第52話ハルはランクアップ頑張ってるのです

「そんなにかわかった!よしお前達は通常通り処理してやってくれ」



「わかりました!」



「それは構いませんが、あの子いきなりFランクに上がりますが、よろしいのでしょうか?」



「なんじゃそれ!何か目的でもあるのか?」


「はい!何でもダンジョンに行きたいって、キャッキャしてました。」


「なるほど、ダンジョンねぇ…そういえば、町が管理するダンジョンに、タイセル国の勇者どもが来てトラブルが多かったなあのくそ勇者、特に女性の冒険者に絡んでやりたい放題してやがる!あいつらランク的にもSランクもうギルド冒険者が相手にできる奴らじゃねぇ、 早くどっかいかねぇかな、くそ勇者め!」


「言ったでしょ♪テトラギルド長、あの子を自由にさせてあげれば、この町に利益がもたらすとウフフ… 」


「おい!まさか、あの子を… いや!いくら何でも相手はSランクの勇者だぞ!しかもバックはタイセル国だ!」


「もしパルって冒険者が私の知ってる子なら、何とかしてくれるかも」


しかし勇者を使って隣国を攻めて、相手国から停戦の申し入れを受けて、兵を引き上げ戦勝国として領土割譲とお金をもらうわけだ


そういえばシリウス様が言ってたわ、今度はモーリストに来るって・・


なるほど、それで偵察と自分たちのレベル上げね、この事も報告しないと


「よし!ここは成り行きに任せよう!あの子を自由にさせる!受付担当者はあの子には優しく接してやること!いいな!」


「わかりました」


「ねぇまだなのぉ・・パル眠くなったのぉ」


「お待たせしました、確認できました。依頼完了です、これでFランクに昇格になります、これが新しいカードです」


「やったのね♪Fランクだぁ!」


〈コトン〉


「これが報酬の銀貨150枚です」


パルは報酬より、カードを両手で持ち嬉しそうにしてカードを眺めてる



「次はEランク頑張るのぉ」


私はプライム国王に報告するため問題の少女を観察していた


なるほどね、確かに茶髪のショートヘアそれに黒目かぁ人違いなのかなぁでも何となく似てるんだけど


私は魔道通信機でシリウス様に報告した。


「アトリエの町にミラーレの姫とよく似た子供がいるのだな、なるほど、実は今ミラーレの姫が唯一信頼してるミリアに姫から冒険に出ると言うメッセージがあり今は森にはいないらしい、


それとマエラ君は、そのまま暫くそこに留まり、その少女の監視と近くに妹のセリスが、仲間と一緒に隣のラムルの町にいるらしい、そのミラーレの姫に似てる子と接触してトラブルを起こさないように、よろしく頼む!」


「えーー!そんなフラグ立てないでください!はぁ・・・」


ダンジョンにタイセル国の勇者が暴れてて、となり町に第三王女のセリス様、冒険者として張り切るミラーレの姫の双子?がいる


こんなの絶対なにか起こるわよ!無理無理!こんなの一人で対処できないわよ!カレン達呼ばないと無理!


私はすぐにカレンに連絡をとり、急ぎ部下を引き連れアトリエに来るように指示をした


どうか何事も起こりませんようにと私は祈った・・・


それから1週間、たいしたトラブルもなく過ぎて行った


トラブル?そういえばミラーレの双子姫が馬鹿みたいな勢いで依頼をこなしてついにダンジョン資格のDランクに昇格していた。


双子姫が依頼報告に来るたび、受付嬢が顔をひきつらせていた。


「只今なのぉー!コブリンとその仲間たち倒してきたのぉー!」


「おぅ!お帰りパルちゃん」


「お帰り、今日も沢山狩ったのかな?」


「はいなのです!ちゃんとバーンって倒して来たのです」


「そ・そうなの早いのね確認したいから解体場で出してくれるかな」


「お!双子姫は帰って来たのか?今日はどんな驚かせ方してくるんだ、見に行くかマエラも来るか?」


「はい!行かせていただきます」


わたしは、ギルド長と一緒にパルの討伐して来た物を見に行った


「じゃぁパルちゃんここに出してくれるかな?」


「はいなのぉ」


〈ドスン!ドスン!ドスン!・・・・・・・・・・〉


「これで全部なのです!パルは頑張ったのです!ランク上げるのです!」


スミーレはパルの出した討伐された魔物を見て唖然としていた


うそでしょ・・ もうこの子自分がどれほど凄い事してるかわかってないわね・・


それにバッグもマジックバッグなの自覚してないし


ギルド長も驚きの声をあげる


「マジか!・・・」


こいつ、全然自覚ねえな・・ キング2匹クィーン3匹メイジ10匹ヒーラー3匹だとー!全部、B・Cランクじゃねぇか!それにコブが80匹と、これを一人でなんて、まずありえねえだろ


マエラも唖然とし


何この量・・・ この群れなら確実Aランクパーティークラスの依頼私でも一人では無理だ! 規格外すぎるこの子




皆驚いてるけど、実はハルほとんどミラーレの魔物たちが狩ってくるのをバッグに詰めるだけだったんだけど早くダンジョン行って見たいから、バレないといいよね?あ!ミラーレの魔物ってハルの仲間だから別にズルしてないから、うん♪問題ないのです


魔物達も姫のためにと、ハルの要求する内容を競争しながら持って来る、ハルは喜び、魔物達はそれを見てさらにはりきる、これがいいのか、悪いのか、ハルの依頼達成スピードが異常なくらいになっていたのだった。


「アハハ…パルちゃん、今日は頑張ったのねぇ、ちょっと速すぎるけど… 偉いわぁ」


もう嘘でしょ?どうやったら、この依頼を4時間でこなせるのよ……


「パルは、いっぱい頑張ったのです!ドキドキワクワク大冒険のために、もっと頑張るのです!」


「パルちゃんはいっぱい頑張ってるから、あとどれだけ頑張ったらランク上がるのか、わかってるんだよね」


「……マスタさん、パルは賢いのです!わかってるのです!いっぱい依頼を持って来たらいいのです!」


「いや、依頼を持って来るって、まぁ確かに、依頼をこなして持って来るから、合ってるけど… 」


パルちゃん何も考えてねぇな、でもこの子が来てからこの冒険者ギルドも変わったよなぁ… 明るくなったし、あのむさ苦しい連中が、喧嘩もせず笑ってるんだから、ホントに変わったよ


連中もパルちゃんが依頼から戻って来た時の明るい大きな挨拶に始めの頃は、びっくりしてたけど、今じゃパルちゃんが戻って来るのを楽しみにして、早めに戻って待ってるくらいだから、変われば変わるもんだな


まぁ俺も含めこのギルド全員、すっかりパルちゃんのファンになっているもんな… ほんと楽くて明るい、いい子だ


俺はギルド長として禁止行為をしている、ギルドにいる連中も薄々気づいてると思うんだが、パルちゃんはすでにランクアップの条件を満たしている、DどころかCの条件までも


ただギルド長の俺が、ランクアップを止めている、できるわけない!屑勇者の待ちかまえるダンジョンなんかに


あんなにも可愛いくて優しいパル、このむさ苦しいギルドを明るくしてくれた、天使のような子を行かせるなんて…


さてどうしたものか………

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