第19話 初めての格上戦闘
俺達は東側校舎を通って寮に向かっていたが、やはりというべきかそこにはモンスターが数十体程校舎外に跋扈していた。
「モンスターの種類はゾンビ擬きとゴブリンにリザードマンとオークか」
そこには俺が今まで戦ってきたモンスター達が勢揃いしており、それぞれのモンスターで体の色合いが違う奴が1匹づつ混じっていた。鑑定してみた結果がこれだ。
ハイ・ゴブリン
レベル11
HP:340/340
MP260/260
体力:240
筋力:265
耐久:260
敏捷:254
器用:254
魔力:242
対魔力:242
ハイ・ゾンビ
レベル12
HP:220/220
MP:240/240
体力 :170
筋力 :162
耐久 :158
敏捷 :140
器用 :140
魔力 :190
対魔力:190
ハイ・リザードマン
レベル12
HP:380/380
MP:340/340
体力:200
筋力:290
耐久:245
敏捷:200
器用:200
魔力:278
対魔力:278
ハイ・オーク
レベル14
HP:400/400
MP:120/120
体力:370
筋力:386
耐久:384
敏捷:200
器用:200
魔力:120
対魔力:120
「………」
おいおいおいおいおい!!!!!!なんだっ?!このステータスは?!?!?!
個々で挑めば俺なら勝てるだろうがまず生徒会メンバー達は束になってかかってもまず殺される。特にハイ・オークとかいう奴がやばい。俺の筋力やHPよりも高い。
魔法で倒すことはできるだろうが、レベルがそんなに高くないのにはっきり言って格上だ。それにここで威力の高い魔法を使えば他のモンスター達が一斉にこちらに向かってくるだろう。寮内にたてこもってる人達は救えるだろうが俺達が死ぬ。どうするかみんなと話してみるか。
「ごめんみんな、隠れたまま聞いて欲しいんだけど、今ここにいるモンスターのステータスを見たが、色の違うモンスター達だけ周りにいるモンスターと種族も強さも桁違いみたいだ。特にあの赤いオークがやばい。俺より筋力とHPが異常に高いんだ。」
そう話すと生徒会メンバーたちの顔色が悪くなる。そこに五十嵐君が「周りにいるモンスターだけでも俺達生徒会メンバーはいっぱいいっぱいですね……」と正直に話してくれた。みんなでどうするか悩んでいたら涼宮さんが提案してくれた。
「この際別々に戦うべきかもしれませんね。あの色が違うモンスター達を逢坂さんに対応してもらい、私たちがその他大勢のモンスター達を対応するのがベストだと思います。最初に私たちがモンスター達に攻撃を仕掛け一度広い場所まで誘導します。もちろん色違いのモンスターも追いかけてくると思うので、逢坂さんはここに残って対応していただけたらいいと思いますが、どうでしょうか?」
「それだと君達が危険かもしれないがそれが今のところベストか……それじゃあ、モンスター達の戦闘中は涼宮さんをリーダーとして指示して戦って欲しい。俺も討伐出来次第、そっちに向かうから。」
俺たちはそう話し合い作戦を実行する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
まずは五十嵐君がモンスター達の群れの前に仁王立ちする形でスキルを発動した。
「 威脅の叫び!」
スキルを発動と同時にモンスター達の攻撃速度と移動速度が下がった。これが五十嵐君のスキルの効果みたいだな。しかし色違いのモンスター達には影響がないみたいだ。そのためスキルを放ってくる。
「ブオオオオオオオオオオオオオオっ」
赤いハイ・オークが雄叫びをあげると周囲にいたモンスター達の移動速度と攻撃速度が元に戻ってしまう。ちっ状体異常回復系のスキルか。厄介だな。俺は牽制として手を前に構えて「ファイヤーボール」を放つ。その後、闇魔法「シャドウ・チェーン」で色違いのモンスター達のみを拘束する。そして五十嵐君に叫ぶ。
