第18話冒険者ハルですよろしくなのです

ハルは綺麗なお部屋に連れてこられました


「ハル様こちらにおかけ下さい、カエラお嬢様もどうぞおかけ下さい。

ギルドマスターをお呼びします」


マスター?一番偉い人ですか?何かされるですか?怖いのです


ビクビク…


「カエラお姉ちゃん、やっぱり帰るのダメですか?マスター怖いのです」


カエラがハルに説明する。


「大丈夫よ、ここのギルマスは綺麗な女性よ、優しいし怖くないと思うわよ」


「でも怖いのです、なんか嫌な予感がするのです」


ガチャ!


誰か入って来ましたの、うゎー凄く綺麗な人なのねあれ?

みんな立ち上がってるよ?あっそか偉い人だからだ。


ハルも立ち上がってお辞儀をしたのです



「お待たせしました。クポル冒険者ギルド責任者のフェアリー・ディアレストです。

この子がハル殿ですね。ようこそクポル冒険者ギルドへ歓迎いたします。」


フェアリーは、フードをとって顔を見せてるハルを見て、その可愛いさにフェチ心がくすぶられ妄想が溢れる。


『ちょっと何この可愛い子…はぁー私好みの小さな可愛い女の子だわ…

まるで妖精みたい、このまま連れて帰って可愛い服着せて、あんな事やむフフな事を… 』


ハルはギルドマスターのフェアリーに挨拶をする


「ハ・ハルでしゅ・すよろしくお願いします」


噛んじゃったのです…ぅう恥ずかしいのです。

うぅギルマスさんずっとハルを見てるの怖いの


「マスター?フェアリー様!」


バニラが何度も声をかけようやく反応する


「あ!すまん、あまりにも思ってたイメージと違ったのでついつい見とれ… いや、驚いてたのよ」


バニラはそっと近づきギルマスに


「マスターよだれ!また妄想してたんでしょ!もっと顔を引き締めてください!顔にやけてます」


『ホントにうちのギルマスは、可愛い少女にはメロメロなんだから困ったものです』


フェアリーがハルに尋ねる


「それでハル殿、バニラから聞いたのですが、ヒアリー草とデトレ草を買取に出されたと聞いたのですが…それを私に見せてもらえますか?」


みんなに見られてるのです。

ギルマスのフェアリーさん凄く前のめりで見つめて来るの・・ グスン

怖いょぉ やっぱし森に帰るの町は怖いのです


「あの・・ グスン 冒険者なれなくていいから、ハルは森に帰る グスン 」


フェアリーは、ハルの帰る発言を聞いてぐいぐい迫る


「な・何で?何もしないから見せてたもれ!」


グイグイと迫ってくるの・・ 怖いです ポロポロ・・・ グスン


そんなハルの状態を見て、バニラがギルドマニュアルをクルクルと丸めて、ギルマスの頭めがけて振り下ろす。


パァーーン!


「痛ったぁー!な・何をするのよ!バニラ!いきなり叩くなんて!」


「何じゃありません!ハル様が怖がって泣いています!

何、本能のまま迫ってるんですか!

そんなんだから、結婚もできず売れ残るんです!」


バニラの爆弾発言に反論するフェアリー


「な・何を言ってるのよ!売れ残りって失礼な!

男なんてうっとおしいだけよ、私には美少女がいるわ!

