第24話 オークキングとの死闘1
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
オークキングの雄叫びで体育館内に阿鼻叫喚な光景が広がる。避難民達は一斉に体育館の出口付近に殺到し、今にもオークキングが襲って来る恐怖でパニックに陥って押しくら饅頭状態だ。しかしそんな混乱の中、オークキングは使途の命令を待つかのようにまだ壇上からは動く気配はない。俺は即座に生徒会メンバーに俺がオークキングに注意を払いながら引き留めておき、避難民達を落ち着かせてから誘導して体育館を脱出するように指示をする。
しかしなぜ結界を張っているのに、オークキングはここに召喚されたのだろうか。謎は多いがまずは敵の排除からだろう。俺は壇上から動かないオークキングを鑑定してみる。
オークキング
レベル25
HP:550/550
MP:270/270
体力:500
筋力:620
耐久:600
敏捷:360
器用:300
魔力:240
対魔力:240
なんだよ、この強さは?! ……「ちょっとまてよ」って大声で叫びたい気分だ。そして速水君に変装していた過激派の使途はこの混乱に紛れて空間の裂け目から何処かに移動しようとする。
「それでは逢坂さん、僕はこれで失礼させてもらいますよ。またどこかで会える機会があればまたよろしくお願いしますね。」
過激派の少年はどこかそんなことはあり得ないだろうがと思っているのか「フフフッッ」と笑みを浮かべながら俺たちから背を向けて空間の裂け目の中に入っていく。俺は笑みを浮かべながら何処かに消えようとしている敵に「逃すと思ってるのか?」と呟きながら、マンションを徘徊していたゴブリン達が持っていた小型ナイフを身体強化を施しそれを思いっきり投げつけた。「ブンっ!」と物凄い音を出しながら言葉通り目にも留まらぬ速度でナイフが過激派の使途に飛んでいく。俺は後頭部を狙ったつまりだったが反応されてしまい避けられてしまうが、完璧には避けられなかったのか頬をざっくりと切り裂いて結構な血が流れていた。頬を抑えながら敵は俺を睨みつける。
「くっ、流石というべきでしょうか、魔法で強化されているのに頬を傷付けられるとは思っていませんでした。忌々しい女神の力ですね!あなたには確実に死んでいただきます。」
そういって使途がオークキングへと手をかざすと、
「―――ァァァアアアアアアアオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」
オークキングは叫び次の瞬間、オークキングの赤銅色だった肌は赤黒く変色し、瞳の黒い部分は赤へ、白めの部分は黒へと肉体が変化する。
オークキング
レベル32
HP:655/655
MP:375/375
体力:605
筋力:725
耐久:705
敏捷:465
器用:405
魔力:345
対魔力:345
……さっきよりかなり強くなったな!?変化する以前から俺より強くなるとかどんだけだよ……俺は心の中で絶望にも似た感情がフツフツと湧き上がって来る。
「でも……やるしかないよな……」
今の俺のスキル、力。その全てを出しきらないと、コイツには勝てない。魔法剣を構え、目の前のオークキングを睨み付ける。先ずは実力差を確かめる。
「行くぞおおおおおおおおおおおおおおおお!」
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