第53話ハルは受付のお姉さんに叱られて泣きました。

ハルがコブの討伐依頼をこなしてさらに2日今日もハルの元気な声がギルド内に響く


「ただいまぁー今日は少しおおきいの倒したのぉー!お願いなのぉー」


「お!元気娘が帰って来たぞ」


「お帰り、今日も元気だねパルちゃん俺らも参考に見せてくれ」


「いいよぉ」


私ピアニスは今日が研修後の初勤務ドキドキします、スーミレ主任からはパルと言う小さい女の子は特に対応を注意するように言われていた


小さな冒険者パル対応注意事項

①絶対驚いて大声を出さない

②優しく対応する

③とにかく褒める

④絶対叱らない事!万が一泣かせてしまった場合大変な事になるので至急ギルド長に連絡する事


この子ね、スーミレ主任は会議中、指導員のユリナさんは今休憩中で、私が対応することにしました。注意事項ねぇ・・ 大丈夫でしょ



「はい、お帰りなさい!今日は私ピアニスが担当させていただきます」


「……………」


あれ?この子ちょっと硬くなってる?あ!優しくしないと


「あ!ごめんねビックリしたよね、お姉ちゃん今日初めてだから緊張しちゃって」


「そうなのね、これ完了したのです!パル頑張ったのです!早くランク上げるのです」


「そう!えらいわね」


「むーー!」


「じゃ確認するからこっちに来て!」


このお姉ちゃんハルが嫌いなの?


「はいなの、むー 何か違うの」


ハルは解体所について行った


いつもパルが来るのを楽しみにしてるパルのファンの冒険者が、ピアニスの対応を見て、これはまずいと思い慌てて叫んだ


「誰かスーミレ呼んでくれ早くしろ!」


冒険者達はパルの実力を知り、スミーレからもいろいろ対応に難しい子だと聞いていたから今回のパルの態度を見て焦って騒ぎだしていた


「おい!早くスーミレか慣れたやつすぐ解体所に行かせねえと大変な事になるぜ!」


「そうだ!早くしろ!なんで新人の受付なんかに対応させたんだ!」


「おい!早く解体所に行けよ!絶対やばいことになるって!」



別の受付をしてた子も冒険者3人が受付でスーミレをすぐ呼べと騒いでるのを見て、処理を手早く済ませ、対応に回る


「どうしたんです?」


「おお!今パルちゃんが来て、その受付を今日初めての受付が対応したぞ!パルちゃんが機嫌悪そうに解体所について行ったから、慌てて言いに来たんだ!あれはまずいことが起こるぞ!早く誰か行かせた方がいい!」


私はすぐユリナさんとスーミレ主任を呼びに行った


〈コンコン♪〉


「どうした」


「緊急案件です」


「入れ!」


〈ガチャ〉


「会議中失礼します」


そこにはギルド長、スーミレ主任、マエラさん、もう一人部下?女性がいた


「どうした?緊急案件とはなんだ!」


「はい!すみません!先ほどパルちゃんが依頼報告に来て、新人のピアニスが対応したのですが、冒険者の方が、パルちゃんが機嫌悪そうに解体所に行ったと報告があり急ぎ報告に来ました。」


