第9話 ギターを買いに行こう
「ほほ~、なかなかだなぁ…」
第一回キルエムオール総会の翌日、俺達は"サメの水”に降り立っている。”サメの水”は楽器屋が多い事で有名だ。俺達に必要な物、それは楽器。今エレキギターやらを買いに楽器屋を訪れているのだ
「ラ○ディーVにしようぜ!」
「いや、俺は弾きやすいのが良いんだよ」
「P○NTERAナラM○デスヨ!」
「ケースめっちゃデカいからなぁ…」
「ワー○ックにしろ」
「…俺には合わないって言うか」
ギター選びは慎重に行わなければならない。外見、音質、弾き心地、重さなど様々な要素が絡んで来るところだ。超初心者モデルを除けば決して安い買い物でも無い。ファーストインプレッションで買ってしまったが、やっぱり買わなきゃ良かったなど未来に後悔するケースも多々ある。特に変形ギターを買った暁には強い意志を持たなければならない。変形ギターのルックスより他の動物から標的になりやすく何を言われるか分からないし、そのせいで楽器すら辞めてしまい引き篭もりになってしまう可能性もある。
その為、エレキギターは”無難だけどちょっと攻めてるね!”って思われる様な1本を慎重に選ばなければならないのだ。
「リバースVはどうよ!」
「10弦モアリマス!」
「おい、あっちにドラゴンギターあるぞ」
クソが、こいつら異様に使いにくい変形ばっか勧めてくんな。俺はレ○ポール、P○S、ス○ラトシェイプとかそう言う無難な形だけど他のジャンルでも適用できる様なヤツが欲しいんだよ。
「おいおいおい、早く決めようぜ。日が暮れちまうよ」
「僕達ノモ選バナキャナラナイデスシ」
「おい、こっちにチ○コギターあるぞ」
クソが、だったらお前ら俺に着いてこないで自分達の楽器見てりゃ良いじゃないかよ。完全に俺をからかってやがる。イライラしながら店内を見て回っていたら1本のギターに目を入ってきた。
「お、ア○バニーズのAZか」
ア○バニーズ 日本を代表とするの楽器メーカーの一つであり、国内、海外と多くのアーティストに愛されている。その中でもメタルギタリストには御用達だ。そして私カワ鍋も昔愛用していたギターの一本である。今回目に入ったのはプレミアムシリーズのAZタイプ、カラーはマッドブラック、ピックアップはSSH、トレモロ・ブリッジを搭載している。なんかいろいろと出来そうな個体だと直感した俺はすぐ様行動した。
「すいませ〜ん、試奏してみたいんですが?」
「はい、こちらですね」
鹿の店員さんが素早くセッティングしてくれる中、3匹が物足りなそうな表情でコチラを見てくるがシカトした。さてセッティングも終了し試奏を開始。ネックの薄く平べったい感じも前足に馴染み、音の立ち上がりがよく弾き心地も良い。何より形が無難!
「これにするわ!」
「うへ〜、つまんねぇな〜」
「バンドハ注目サレテナンボナンデスヨ」
「カスが」
3匹の煽りなど気にせずに俺はお会計へと向かう。だがレジにて鹿の店員さんにそれは言い渡された。
「14万4千円になります」
それを聞いた瞬間、俺は言葉が出なくなった。”そうだ、ギターって買うのにお金が必要なんだ”と思い事の重大さを確認する。
「お、おい、お前ら持ってる全財産、出してみろ」
その鶴の一声に4匹は一斉にお金を出してみる
「さ、3万2000円…こんな事ありえるのか…?」
「F○7買っちまったしな」
「オ菓子モ沢山買ッテイマシタネ」
「薫製機もそこそこした」
崖っぷちにいる様な絶望感だ。
どうしようもなく唖然としたが解決がふと頭を過ぎる。それは正気では無い事は重々承知の上、ハイリスクだがもうこれに賭けるしかない。俺はもうそれしか考えられなかった。
「…もうこれに賭けるしかない。行くぞ」
3匹に説明すると彼らも同意、楽器店を後にする…
全財産を4当分して1匹”8,000円”。そいつを手にして目的の場所に到着した。
「…よし、各自検討を祈る!」
そうして4匹はパチ屋の中へ消えていった!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます