レオナルドの沈黙
『レオナルドの沈黙』 【非美】
超能力者を名乗る
「人を選ぶ」、「万人には勧められないが~」という文句は、もうそろそろ見飽きた頃かもしれないが(苦笑)、その点では、本作は安心出来る。九作目の長編にして、飛鳥部氏が遂に『名探偵もの』に挑戦したのが本作である。何と、クイーンよろしく『読者への挑戦状』までもが挿入されており、現代を舞台に、古き良きガジェットを用いて、往年の探偵小説を再構築したい、という作者の思惑が伝わってくるようである。
そんなクラシックな推理小説の雰囲気も、もちろん本作の魅力であるが、最も注目すべきは、ある仕掛け。非常に大胆で、少々『やり過ぎ』感はあるものの、やや地味で微妙に感じられる本作の欠点を、全てカバー出来るほどの衝撃がある。「やられた!」感を味わいたくて、ミステリを読む読者には是非、オススメしたい。
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