第47話ハルはやっぱし偉い人は嫌い

私ミリアは今回の件を報告すべく、領地の政務を指示した後、王都に向かった。ダリア様は我が家で1泊した後王都に戻って行った。


ダリア様は、ミラーレに行く前に比べると態度が少しましになり、ミラーレの姫に対して危ない態度があったとは言え無事おみやげまでもらい帰って来れたのだから、結果は良かったのではないかと、思ってた、王都でプライム様に会うまでは……


☆・☆・☆


ルナ達はミラーレ大森林から戻ってから、ハルちゃんに言われたようにシトラス伯爵家で護衛兼冒険者として活動していた。


ミラーレから戻りハルちゃんからもらったお土産の中に手紙が入っていた。


【ルナお姉ちゃん達今日は凄く楽しかったです、ありがとなのです、ハルはお姉ちゃん達から話しを聞くまで、知らなかったです、ハルは強い魔法とか、スキルを使うと身体を守る別のスキルが働いて、眠ってしまうのです、その時に昔の記憶が消えて行くのです、ハルは転生してこの世界にきたのわわかってたのです、転生ってことは前は死んだってこと、ルナお姉ちゃん達は転移、前は生きてるってこと、ハルは戻れないけど、お姉ちゃん達は戻れるよたぶん…ハルがもう少し大きくならないと、そんな魔法あっても使えないから… だから希望は捨てないで頑張って生きて下さい!ハルは人が嫌いです、あのお姉ちゃんも一緒だったの、怖いのです、だから森にいるのです。でもルナお姉ちゃん達は嫌いじゃないから、時々会いに行くのです、またなのです♪】


私達はこの手紙を見て話し合いました。


私達は全員例え日本に戻る魔法が見つかったとしても、この世界に残ることにしました。日本には両親もいるこんな不安定な世界でなく、安心して生活ができる世界だけど、私達はあの優しい先生のいない世界には未練がありません!ハルちゃんは姿も性別も違うし記憶もなくなってるけど、私達にとっては優しい先生です。だってハルちゃんに抱きついた時先生と同じ感じがしたから、だから私達はハルちゃんが一緒にいてもいいよ、って言ってもらえるように頑張ることにしました。



☆・☆・☆


「お父様只今戻りました。」


「おお、ご苦労であった。それで、どうだったのじゃミラーレの姫は」



「だ・大丈夫ですわ、ちゃんと対応しましたから、お土産も沢山ありますわ」


ダリア王女は、小さいながらもマジックバックを持っていて、その中から透明で綺麗な模様の入ったコップを20個、お風呂で使ってた洗剤セットを並べた。


「なんじゃ!この美しいグラスは!素晴らしいぞ!それにこの洗剤液体ではないか!香りも素晴らしい!よくこれだけの量をお土産に渡されたなぁ」


「お父様の親書を受け取る時の態度を少し指摘したら、お詫びにと頂きましたわ」


プライムは娘の発言に持っていた洗剤を手から落とした。その時の光景が浮かんでしまう、この馬鹿は、ハルに高圧的に言ったに違いない!それでハルは怖がりこれらの品物を渡したってところか…


「ダリア!まさか我が王国の救世主に、高圧的な態度を取ってないだろうな!」


「お父様、失礼ですが、あのような者が救世主とはとても思えません!ミラーレ大森林に入ってからもたいした魔物は出て来なかったです」


「バッカモーン!お前は何てことしてくれたんだ!」


「お父様だって…」


「もうよい!部屋に帰りなさい!ダリアもアリスも…はぁ…」


儂は国のこともあるから息子の教育は力を入れたが、娘は嫁ぐ者だからと、自由にさせ過ぎたからこうなってしまったのか、二人共縁談の話はすぐ断るし、いつまでも嫁に行かず困ったものだ


さて、このままではいかぬじゃろ、これでアリスまで出て来てミラーレの姫に近づくようなことがあれば… もう終いじゃ


いかん!変なこと考えてほんとにそんな事になったら大変じゃ宰相と相談するかの


☆・☆・☆


ハルは今お家にいます、前のバッグの代わりに今度は今のハルの魔力で作れるギリギリの可愛い熊さんバッグを作ったのです、中に入る量は前は制限なかったけど、今度は小さなお部屋くらいになったのです


ハルは、違う国?町?に行くことにしたのです、もっといろんなところ見たいです、勉強するのです、少し冒険するのです、ミリアお姉ちゃんには、冒険に行くこと知らせたのです


森の魔物さんはみんなで集まって何かしてるのです、聞いたらハルに着いて来る者を決めてた見たいです


人間の町にここにいる魔物が来たら大騒ぎになるからダメって言ったらみんな落ち込んでたのです


みんなハルのこと好き見たいで嬉しかったのです


ハルは西の方に行くことにしたのです 、ワクワクするのです、森の出口まで送ってもらって、そこから冒険の始まりなのです。


「みんなぁー少ししたら戻るから待っててねー!」


ハルは送ってくれた魔物達に手を振って町に向かって歩いていきました。

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