第52話 どスケベ撮影会


 飲み物がこぼれて弓花がベトベトになってしまったため、先にお風呂に入ってもらった。


 その間に放置していたスマホを見ると、心春から一線越えないように頑張ってねとメッセージが届いていた。


 絶賛頑張り中と返信すると、心春から頑張ったプチご褒美にというメッセージと共に写真が送られてきた。


 その写真は上半身下着姿の女性だった。

 顔は写っていないが体形的に心春だろう。


 制服越しではわからなかったが、けっこう胸は大きいようだ。

 俺は痴女かよと返信すると、ネットで適当に拾った写真だけどと返信が来た。


 あいつ……まんまとはめられたぜ。


「咲矢も入って」


 少し時間は早いが、俺もお風呂へ入ることにしよう。

 今なら弓花の脱ぎたての下着も置かれていると思うしな。



     ▲



「ふぅ~スッキリスッキリ」


 シャワーを浴び終えてお風呂を済ました俺は、弓花が用意してくれていた冷えたりんごジュースを飲む。


 俺が毎日お風呂後に決まって何かジュースを飲んでいるを見ていたのか、事前に用意してくれているとは……


 本当に弓花は素敵な女性だな。

 奥さんになったら絶対幸せな家庭を築けるだろう。


「やけにスッキリしてるわね」


「この家での風呂場は、俺が誰にも見られず自由にできる唯一の空間だからな」


「いったい風呂で何してるのよ……」


 弓花は呆れた溜息をついて、俺の腕に抱き着いてきた。


 俺も男子高校生の男なので、それなりに発散しなければならないものがある。

 何かとは言わないが、そうしないと弓花の誘惑に打ち勝つことはできないので許してくれ。


「これから何する? 咲矢のしたいこと、まだあるでしょ?」


 上目遣いで見つめてくる弓花。

 現代のサキュバスと言っても過言ではないほど誘惑してくるな。


 だが、今の俺は賢者咲矢なので冷静な判断ができる。

 もう谷間に溜まったカルピスに手を出すような俺ではない。


「そうだな~」


 俺は弓花にしてほしいことを考える。

 過激な要求も受け入れてくれるだろうが、今は避けなければならない。


「今日、弓花が学校休んだだろ? 一人で寂しかったし弓花が恋しくなった。だから写真とかいっぱい欲しくなったな」


「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない」


「いつでも弓花の可愛い姿が見れれば、安心できる」


「なら、どすけべ撮影会でもしましょうか」


「どすけべは余計だ」



 一緒に弓花の部屋に向かい、弓花の写真を撮ることに。


「どんな格好がお望みかしら?」


「俺の服を着てくれ。そしたら彼女感があって良いだろ」


 彼シャツとかいう世の男子に刺さりまくる格好がある。

 ついに俺もあれに手を出す時が来ちまったか……


「ふふふっ、咲矢の我儘は可愛いわね」


 弓花に俺のシャツを渡して着させる。

 ちょっと大きめの服であり、パンツを履かなくても下着が見えない感じが三千イイネ。


「どんなポーズがお望み?」


「特にこだわりとかないけど、腕を頭の上で組んで脇見せてるポーズとか撮りたいな」


「こだわりありまくってるじゃない」


 弓花は言われた通りのポーズをしてくれる。

 頭の上で腕を組むと胸が強調されてとんでもないことになっているな。


「こういうのとか、咲矢好きなんじゃない?」


 弓花はシャツの裾を噛んで、服を剥がすような格好をしてくれる。

 おへそが出ていて、胸も半チラしている。


「大好きだが、エッチ過ぎワロタな写真になっちまうな」


「なら、おかず用ね」


「おかずとか言うなし」


 こんな写真、教室では見ることができない。

 部屋でしか見れない。まさにおかず用だな。


「こういうのは?」


 弓花はお辞儀の様に身体を曲げて、前屈みになる。


 シャツと身体の間にはとんでもない谷間が見えてしまっているぞコラ。


「最高だよ。だが、可愛いよりエロが勝ってます」


「いいじゃない、エロは好きでしょ?」


「俺は安心する写真が欲しいんだ。エッチな気分になるのは三枚くらいでいい」


「……三枚は欲しいのね」


 本音が漏れてしまったため、弓花は四つん這いにもなってくれる。

 最高かよ。



「シンプルなのも撮ろう」


「シンプル?」


「ただ単に、俺のこと考えてくれてるような表情で良いんだよ」


「咲矢のことね……」


 目の前で立ち尽くしている弓花。

 俺のことを頭の中で考え始め、少し気恥ずかしそうにしている。


 その瞬間に写真を撮ると、可愛い表情の弓花の姿を撮ることができた。

 この写真があればいつでもどこでも幸せになれそうだ。


「やっぱり可愛いな弓花は」


「知ってる」


 撮影会を終え、弓花と抱き合う。

 やっぱり触れてこそが、一番弓花を感じられる。


「今日はこれで満足だが、今度は動画とかも撮ってみるか」


「動画はまだ流石に早いんじゃないかしら? 絶対に恥ずかしい声とか出ちゃうと思うし、顔もとろけてしまいそう」


「何の動画撮影を想像してんだよ……」


 弓花が変な妄想をしていたので、頭を撫でて止めさせる。


 俺も妄想癖はあるが、弓花はそれ以上だな――

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る