「五十嵐君!今のうちに他のモンスター達に攻撃をしながら移動してくれ!涼宮さん、五十嵐君を援護しながらモンスターを惹きつけるのを手伝ってあげて!あまり長い時間こいつらを拘束するのは無理そうだからっ……」
やはりレベルと種族が違うからか抵抗力が段違いだ。今にも鎖を引きちぎって襲いかかってきそうだ。俺は片膝を地面に着きながらなんとか踏ん張る。
「わかりました!茜ちゃん影移動でモンスター達の後方から攻撃をしながら援護して。彩は補助魔法で私たちの移動速度をあげてちょうだい!」
涼宮さんはみんなに指示しながらモンスター達を体育館の方に誘導していき、校舎外には俺とモンスターのみとなった。俺はシャドウ・チェーンを解除する。すると当然、ハイ・オーク達モンスターは怒り心頭な感じで俺に向かって雄叫びをあげる
「ブオオオオオオオオオオオオオオッ」
「シャアアアアアアアアアアアアアッ」
「ギイイイイイイイイイイイイイイッ」
「ウオオオオオオオオオオオオオオッ」
4体まとめての雄叫びは俺の体を硬直させる。体を動かそうにも恐怖が襲ってくる。そのままハイ・オーク達が一斉に一直線に俺に突進してきた。
まずいッ!と思った瞬間には吹き飛ばされ、壁に激突した。
「グハアっ!!」
肺の中にあった空気を一気に吐き出し、一緒に血も吐き出ていた。クソッタレめ!
俺は暴言を吐きながら立ち上がろうとするがうまく立てない。まだスキルの効果が残っているみたいだ。ハイ・オーク達がトドメを刺そうとしてこちらにゆっくりと歩いて来ており、のこぎりみたいなバカでかい包丁を持っているハイ・オークが振り上げる。俺の前まで来るとその醜悪の顔でニヤっと笑いながら包丁を振り下ろしてくる。ハイ・ゴブリン達も横一列になって俺を見下している。 やられるっ!そう思っていたら恐怖耐性のレベルが上がった。
《経験値を獲得しました》
《経験値が一定に達しました》
《恐怖耐性LV2からLV3に上がりました》
《経験値を獲得しました》
《経験値が一定に達しました》
《恐怖耐性LV3からLV4に上がりました》
《経験値を獲得しました》
《経験値が一定に達しました》
《恐怖耐性LV4からLV5に上がりました》
《経験値を獲得しました》
《経験値が一定に達しました》
《恐怖耐性LV5からLV6に上がりました》
俺は寸前の所でオークの手首を掴んでから回避したが少し肩にかすってしまい出血をするが、何とかオークの股を転がりながらモンスター達から退避する。
「ブオッ?!?!」
ハイ・オークは俺が動けたことに驚いていたが、すぐに俺を追いかけて来てまた包丁を振り下ろす。
「ハアアアアっ」
俺は一度目をつぶって深呼吸する。その後、一気に身体強化と火打を発動して全身にこれでもかって言うほどの力を込めてオークの顔面目掛けて「火打」をクロスカウンター気味に放つ。そして、
「ズパアアアアアアアアアアンッ」とあり得ないくらい高い音を放ち、ハイ・オークの下半身だけが残っていた。そして残っていたハイ・ゴブリン達もさっきの風圧で吹き飛び、腕やら足などが変な方向に向きながら校舎内に倒れていた。俺はトドメを刺すため校舎内に入ったと同時にモンスター達が消滅して青・緑・赤・黒の石が廊下に転がっていた。どうやら身体強化しすぎたみたいだ。周りの建物やら窓ガラスやら色々とボロボロになっている。身体の方もだいぶやられてしまった。あばらは完全に折れている。なぜ折れていて動けるのか不思議だがまあイイだろう。早く涼宮さん達と合流しなければ……そうして俺は体育館の方にフラフラになりながらも向かっていった。
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