ってな・何言わせるのよ!」


カエラ達もギルマスの行動に頭をかかえていた


「ハル様申し訳ございません!普段は冷静な立派な方なのですが…

ハル様があまりにも可愛いので、崩壊してましたので、ちょっと渇を入れさせてもらいました。もう大丈夫と思います」


ハルは、バニラの行動に驚き少し思い直すもバニラにお願いする


「ハルに様いらない、敬語もいらないの グスン・・ 帰ったらダメなの?」


バニラが謝りお願いをする。


「ハルちゃん、ごめんね、お願いだからもう一度見せてくれないかな?」


「いやぁ・・ 帰る・・・ 」


バニラはどうすればハルが言う事を聞いてくれるか考えていた


『はぁーダメだ、完全に心閉ざしたわ、どうしたらいいの、ほんとにギルマスには困ったものねそうだわ』


バニラはテーブルに近づき椅子に座り下を向くハルの目の前に1枚のギルドカードを置いた。


コトッ


「お約束のギルドカードです!そのカードに血液を一滴たらせば登録が完了します」


すると今までぐずって泣いていたハルが、ピタリ泣き止みギルドカードを見つめていた


「これハルの冒険者カードなの?」


ハルは冒険者カードを手に取り、目をキラキラさせ見つめている


「あのハルちゃん、ヒアリー草とデトレ草を出して 〈バサバサバサ・・・〉 えーーーーーーー!」


ハルはカードに夢中で、自分のとった行動に気づいていない


ギルマスはじめ一同、ハルの出したヒアリー草とデトレ草の量に驚いている


「な・何この量!」


「えーーー!」


「ほんとにヒアリー草とデトレ草だ、幻の薬草とまで言われてるくらい貴重な薬草がこんなに・・・」


バニラは改めて思った


「この子ほんとに何者?凄すぎる」


薬草に詳しくないカエラがグレープに尋ねる


「ねぇグレープこの量のヒアリー草とデトレ草っていくらになるの?」


グレープは、困惑しながら答える


「そんなのわかりません!上級薬草採取依頼は、Aランク複数以上のパーティーでないと受けれないのです!

そんな危険の伴うクエストで、確保した薬草なんだから白金貨何枚になるのか… 」


カエラは納得したように頷く


「だよねぇ…私も図鑑でしか見たことないし、そうだバニラさんこの薬草の品質状態はわかります?」


バニラは鑑定のスキルを持っているため、品質で金額が決まるような時、よく鑑定をしていると聞いている


「さきほど全てチェックしました、品質は最高品質って出ました。


こんなこと初めてよ!私もギルドに入って下級ポーション用の薬草何回も鑑定した事あるけど、最高品質って表示されたの初めてよ!


それにこのヒアリー草とデトレ草を見たの初めてだし、この量を持ってくる冒険者なんていません!」


グレープは尋ねる


「これどうするのですか?この量を素直に報告すると、大変なことになりませんか?」


カエラもうなずく


「これお父様に報告すると、ハルちゃん完全に捕縛されて、いろいろ調査されますわね」


バニラが薬草の処理について尋ねる


「ギルマスどうしますか?」


「うーん1束ならまだ報告できるがさすがにこれはねぇ…

ハルちゃんが大変なことになるのはわかってるから、このまま持っててもらうしかないわね」


みんなで薬草を前に話し合ってると、冒険者カードを見てたハルが、バニラに近づき話しかける。


「バニラお姉ちゃんカードに登録していいの?まだ薬草出した方がいいですか?」


ハルの発言にバニラは驚く

『はぁ?今この子何言ったの?まだ持ってるってこと?』


「あ・あのねハルちゃんちょっと教えてほしいんだけど、薬草ねあとどれくらいあるの?」


ハルは素直に答える


「今出したのが両方で100束だからあと300束くらいならあるの、出した方がいいの?」


それを聞いて再びバニラ達はかたまる


「あと300・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・」


「レベルが違い過ぎるわ」


急に静かになるので、ハルは尋ねる


「お姉ちゃん?どうしたの?」


バニラは思った。この子にはちゃんと教えないとダメだと…

この子自分がどれだけ凄いのか自覚ないね…


「あぁ約束だからね、いいわよ、ちょっと待っててね。」


バニラは、ハルの指を持って針をだす。


〈チョン〉


「はい!できたわよ」


喜ぶハル


「わぁーい、やったのです!ハルは冒険者になったのれす!」


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