第96話ハル連合軍VSバルパス連合軍〈ココスト南方砦〉

ココスト南方砦では勇者によって強化されたタイセル国精鋭部隊1万の兵士が、ミリア率いるモーリスト国軍を蹂躙していた。


「オラオラ!ゴミ兵士が邪魔なんだよ!こっちは勇者様に強化されてるんだ」


「そうそう、防御も攻撃も数段上がってるんだ、それによホレ!」


〈ブーーーーーーーン〉


あいつら全員防御障壁まで……


ミリアは砦前で陽動していた部隊の撤退と砦の上で魔法と弓部隊にも撤退を命令した


「全軍撤退!砦内の防御にあたれ!門も完全封鎖!砦内部も全て土魔法で埋めよ!封鎖が終わったら砦から後方第二砦前に移動せよ!」


勇者達が前に出て来て叫ぶ


「そんな簡単に撤退させるかよ!死ねや!」


勇者達は上級魔法を撤退中の部隊と砦に向けて放つ


〈ドッカーーーーン!〉


「ぎゃぁーーーーーーーーー」


〈バリバリバリバリドッカーーーーン〉


「うわーーーーーーーーー!」


〈チュドーーーーーーーーーン〉


「ぐわーーーーーーーーーー」


ミリア率いる砦守備隊は強力な魔法攻撃により、砦は崩壊、犠牲者多数指揮官ミリアも重傷を負って後方の防御陣地に下がって来てた。


そこに国王自ら率いる部隊3万が到着した。


「国王様、行けません!敵の兵器と勇者の魔法が強力過ぎます!お逃げください」


モーリスト国王は重傷のミリアに回復ポーションを飲ませる


「ハル姫のポーションではないが少しは回復するじゃろ、ミリアよよく耐えてくれた」


砦の指揮官ミリアは、国王に報告をする


「陛下、敵の部隊は、魔道具と勇者の強化によって強力になっています、我々の魔法攻撃も、弩弓部隊も全く通用しませんでした。恐らくココストの方にも強力な部隊が」



そこに兵士が駆け込んで来る


「陛下大変です!砦を破壊して、巨大なゴーレムが数十体こちらに向かって来ます!」


プライム国王は魔法部隊の攻撃を弾き返すゴーレムに驚愕する


「なんじゃあれは!あんなものをあれも勇者の力なのか」


宰相が調べた情報をプライムに伝える


「勇者の中に数名魔道技術に長けた者と、付与に長けた者がいたようで、数名引きこもり、研究していたようです」


そこに別部隊の者が飛び込んでくる


「陛下申し上げます!増援の魔法部隊が敵の部隊により壊滅現在撤退中です」


「宰相、国防大臣よこのままでは我が軍は全滅、恐らくココストの部隊もシリウスの部隊も壊滅してるやもしれん、儂の首で行軍が止まると思えん、奴らはハル姫が望みか」


「そうですね、ハル姫を差し出せば、モーリスト国は救われるかも知れませんが……」


「儂との長い付き合いなんじゃ、わかっておろう、我が国の民の事を考えるなら最後まで戦う!バルパス、ライシールド、タイセル国がこの戦いで勝利を得たとしても再び争いが起こるのは、目に見えておる、だから儂と民のために最後まで戦ってくれ!」


「聞くまでもありません!陛下、最後までお供いたします!」


「陛下久しぶりのパーティー攻撃ですな、我が魔力尽きるまで頑張りますぞ!」


「では、行くとするか!」


すると監視兵士が叫ぶ


「何かが飛んで来ます!」



すると飛翔体は、プライム国王達の前に降りて来る


兵士達も騒ぎ攻撃しようとするが、国王が制止する


「待て!攻撃してはならん!そなたは魔族か?我々の部隊は見ての通りもはや壊滅寸前じゃ何が望みじゃ?国王である儂の命か?言っておくが、ハル姫は絶対渡さんぞ!我が命に代えても守って見せる!」



「我はワルプルス魔国、王妃デリスと申します、一国の王が、自らの命と引き換えにしてまで守る価値がある娘なのか!」



「娘?そうハル姫は可愛い娘じゃ我が国を救い、恐らくあの娘は他の国も救うじゃろ、ハル姫はこの世界にとって、絶対失ってはならないと思っておる!だからこの命に代えても守るのじゃ、一国の王の命で世界が救われるなら安いもんじゃよ」



