んでましたよ」



プライムは喜び、集まった幹部達に語る


「では我々は引き続き、皆が暮らしやすい国を目指して頑張るとしょう、ところで、カミルス殿、ハル姫のところにいる王妃殿か娘子に連絡をお願いしたいのじゃが……」


カミルスはプライムの考えに気付いて


「委細承知した。すぐに連絡する」


カミルスは、すぐにデリスに連絡を取った


「デリスよ聞こえるか?」


「何かしら、今ハル様と楽しいおしゃべりしてたのだけど・・・」


カミルスは、薬剤スキルを持った者がそれを利用して私腹をこやして評判が悪いらしいと、そのうちの何人かはハル様の名前を利用して悪いことをしてるらしいと・・・


話しをした直後デリスの口調が変わる・・・・


「おい!デリス!」


「何ですってぇーーー!薬剤スキルを持った者が私たちの大切なハル様の名前を汚す行為をしてるですって・・・・・・」


「ち・ちょい落ち着け!まだ続きがあるんだ」


「あら私としたことが・・・ごめんなさい、それで何?」


「ハル様が他国に行かれる前に、調査をお願いして解決してほしいのだ、ハル様なら代わりの人員を見つけてスキルを付与できるんじゃないかと・・ただしハル様もお前たちも有名だから、わからないように変装して調査してほしいのだ」


「わかったわやってみる」


カミルスは、デリスがハルの名前を出して悪事を重ねたやつをどう扱うか心配で仕方なかった


「デリス頼むから無茶しないでくれよ・・・」


☆・☆・☆


ハルはミラーレの森でハルのことが大好きな仲間とのんびりと過ごしていた。


ハルが森に戻り周りの仲間が身の回りの事、森の管理をやってくれたため、ハルの体調も身体もすっかり元に戻っていた。



黒龍のクルルがハルを膝の上に乗せ話しかける


「ハルちゃんどうしたの?何か考え事?」



ハルは、みんなに集まってもらい話をする


『ハルは、大好きな家族とこの森で楽しくすごして、クルルお母さん達がいろいろやってくれたからハルは身体も体調も元に戻ったのね、だからハルは、この世界のまだ行ってないところを冒険したいのです』


魔族の王妃デリスは嬉しそうに


「ハルちゃんと一緒に冒険か、うんうん♪いいのじゃ、楽しみじゃ」


『うん♪ハルもお母さんやお姉ちゃん達と一緒に冒険するの楽しみなのです、それでね、できたら皆で行きたいの』


クルル達は全員喜び


「「「賛成ー!」」」


デリスはハルに提案をする


「ハルちゃんせっかくだから大戦後の町がどこまで復興してるのか見ながら旅をするのはどうかしら」


デリスはあらかじめクルルやミルルに話をしてあり二人ともハルの名前が利用されたのに腹を立て、二つ返事で協力してくれた


クルルも補足するように


「我も暴れた責任もあるしどこまで復興したか見てみたいのじゃ」


「ミルルも同じく見てみたい」


『うーん他の国行きたいけど復興・・・うん見てみたいのです』



デリスもクルルもお互い小さくガッツポーズをし


「ハルちゃんただね私たちがこのまま行くと大騒ぎになるから変装していく方がいいと思うの、ハルちゃんも騒ぎになるの嫌でしょ?」



『はいなのです、目立ちたくないのです、変装するのです』


「と言うことだから全員変装するわよ!」


クルルは全員の変装について指示をする


「我とミルルは人化の姿はあまり見られてないから少し髪型を変えるだけで問題ない、ルナやカエデ達元勇者組は髪型と髪の色を変えること、問題はデリスだな、結構やらかしてるからなぁ・・よしデリスは男に変装して我らの伴侶として行動してくれ、もちろんハルちゃんは我々の子供として行動する事」


『ハルはこのままでいいの?』


「そうだな・・・魔族にも見られてた時もあるし・・・髪を短くして目の色も変えれば・・・よしできた♪これならわからないだろ」


デリスは変装後のハルを見てじゅるりと舌なめずりをしてる


ミロもハルの姿を見てキャーキャー騒いでる


ルナ達もハルちゃん先生が美少年になったと、か男の娘だとか騒いでいる



『みんな騒ぎだよもぉ・・・準備できた?』


「「「「「はい!」」」」」



「みんな確認するね、我らは家族で、デリスが夫で我とミルル、ルナ達が妻で、ミロとハルちゃんが我の子供と言う設定で旅をする」


「「「「「はい!」」」」」


デリスがみんなに集まるように言い


「じゃみんなモーリストの州都の近くに転移するから」


「転移!」


〈ブン!〉


こうしてハルの新たな冒険が始まった


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