それを聞き、ギルド長は、慌てて出す


「いかん!マエラ殿先ほどの件は後で、急ぐぞ!」


「これ対応誤るとまずい事になる、今はあのパル?ハルに任せるしかないのだから、ほんと情けないし彼女に申し訳ないと思う、我々も行こうか」


「はい!」


ハルはピアニスをずっと見ながら歩いてる


「じゃパルここに出してくれる?」


パルは機嫌悪そうに言われたまま出す


「むー」


このお姉ちゃん誉めてくれないのです


〈ドスン!ドスン!ドスン!ドスン!〉


「これで全 「な・何よこの量ーー!」〈ビクッ〉・・・部なの」


「はぁーー!これだけのオークとハイオーク、オークキング、それにオーガ 嘘でしょぉ!」


「ヒッ・・ グスン こ・これパルが 倒した のです グスン」


「オークキングよ!なんで倒せるのよ!それに今どこから出したのよー!おかしいでしょ!」


「ビクッ!うわーーん!うわーーーん!嘘じゃないもん!ハルが倒したもん わーん」


「泣いてないで、ちゃんと正直に説明しなさい!それにあなたハルじゃなくパルでしょ!」


「うわーーん!うわーーーん!うわーーーーーん」


駆けつけたギルド長たちが目にしたのは


ハルが倒した、オークの巨体が山のように積まれ、その前で大泣きするハルの姿と、説教する新人ギルド員の姿があった


ギルド長テトロは、大泣きするハルを見て頭を抱えていた


「はぁー、これはまずいぞ!」


スーミレは、ギルド長に目で合図され新人のピアニスに近づきどうしてこうなったのか事情を聴いた


「ピアニス!あなたパルちゃんのギルド対応注意事項ちゃんと読んだの?」


「はい!読みました!しかし主任!これあきらかおかしいですよ!」


「ここじゃパルちゃんビックリするからこっち来なさい!」


「えーー!ここでいいじゃないですかぁ、それにこの子さっきから自分のことハルって間違って言ってるし絶対おかしいですよ!」


それを聞いたハルはさらに泣き出した


「ハルは悪くないもん! グスン・・ ハルは

うわーーん! うわーーーーーん お家帰るの」


ギルド長はさらに悪くなる状況をみながら指示をする


「さらに悪化した、ハァ・・あのバカ! ユリナ、お前がそのピアニスを控室に連れて行ってくれ、スーミレはパルちゃんを応接室まで連れて行ってくれ、俺は解体所職員にこの量を確認させ鑑定してすぐ戻る」


「わかりました」


スミーレは、優しくハルの頭を撫で謝り慰める


「ごめんね、パルちゃん、怖かったね、パルちゃんいっぱい頑張ったのにね、お姉ちゃんいなくてごめんね、応接室に行って休もうか」


「うわーーん怖かったのぉ ハル頑張ったのにいー ぅわーーん」


ハルは泣きながらスーミレに手を引かれて応接室まで来ていた。


スーミレは、ハルを泣き止ませようと必死に対応するが、泣き止む気配はない


そのうちぐずり出し最悪の言葉を口にしだす


「この町の人もハルを悪く言うのぉ いじめるのぉ グスン・・もういいハルお家帰るの」


「ハル?パルちゃんだよね、お家帰るのちょっと待ってくれるかな、ここにねパルちゃんの好きなお菓子あるから、ね!お姉ちゃんとお話ししてくれるならあげるよ」


「おかし? グスン・・ お話するの、お菓子ちょうらい」


これでいいんだアハハ


「はい!どうぞ!」


ハルの目の前にスーミレが作ったお菓子を出されハルは泣き止み、おいしそうにお菓子を食べている


「美味しいの♪グスン」


「なんとか首の皮一枚つながったって感じだな」


その横の控室ではユリナにピアニスがパルの対応で説教されていた。


「あなたねぇ!注意事項読んでてなんであんなこと言ったのよ!」


「だっておかしいですよ!だから注意したんです」


「あなたはルールを自分の思いで無視して勝手に行動するんですね!そう言う人なら今後どこに行っても務まりませんよ!」


「でも、あれはおかしいですよ!」


「それがわかってるから注意事項として書いてあるのです!新人研修でも習ってるはずです!あの子は特別な子です、だから扱いも慎重にしなければなりません!絶対に今日のような行動をとってはいけないのです!


現にあの子が来てからこのギルド全体の依頼達成度も上がり、コブリンやオークによる人への被害が、ゼロになったのです!


それにこのギルドも、以前と比べ物にならないくらいに明るく、トラブルもなくなりました。あの子はこのギルドを変えてくれた天使のような子なのです、だから特別なのです!だから注意事項として明記してあるのです!この事は絶対厳守なんです」


「そんなぁ・・ 知りませんでした、すみませんでした。これからは気をつけます」


パルちゃん… 留まってくれるといいんだけど

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