第35話ハルにはたくさんの仲間がいたのれす
私も出発前に至急この事報告する。このままではほんとうに、一人のバカ男爵のせいで国が滅ぶぞ
私は再びシリウス王子の元を訪れ報告した。
コート男爵の行動に、いつも温厚な国王も怒りをあらわにするほどだった。
この状況を考え、国王自らテレスタに向かうと言い王国の第一第二騎士団、王国魔法部隊まで国王と共に出発することになった
王妃はじめ多くの女性たちは、今回の行軍は帰れる確率の低い、王国の存続も危ぶまれるくらい、重要となるのはわかっていた。
そのため留守を預かる女性たちは多くの者が泣きながら見送っていた。
☆・☆・☆
コート男爵着きました。
男爵は、馬車から降りて門番の者に訪問を告げる
「モルソン侯爵様はご在宅か!私コートと申します、お捜しの娘を連れて来たとお知らせください」
コートは、面会を許され屋敷に通される
「モルソン様!例の大森林への領地拡張の邪魔をした娘を連れてまいりました。」
モルソンは、巨体を揺らしながらコートを歓迎する
「おおご苦労!それでその娘はどこだ!」
「あちらに!引きずってまいりました。まだ死んでないと思います」
モルソンは、携帯してる小刀を抜き倒れてるハルめがけて振りかざした
「こいつか!忌々しい!あれから監視が厳しくなって、何もできんではないかクソガキ!」
ザク!ザク!ザク!
「なんじゃ!反応しないではないか!馬車に縛ってる鎖を外せ!」
ハルは、腕を何かで刺されました。痛いのです。
でも声上げてやらないのです。
我慢するです。ハルはもうダメなのです。
でも最後に少し思い出したの、お城にいたあの子たち、ハルがこの世界に来る前、微かに残る前世の記憶で、覚えてる女の子達、あの後無事生き延びてくれたかなぁ・・もう一度あいたかったの
馬車から鎖が外れた、ハルは手につけられてる鎖を持たれ引きずられてるの
今が最後のチャンスなの眠くならないように魔法使って、それでこの人たち動けなくするです、ハルは脚のアキレス腱も切られててもう歩けないから、風魔法で自分を運ぶのです、森までは遠いからどこかにもう・・ 意識が
「 ボソボソ… サンダー… 」
バリバリバリバリ
「「ぎゃーーーー」」
ハルを引きずるモルソン侯爵とそれについて行くコート男爵たちを突如雷の玉が落ち彼らは気絶する
「エアリアル… 」
ヒューーーー
ハルの周りに風が起こりハルを持ち上げていく
ヒューーーー
ヒューーーー
ヒューーーー
ヒューーーー
ハルを包み込んだ風は、ハルの意志を持ってるかのように、ハルを庭の中に大きな木がある屋敷に運び、木の側に降ろすと静かに消える。
ハルは、木に寄りかかるように静かに目をとじた。
☆・☆・☆
テレスタでは、ミラーレ大森林の入り口に広がる魔物が、立ち止まったまま動く気配がない
キャサリンは、閉じられた城門を開き一人外にでる。
待機を命じられてる、兵士、冒険者は城壁の上から様子を伺っている
どれくらい経ったろうか、キャサリンの前に1匹の体長2m以上翼長5mの巨大なフクロウが飛んできて地面に着地する。フクロウは、巨体にもかかわらず、着地の音が全くしなかった
ヒューー
ストン
キャサリンは、目の前のフクロウの動きを見て魔物ランクS以上なのはすぐわかった。
この巨体で、あの動き飛んでもない魔物だぞ!
フクロウだけで、テレスタの町は壊滅する。
キャサリンは動くことができず様子を伺う
フクロウが、城壁から見てる者にも聞こえるように音魔法で伝わるように語る
『我が名はシルル!ミラーレ大森林の全ての魔物を統べる姫の眷属なり!』
ビリビビリビリビビリ
え?どう言うこと?凄いビリビリ伝わって来る私も見守る者達も騒ぎだす
『人族の者よ、我らミラーレ大森林の魔物は、人族を襲いに来たのではない!
我らの姫を森に返してもらいたい』
ギルドマスターのキャサリンは、威圧にも何とか耐え魔物を見つめ話す。
「私は、このテレスタの町の責任者の代理キャサリンです。
ミラーレ大森林の姫とは、誰のことでしょうか?そのものは人族なんでしょうか?」
シルルは、ハルのイメージを送り込む
『うむ、少し待たれよ 〈キィーーーーーン!〉これでここにいる全ての者が、我らの姫の姿がわかったはずだ!
名はハルと名乗っておる!
ミラーレ大森林の多くの我ら魔物が、姫様を大切に思っておる。
姫が、人族の男に連れていかれ、姫が傷つけられていると報告があり、参ったのだ!』
このフクロウ… 姫が傷つけられたと、言った辺りから、威圧がさらに上がる。
怖いあまりにも怖過ぎる。
威圧が半端ない… ガクガク
私は震える身体で言葉を紡ぐ
城壁の上にいる者たちも、威圧で震え剣もまともに握れない状態だった
「こ・この子は、ここにはおらぬ!わ・私たちの仲間が全力で行方を捜している。
ハ・ハル殿を傷つけた人族として謝らせてもらう、申し訳ない!
ど・どうか魔物の進行は待っていただきたい!お・お願いします。」
『我らミラーレ大森林の魔物たちは、姫がいてくれるだけでいい!
それに姫の嫌がることはするつもりはない!
人族の町も襲う気はない!我々は姫を返してもらいたいだけぞ!』
その子を返せば許してくれる?
おぉ!
「じ・じゃなぜこんなにも多くの魔物がいるのですか?」
『姫の力を示すため!姫には我だけでなく、我よりもはるかに強い魔物が多数いる。
それらすべてが姫をお慕いしておる。信じられんか』
キャサリンもそれを聞いていた者達も、その言葉に驚く
「このフクロウよりもはるかに強い魔物がいるだと、信じられない…」
シルルが森に向かって何か声を上げた、すると魔物の中から3体の魔物が出て来る
ズシンズシンズシン
ドスンドスンドスン
ビュービュードスン
その巨体では考えられないような速さで目の前に現れた
体長5Mのワイルドコング魔物ランクSS
体長3Mのミラータイガー魔物ランクSS
体長3M翼長5Mのエンシンミラーバード魔物ランク???
何この魔物!溢れる強大な魔力、どれもめったに見ることもない天災級の魔物…信じられない、こんな天災クラスの魔物があの幼い子供を慕ってる嘘でしょ、身体の震えが止まらない・・・
城壁から見てる冒険者たちもガタガタ震えていいる・・
「あのフクロウだけでもこの町は崩壊させられそうなのに、あんな天災クラスの魔物、しかも何体もこの町はもうおしまいだぁ・・」
フクロウのシルルは、何故か暫く沈黙し動きを止めている
『人族の者達よ迷惑をかけた!姫の居場所がわかった!我々はそこに行く!』
フクロウが森に向かって声を上げると、今までいた魔物が、瞬く間にいなくなり森に静けさがもどった。
キャサリンは、その場にへたり込み生きているっと、言葉を静かに漏らしていた。
城壁の上にいる兵士や冒険者達も、へたりこみ、助かったと歓声をあげていた。
キャサリンは、あの魔物達いったいどこへ向かったんだろう…と思いながら町に戻って行った
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