指輪強化
「よし、作戦会議をしよう」
「くだらないことを言ったら明日鼻で水飲めよ?」
因みにポッキーはダメだ、美味いし食わせるのは勿体無い、よって水だ。
安いし有限だが無限、その上最悪死ぬことはないので無理は無い、飲ましたところで咽せるぐらいだろう。
あまり戦闘方を確立しなければ詰む、よってすぐにアイテムをすぐ買えるように武具屋で話し合いを始めた。
「お前らここが店っていう自覚があるよな......?まあ修復中で開けれてないんだが」
今絶賛店は改修中だった。
具体的に言えばアダルトグッズの数々が消却処分......というか石窯で絶賛燃焼中だ。
曰く、薪の代わりにはなる、ゴミだが。とのことだ。
今の問題はそんなくだらないことじゃ無い。
欲しいのは解決策と何かしらのアイテム。
どうにかしてこのクソみたいな状況を乗り切らなければいけない。
まず最初に気づいたのがアクセサリー商人の攻撃力はゼロだが、指輪のデバフ効果でのダメージは通る。
俺の攻撃として換算されていない様でデバフでのダメージ効果は存在する、それだけはせめてもの救いであった。
因みに最初の敵は初期の初期のモンスターであり初心者プレイヤー達は大体四撃ぐらいで倒せる。
そんな敵のHPを一割しか削れていない俺って......
「まず最初は指輪の強化だな、指輪のレベルアップをすれば一時間の制約も大分短縮できるし」
「そうだな、一時間に一回じゃ使えないもんな」
「それと毒霧の指輪もダメージ量が少しは増加できるだろ、まあクールタイムの短縮かもしれないし、まあ利益しか無いしな」
良かった、これ以上不利益が発生したらクソゲーすぎてギブアップしたいレベルだ。
とりあえずある程度強化すれば毒霧を連続で使いまくってデバフかければダメージも通るかもしれないし、ダッシュの時間の短縮ができれば回避力も上がる。
「ただレベルアップとはどうすれば良いんだ?」
問いかけると店長がどこからか金槌の様なものを取り出した。
空中からいきなり現れたがあれも能力か何かか?
「俺は鍛冶屋もやってるし強化だったらある程度できる」
「じゃあ頼めますかね?」
「だが今材料の在庫が無いからな、おい坊主、鉱石類持ってないか?」
浩介は若干惑ってからステータスオープン、アイテム欄を開いて鉱石類の項目を開いた。
そこには何故か数千個の爆破岩やらとか、鉄鉱石とか、まあ桁がバグってるとしか思えない量の物があった。
それには流石に店長もドン引きしてる様で、個人的に俺もドン引きしてる。
「お前なんでそんなにあるんだよ?」
「あーこれかー、うん、まあ諸事情あってこれだけあるんだよ」
なんだそれ、珍しく浩介が言葉を濁している。
ーーその時自分の脳裏に記憶が走った。
今まででこういうことがあったのは二回だけ、一回はこいつが文化祭のメイド喫茶企画でクラス会長とゲス顔して俺が何話してるんだと聞いたら。
『「あーこれかー、うん、まあ諸事情あって話し合いをだな」』
二人がふふふふふと楽しげに笑っていた、あの時だけはめちゃくちゃ楽しそうにしていた。
物凄く楽しそうにしてたしまあ浩介が楽しそうにしてるし別にいっかと笑って終わったのだが......。
その後半強制的にフリフリドレスのガーターベルト付きのメイド服を着せられニコニコと笑わせられ、挙げ句の果てに写真一枚別料金でーすとなってあれやこれやとポーズを取らされたのだ。
幸か不幸か売り上げはなんと三日で六百万、学校外からの来客からはめちゃくちゃ受けがよく浩介がアイドルスカウトだってよとめちゃくちゃ笑っていた。
因みにあいつが破って捨てた。
流石に売り上げがありすぎたので一部を翌年の企画に使うことを決定、他は震災の寄付になった。
っということもあってめちゃくちゃ混沌とした事態となり俺の恥もクソも全て金の山に捨てられたわけだが。
まあ二回めはまともだったが、この顔を見せる時決まってこいつは何か企んでいる!
「おい何企んでる?」
「いやーこれは突然やったほうが絶対面白いから今は隠す」
「俺に関わることか?」
「いや、全く」
「なら良いや」
こいつは嘘はつかない、間接的な思わせぶりなことを言って錯覚させることはあれど嘘はつかないのが美点だ。
なら問題はない、問題があるのは俺の今の状況だ。
「それで指輪の強化にどれぐらい必要なんだ?とっつあん?」
「なんでとっつあんだよ、俺はFBIでもなんでもなければただの店長だ。まあレベル三十まで上げるにはダッシュの指輪だけでもこれだけの量だな」
店長の眼前に表示されたリストは指を振ることで浩介の前に飛んだ。
訝しげにそれを見つめてから浩介は少し考え込んでから。
「まあこれぐらいだったら出しても良いな。目標の数にはもう達してるしな」
「本当に何を作ってるんだ?俺も結構鍛冶屋やってるがそれだけの素材を要求される武器なんて聞いた子がないんだが?」
「武器じゃなくて弾ですよ」
「まさか......ああ、まあ男だしな、それをやりたくなるのはわかる。だが後悔するなよ?」
「後悔なんてしませんよ、絶対に面白いことになる」
いや何言ってるんだこの人達。
いつからシリアス始めた?ぶっちゃけ絶対にくだらないことだろうし絶対に意味のないふざけたことだと理解できるのが残念なところだ。
まあそれはそうと。
「素材ありがとな。これでやっとゲームができる」
我ながら意味わからねぇな。
「おいおいこのロリショタ男の娘、ついにデレたか」
ガシガシと乱暴に頭を撫でてくる。
やめろ、髪が乱れて鬱陶しい、ゲームのアバターとは言え感覚はリアルと酷似しているしめちゃくちゃ不快だ。
なんだか妙な感覚が湧いてくるのが恐ろしい、幼女の体は敏感なのか?
まあそれはともかく。
「おい頭撫でるな。撫でて喜ぶのはフィクションだって知らないのか?ホモでオタクで特殊性壁なのか?」
「やめろ、マジの顔で言うな」
そりゃあマジの話だからマジの顔で言うだろう。
まったく同級生、それも同性の頭を撫でるとか言う愚かな事をするなんて。
「それでどうやって強化すれば良いんですか?」
「おう、俺が全部やってやるから大丈夫だ。一先ず指輪を貸してくれれば三十分ぐらいで強化できる。まあその間適当に時間を潰しておいてくれ」
指輪二つを持って店の裏に消えた店長、どのように強化するかは知らんがまあ任せて良いだろう。
店の中は今は空っぽで時間を潰せるものもないし、適当に街を歩いて暇つぶしをするか......
「おい浩介、何か面白いものないのか?」
「ん?じゃあ飯でも食うか。結構ゲーム内での食事も悪くないぞ」
「じゃあそうするか」
ゲーム内での飯って違和感あるが、モンスターをハントするゲームでも食事はとても美味しそうで一度食べてみたいと思っていた。
それがVR MMOならできるって個人的にはとても嬉しいし楽しみでもあった。
VR素晴らしきかなって話だ。
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