その言葉を聞くと魔族二人と、黒髪の女と白髪の女は片膝をつき頭をたれる



「先ほどの無礼な発言お許しくだされ、我々も女神ハル様に救われた者、ワルプルスの王妃デリス」


「私はデリス母様の娘ミロです」


「妾は黒龍のクルル女神ハル様の眷属、妾も同じく救われた者じゃ」


「私は白龍のミルル女神ハル様の眷属、私も同じく救われた者です」



国王達は高位魔族、黒龍、白龍の登場に驚き言葉をなくしていた。


「モーリスト国王様、ここは我に任せてくだされ、黒龍様、白龍様女神ハル様のことよろしくお願いします」


「わかったわ、ここに私達の眷属を置いていくから好きに命令してあげて」


そう言うと黒龍と白龍は姿を人間から龍の姿に戻し、成龍をそれぞれ10体計20体呼び寄せた。


「成龍達は1匹でも十分じゃが、我と同じく女神ハル様をお慕いする者にもしもの事があったらいかんから念のためじゃ、お前達もしっかり守るんじゃぞ!」


そう言って黒龍達は飛び去った。


進軍してきた、勇者とタイセル国軍総司令官は魔族のデリスを怒らせる発言をする


「さっきから壊滅寸前のモーリスト国軍は何をやってるんだ!あぁ!そんな魔族二人と成龍が増えたところで、俺たちのゴーレムとこの勇者様の魔法で葬ってやる!」


「そうそう、さっさとあのくそチビのガキを出せよ!ハルとか言ったか?裸にさらして、あいつを崇拝してる奴らの前で虐待ショーを見せてやるよ!ギャハハ」



すると辺りの雰囲気が変わる


ミロが慌てて呼びかける


「お母様!落ち着いてください!お母様!国王様皆様を私の周りに急いで集めて!全員よ!早く!」



国王も宰相も訳がわからず言われるがまま軍を集める


「成龍さん至急この人達の周りに展開して障壁を張って!できれば重ねてお願い!」


ミロも魔力を、練り成龍達が重ねて障壁を張った上にさらに重ねて障壁を張る


プライム国王達はミロの指示通り集まった、するとすぐに龍族により障壁が展開される


「いったい何が起こるんじゃ」



タイセル国軍の兵士は完全に舐めていた。


「ハハハあいつら龍を呼んだと思ったら障壁だとよ!それに出て来たのエロエロな姉ちゃんだしアハハ!」


「ちょうどいいや、あのハルってガキと一緒に痛めつけるのもありだなギャハハ」



さらに雰囲気が変わると王妃デリスの周りに巨大なオーラが現れる


「我を救ってくれた大切な女神ハル様を虐待するだぁーーーー!人間風情がぁーーー!」


王妃の怒りの威圧だけで、タイセル国軍の兵士のほとんどが、泡を吹いて倒れて行く



「な・なんだあいつは!半龍?ゴーレムよあの魔族を殺せ!」


王妃の魔力がさらに上がり


「貴様らの国は滅ぼす!がぁーーーーー!」


〈ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!〉


〈ブーーーーーーーン!〉


「な・なんだあれは?それに黒い鎌の巨大なやつはゴーレム何で止まって」


「俺たちのゴーレムが崩れ行くぞ!」


〈ガラガラガラ〉


「死になさい!死になさい!死になさい!死になさい!」


〈ドカドカドカドカドカドカドカドカ〉


「ぎゃぁーーーーーーーーー 」


「逃げローーーーわーーーーーー」


「ぐわーーーーーーーーーー」


ドッカーーーーンドッカーーーーンドッカーーーーンドッカーーーーンドッカーーーーンドッカーーーーン


「死になさい!死になさい!死になさい!死になさい!」


〈ヒューヒューヒューヒューヒューーーーーーーー〉


〈ドカドカドカドカドカドカドカドカドッカーーーーン〉


「陛下我々はとんでもない方に救われたのですね、ハル姫は女神様だったとは」


「ハル姫が例え女神様だったとしても儂にとっては、可愛い娘みたいなものじゃよ」


「陛下の選択は正しかったのです、しかしたった一人の魔族がここまでの力を持ってるとは」


「アハハ女神ハル様の力わ素晴らしいわどんどん力が溢れてくるわ」


「くそ!化け物め!ほとんど壊滅じゃねえか!でも俺たち3人は神の加護があるからてめえの攻撃は効かねえよ!」



「ほぉーあれを耐えるか…では、本気で行くとするかのぉ」


その言葉を聞くと勇者達は


「「え?」」


「俺たちには耐えれるはず」

「耐えれるよな」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る