第28話悪い人は全員捕まったのです

「「「「えーーーーーーーー!」」」」


ハルちゃんの突然の行動に驚き、私は追いかけた、こう見えてもAランク冒険者、身体強化を使い今の不安定な精神状態のハルちゃんになら追いつけると思い本気で、マジ!


結果クポルの町をでるところを確認できただけで、町の外にいた者に聞くと泣きながら森に走って行った、とのことだった。


私はうなだれ、ギルマスたちのもとに戻った。


「どうでした、グレープさん」


私は無言で首を振った

バニラは怒る


「フェアリー様!馬鹿なのですか!前にも同じような事あったでしょ?

どうしてあんな態度に出たのですか!」



「いや、あまりにもワガママなので強く出れば言うこと聞くかなっと、まさか泣いてそのまま出て行くなんて思わなかったのじゃ、どうしよう」


「どうしようじゃありませんよ!ほんとに」


「グレープあなたならあの子の後追いかけられない?」


「あの子が帰ると言ってる、ミラーレ大森林は場所によります、Aランク冒険者でパーティーを組んで上層域、中層域、までです、奥地の下層や深層になればSランクパーティーでも難しいかと」


部屋に残った者達は、項垂れる。


「確かに、奥地はまだ誰も踏み入れた者はいません!

中層域で森の入り口から野営しながら1ヶ月、奥地はどれほどかかるか不明と言われています。

ミラーレ大森林の規模が、現在でもまだわかってません」


グレープが発言する


「ハルちゃんは、奥地にいるとは思わないけど、見つけるのは難しいと思います」


バニラがハルの置いていった魔物を指さす


「それよりこの素材どうするの?」


「あ!ホーンロップ」


素材鑑定職員が発言する。


「このままだと傷んでしまうから、オークションにだして、そのお金をハルちゃんが戻って来たときに、渡すしかないだろ」


ギルマスが素材について話す。


「とりあえず、ホーンロップの討伐者はグレープにして出品する」


「カエラお嬢様、私はパーティーを組んでハルちゃんの捜索に向かいます」


それを聞いてフェアリーが止める。


「ちょっと待ってくれ!明日には王女様一行が到着するんだ!

グレープがいないと誰が説明するんだ!」


グレープは仕方なく了承する。


「ぐっ!わかりました、明日また訪問します」


☆・☆・☆ハルが地図に示した場所に捜索に来た兵士達…


ほんとにこんなところにいるのか?


とにかく、通報があったんだ、確認するだけでいいんだから、行くぞ!


「おい!ほんとに50人いるぞ!」


「え!クラウン男爵?」


「何だこの糸は!石柱に縛ってある糸が切れないぞ!」


盗賊回収部隊の隊長が部下に尋ねる


「お前のスキルレベルはいくつだ!剣術2身体強化2です!


「それで切れないとは…風魔法のレベル3以上か、剣術レベル3以上が必要だと、それにクラウン男爵がいると急ぎ伝えてこい!」


数人の兵士は、出て行く


ガチャガチャ



この後、盗賊と男爵は王都に無事移送され、男爵は取り調べで全てを話した。


☆・☆・☆再びクポル冒険者ギルド


王女様着きました。クポルの町、冒険者ギルドです


「ここにあの子がいるのね。ロマリオ早く来なさい!」


アリス王女が先に入って行く、止めようとしたメイドの言葉は耳にないっていないようだ。


「アリス王女様お待ちしておりました。ロマリオ様これが書類です」


アリスは、書類を見せられキョトンとする。


「何それ?何の書類なの?」


ロマリオは、残念王女に説明する

「姫様移動中何度も説明致しましたよ!」


「あ!あれね、忘れたわ」


ロマリオは、呆れる。


「はぁ…姫様今はこの事が一番大切な案件です!」


「わ・わかってるわよ!」


「フェアリー殿、今回の盗賊を捕らえた者は誰でしょうか!」


「書類の連絡をしたのはこの者です」


グレープが一礼し、挨拶する。


「グレープです、ロマリオ様私はたまたま悲鳴を聞きつけ、駆けつけただけです。

ただ駆けつけた時には、盗賊は縛られ、書類が散乱してました。

それを見て報告しただけです。私にはあの人数を一人で捕縛までする能力はありません!報告は以上です」


この後アリス王女が、ハルがいないことで勝手な行動をとり、ロマリオ達は必死にいさめることがあった。


☆・☆・☆


王都城内に入った、マエラは上司に虚偽の報告をした後、周囲に気を配りながら、気配遮断を使いシリウス王子の元に向かった。


「シリウス様、コン♪コン♪」


「MLです」


〈コン♪コン♪コン♪コン♪〉


ガチャ!


シリウスが尋ねる


「ご苦労!何かあったのか!」


マエラが王女襲撃事件について語る


「はい!実は、…………………ありました。どういたしましょうか?」


シリウスは、少し考えて答える


「ロマリオの作戦通りで問題ないだろ、こっちもいろいろ調べてたところだ。

国王には、私が言っておくから、この後一鐘後に、謁見の間で打ち合わせ通りの報告をしろ!」


「は!わかりました」


シリウスは、マエラに話す。


「私は諜報暗部達に、王城内部を監視させる。

既に情報も集まって来てる後はその捕らえた貴族が決定的な証拠になる。

絶対奪われるな!」


「は!急ぎ信頼できる部下に増援に向かわせます!」


シリウスは、一連の事件の最大の功労者がまだわかってないことに焦る。


「今回の王女の救出、再度襲撃部隊の捕縛、我が王国の窮地を救ってくれた者に最大級の礼をしないと示しがつかん!

その者も部隊を増員して至急調べよ!」


マエラは、最大の功労者が自分に伝えそのまま去った事、その後未だ見つかっていない事に恥じる。


「は!ロマリオ様にもこの旨伝え、必ず探しだして連れて参ります」


「頼んだぞ!」


「失礼します」


この後謁見の間で、国王様に打ち合わせ通り報告をした。


国王は、すぐに命令が下されるしかも王城の近衛兵士にも命令を出す!


王城の自分の守りをわざと少なくし隙を作る


国王は謁見の間で、王女への異常なまでの愛情を見せつけて、集まった貴族達を納得させる行動をとる。

宰相がその場を納め謁見は終了となる


謁見終了後、別室で国王と王子はこれからの打ち合わせをする


その後、国王達の予想通り王城内部で、国王暗殺のための動きが起こる。

王子配下の諜報暗部の部隊に捕らえた。

決定的な証拠として、王女捕縛と王子暗殺の書類が、捕らわれた男爵の屋敷から書類も見つかり、国王の弟でもある、カザル公爵がこの全ての首謀者だった。


カザル公爵は幽閉され領地は取り上げとなった、こうしてカザル公爵によるクーデターは失敗に終わった。


国王は謁見の間で、ロマリオ始め今回活躍した者に、報奨を与えた。


「皆よく聞いてほしい!今回、娘アリスが襲撃されたことで、我が王国の不穏分子を取り除くことができた。

これもロマリオ始め多くの家臣のおかげである!」


国王は、ロマリオ達に感謝の言葉を述べ報奨を渡す。


「ロマリオよ今回の件ご苦労であった。感謝する!」


ロマリオは、報奨を受け一度列に下がる。

再び国王は、演説する。


「皆よく聞いてくれ!まだ今回の最大の功労者が、野に隠れたままなのだ!

これは、我が王国にとっても恥ずかしいことである!

我はこの功労者に最大級の礼をしたい、どうか探して連れて来てほしい、よろしく頼む!」


こうして、モーリスト王国最大の事件は一部の問題を残して、解決した。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る