第20話  戦闘報告そして悲しい結末

体育館に向かう途中に涼宮さん達と合流することが出来た。生徒会メンバーは服はボロボロになってはいたが、俺みたいな大怪我はしていないようだった。俺の状態を見てみんな心配していたが、一番心配してくれたのは涼宮さんだった。それはもうあたふたして彩ちゃんに物凄い形相で回復魔法をお願いしてくれた。o(T△T=T△T)o←こんな感じ。

普段はしっかりしている娘なので可愛いと思ってしまったのは内緒だ。

回復魔法のハイ・ヒーリングをかけてもらい俺の体は元通りになった。あばら骨の骨折まで治るんだな、凄い。


「さて、あの後別れたことを教えてもらってもいいかな?」


「逢坂さんと別れた後、僕達は体育館前までモンスターを引き付けて戦っていたんですが、やはり逢坂が張ってくれた結界には入れないみたいで余裕を持って対処できました。それとみんなレベル4つ上がってます」と五十嵐君が顔を真っ赤にしている涼宮さんの代わりに答えてくれた。…どうしたのだろうか?


「それで皆で連携しながらモンスターを殲滅したときに物凄い風圧が聞こえて逢坂さんの元に向かっていました。」


なるほど、向かっている途中に俺と合流したのか。さてとこれからどうしようか。

多分男子寮の周りには先ほどの進化したモンスター達が待ち構えているだろうと考えられる。これは殲滅は後回しにしたほうがいいだろう。救出を優先する。


「みんな、聞いてくれ。当初の目的は男子寮・女子寮の避難民の救助とモンスター達の殲滅だったが、寮に着くことはできず、東校舎外に進化したモンスターと交戦になり苦戦を強いられた。寮の周辺や入口などにも進化モンスターがいると考えたほうがいいだろう。幸い俺の結界でモンスター達は侵入することができないことがわかった。そこで俺が単身男子寮まで乗り込んで結界を張ろうと思う。進化したモンスター達にどのくらい通用するかわからないが時間稼ぎくらいにはなると思う。なのでまずは戦力を増やしてレベルを上げながらモンスターを討伐していこうと思う。」俺がそう話すとみんな納得してくれえた。やはりこのままでは厳しいと思っていたのだろう。


「それじゃ生徒会メンバーは一度体育館まで撤退して俺が戻ってくるまで待機していてくれ。俺も何人か連れてくるか、結界を張り次第戻るから。」


「わかりました」と五十嵐君が答えた後、他のメンバーから了承を得る。それじゃ行動しましょうかね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー生徒会メンバーと別れた後、俺は「シャドウ・ウォーク」を発動して影の中に入る。そのまま男子寮・女子寮へと向かう。しばらくすると寮の外観が見えて来た。寮の周りには予想通り体育館の周りにいたモンスターなんか比にならないくらいのモンスター達で溢れかえっていた。そして寮の外には「何か」のタワーができていた。言わずもがな、避難していた人達だろう。くそっ胸糞悪い光景だぜ!俺がそう思っていたら、スキルのレベルが上がった。


《経験値を獲得しました》

《経験値が一定に達しました》

《恐怖耐性LV6からLV7に上がりました》

《経験値を獲得しました》

《経験値が一定に達しました》

《恐怖耐性LV7からLV8に上がりました》


《経験値を獲得しました》

《経験値が一定に達しました》

《ストレス耐性LV6からLV7に上がりました》

《経験値を獲得しました》

《経験値が一定に達しました》

《ストレス耐性LV7からLV8に上がりました》


………そんなことどうでもいいんだよっ!!!!

俺は救えなかったことを懺悔したい気分だぜ、くそったれが。と悪態をつく。

寮内にもモンスター達が入っているのだろう、気配がする。こうなったらいっそのこと建物ごと消滅させてしまおうかと思えるくらいグロい光景が寮の外に広がっている。涼宮さん達を連れてこなくてよかったな。オーク達は人間の女性を萎えどころにして子供を産ませる習性を持っている。現に死体の山の中には裸の女性がたくさんいた。しかし、先ほどから鑑定でクエストに書いてあったオークキングを探しているのだがどこにもいない。ふと俺は思った。まさかっ体育館の方に向かっているんじゃないだろうな?!急いで戻って確認しなければっ!その前にここに豚どもを一片の跡も残さず駆逐しよう。俺は一度影から出て手を前に構え、男子寮跡に殲滅魔法を発動する


《セラフィック・ゲート》


発動と同時に空中に巨大なゲートが現れる。白くて重量感ある扉だ。その扉はゆっくり開き、隙間から眩しいくらいの光が漏れ出す。そして、全開に開かれた扉からは全てのモンスターを溶かし切る程の光が放たれた。しばらくて扉は閉じられてゲートは消えていった。辺りにはモンスターが消滅した証の大量の石が転がっていた

その後、レベルアップのアナウンスが鳴り響く。俺はそのアナウンスを無視して身体強化をフル活用して体育館へと急ぐ。


《経験値を獲得しました》

《経験値が一定に達しました》

《アイサカ セイヤのLV15から24に上がりました》

《スキル殲滅者を習得しました》

《スキルオークキラーを習得しました》

《スキル救済者を習得しました》

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