第8話 第一回キルエムオール総会

「おい!こら!カワ木!トゲゾー止めろや!」

「これも勝負の世界だ」

「二人トモ速スギデス!」

「……」


 …2時間後


「ウワーーーーーー!!!!」

「ばっか!右だよ!右!あ〜あ、ま〜た死んだ」

「絶望的にセンスが無いな」

「……」


 …3時間後


「やはり、リ○ャードホールは抜群に面白い」

「ぶはははは」

「アハハハハ」

「……」


 …4時間後


「お、もうこんな時間か、酒買いに行くか!」

「オツマミハナニニシマスカ?」

「今日は桜のスモークチップで茹で卵の薫製を作ろうと思う」

「良いね〜」

「イイデスネ〜」

「おいいいいいいいいいい!!!!!!」


  俺は声を荒げた。


「イキナリ、ドウシタンデスカ?」

「何カリカリしてんだよ」

「ヒッコリーの方がいいのか?」

「桜でもヒッコリーでもねぇ!!お前ら!毎日マ○カーして!バ○オして!お笑い見て!酒飲んで!違うだろ!!!!」


 クソが、俺は憤怒してんのにこいつらキョトン顔で見てきやがる…


「…この野郎、何だそのキョトン顔は…」

「分かってる、分かってるよ〜、ちゃんと今日はやるって思ってたんだよ。なぁ!」

「ソウデスヨ、僕達ダッテ密カニ考エテイタンデスカラ」

「お前だけだぞ、分かっていないの」

「そ、そうなのか…」

「ちゃんとF◯7予約して来ましたーーー!」

「イエーイ!!!」

「でかした」

「おいいいいいいいいい!!!!!!!!」


 メタルバンド”キルエムオール”を結成してからの活動と言えば初日の退院祝い、2日目は俺の部屋の掃除と模様替えに終わり、それからは俺の家に入り浸りゲームにYouTubeに酒にの日々が1週間が続いた。流石に俺も切れた。

 

 そんな俺の様子に空気を読んでか、3匹もちょっとふざけるのを止め、改めてバンドの方向性やらを話す事に。

 

 そうしてテーブルに酒を並べて第一回キルエムオール総会が発端した。


「第一回キルエムオール総会を行う!まずはバンドテーマだ!カワ谷から!」

「殺意!暴力!支配!」

「次、カワ木!」

「嫉妬、嫌悪、憎悪」

「最後、カワ島!」

「カネ!サケ!オンナ!」

「よし!テーマは完璧だな!」


 テーマはあっという間に決定した。


 次はどんな曲調の物を作るかだ。メタルと言えど様々に枝分かれしている。初めてこいつらに会った際、それぞれの得意分野は違う事は把握している。だが今はジャンルに拘らず1匹ずつ”コレだ!”と言うバンドを選出しそれらをごちゃ混ぜし最後、メタル調にした楽曲を目指す事にした。

 

 そして各自により選出されたバンドは次の通りだ。


 カワ鍋:アー○テクツ

 カワ谷:S,○,D

 カワ島:シ○テムオブアダウン

 カワ木:ウー○ーワールド


 俺たちは書き出された4つのバンドの名前をじっと見つめ眉にシワを寄せた。


「…これ、上手い感じに纏まるのか?」

「やってみなきゃ分かんねぇなぁ」

「ドウナルンデショウネ?」

「未知数だな」

「…因みに誰が作曲するんだ?」

「カワ木はベースでカワ島はドラムだし、お前しかいないだろ?」

「え?カワ谷ギターじゃないの?」

「俺はボーカルしかやらん、頼むぜ」

「…俺、今はギターもだけど楽器何も持ってないよ…」

「……」*3匹

「てか、お前ら楽器はおろか何も持ってないじゃん」

「……」*3匹

「……」


 バンドはお金が掛かる。

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