第18話  いざ救出へ

よし、あまり時間も試している時間もないので俺は光魔法「シャイニング・フィールド」を発動して体育館の周りに結界を張ってみよう。鑑定で調べた内容から考えたらモンスター達は進入して来ないはずだ。ちゃんと効果があるかどうか心配だが、ひとまず救出へ向うまではなんとかなるだろう。そう考えていたら結論が出たのか話し合いをしていた先生方がこちらに向かって来る。


「逢坂さん先生方と協議した結果、やはりシェルターまで護衛をしながら案内をして頂けないでしょうか?そしてシェルターの前にレベル上げに成功した生徒と警備員を数名交代制で配置しながら逢坂さんを待つ形が一番得策という結論が出ました。もちろん生徒会メンバー達には私達からお願いするので。」と提案をしてきた

やはり守るべき生徒を危険に晒すのは辛いのだろう。苦痛の表情をしている。なかなか良い先生方だな、俺の中にある教師とは自己中心的な人達が多いと思っていたため少し反省をする。


「協議していただいて申し訳ありませんが私の方で考察したところ、魔法スキルの効果で今しがた体育館に結界のようなものを貼りましたのでモンスター達は進入して来ることはないでしょう。なので私が男子寮・女子寮から生徒達を保護するまでこちらで待機していただいてもよろしいでしょうか?それから救出に生徒会メンバーを連れて行きます。これは生徒会の人達にも同意していただいてるのでご心配はいりません」


俺がそういうと安心したのか先生方は安堵の表情を浮かべた。その後、俺は生徒会メンバーと少し話し合って自己紹介と基本的な戦術を話し合う。


「まずは、みんなの職業を聞いておきたい。連携して戦うとなれば仲間の職業を知っておかないとうまく行かないから。俺の名前は逢坂聖夜という。ちなみに俺の職業は魔法剣士で、近距離・中距離型の戦術で戦っているよ。レベルは15だな」

俺が先に自己紹介するとみんな各々自己紹介を始めた。最初に生徒会メンバーで自己紹介してくれたのは副会長の男の子だった。


「私の名前は五十嵐遼斗って言います。石塚高校の副生徒会長で職業は冒険者で壁役となって攻撃を引き請けたり、牽制するのが得意です。なので戦闘になったら逢坂さんと同じ近距離メインで戦うことになると思います。防御のステータスが高いので盾を持ちながら剣技のスキルで戦う事になります。あともう1人副生徒会長と会計がいるのですが、2人とも留学しており今はいません。レベルは12です」


丁寧な口調で話しかけて来て礼儀正しく自己紹介をしてくれた。彼は如何にもな副生徒会長で真面目なんだろうなと思った。次は眼鏡をかけた如何にも静かそうな女の子が自己紹介をする。


「私の名前は瀧沢彩と言います。此処の生徒会書記をしてます。職業は回復師です。回復が得意なので戦術は補助魔法メインとなります。よろしくお願いします…レベルは11です」


少し恥ずかしそうにそう自己紹介してくれた。顔が少し赤くなって如何にも人見知りするなという印象だ。


「次は私ですね!私の名前は瀧沢茜と言います。彩とは双子の姉妹で私が妹になります。顔が似てないからよく双子に見えないと言われますが、正真正銘双子の姉妹なのですっ!それで私の職業は忍者で情報収集や暗殺が得意で~す。戦闘になったら聖夜お兄さんと同じ近距離・中距離型の戦術でスピードのステータスが高いのでヒット&アウェイの戦い方になると思います!レベルは10ですね」と元気よく教えてくれた。


元気があってとてもいいと思うけど、忍者としてはどうなんだろう……全く忍んでいないのだが。むしろ元気がありまくって目立ってしまうと思えるのだが…まあ今はいいか。大事なのはこれからどうするかだな。


「みんな自己紹介ありがとう、涼宮さんは前に教えてもらって把握してるからこれでみんなの戦い方がわかったよ。まずは4、5人のモンスター相手なら五十嵐くんがモンスターに牽制してもらいながら注意を引いてもらって僕が魔法で援護しながら涼宮さんが止めを刺すって感じが魔力消費も安全性でもこれがいいと思う。ただ、体育館の時みたいに何十匹もいた場合、一番火力のある俺が対処することになると思うけど、まずは救助を優先してそのあとに殲滅でいいと思う。体育館のように結界を貼れば時間稼ぎくらいにはなると思うから」

全員の顔を見回して納得しているようだ。各々首を縦に振る。


「よし、これから東校舎奥にある男子寮と女子寮に向かおうと思うけど、二つの建物は離れているのかな、涼宮さん?」


そう俺が質問すると「男子寮と女子寮は一緒の建物ですわ。建物自体大きいので男子と女子の部屋を分けているだけで食堂や談話室は共同となっております。」と答えてくれた。これは助かるな、もし何キロも離れていた場合、それだけで助けられる確率が下がる。そうと決まれば出発をしよう。


「よし、それじゃあ救助に向かおう!」

「おおー!!」


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