第12話  速水両親を救出せよ!

やはり精神的に無理が続いていたのだろう、速水君は俺にいろんなことを話してくれた。両親と別れた後、どうやって妹を守りながらモンスター達から逃げてきたのか、なぜレベル上げをした奴らに追いかけ回されたのか、そしてこの地区に来たのか。意外だったのが妹さんを襲い掛かってきた連中だ。こんな世界になったのだからまあ混乱やら欲望などが少しくらい出ても分かるが、普通なら生き残ろうとするのが普通だろう。しかしそいつらはモンスターから逃げているわけでもなくむしろ、引き連れていたらしい。どういうことだ?もしかしてそういう職業を手に入れてモンスター達を操っているのだろうか?


俺が考え込んでいると、「そういえば、そいつらは神様から力をもらったみたいなことを隠れているときに聞きました。それで他にもそういう人達を探してるみたいな事も言ってましたね」と速水君が教えてくれた。


ということは俺みたいに他の神からお願いされて地球に転生してきたってことなのだろうか。フォルテ様が言ってた事を考えると、神々の中でも穏健派と過激派に分かれており、フォルテ様達穏健派は過激派達の陰謀を阻止したいと。そうなってくると当然両者は対立しており、過激派の連中と遭遇するのはまずいかもしれないな。できる事なら話し合いで解決して協力してもらいたいがまず無理だろう。速水君達を問答無用で襲いかかってるからな。そいつらは完全に過激派だろう。となるとモンスター達みたいに討伐することはできないので捕縛することになるか。これからの2人の安全を考えたらすぐにでも探し出して捕縛するべきだろう。やむを得ない時は気は進まないが殺すしかないだろう。

さて、過激派の神達が動き出した可能性があるため、早くクエストをこなしたいが2人は一緒にきてはまだ危険だろう。時間があるなら一緒に同行してレベル上げをしながら高校に向かいご両親達を助けにいけるが今は時間がない。俺が偵察してくるしかないか。


「速水君、すまないがまず俺がご両親の様子を見に行ってくる。高校にはモンスターが跋扈してるだろうから俺が行った方がいいしね。だからご両親の特徴など教えて欲しい」

そう行って俺は速水夫婦の容姿をきき、この部屋を自由に使っていいと言い残し部屋を出た。



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部屋を出た後、俺はシャドウ・ウォークで影の中に入り、石塚高校を目指した。

その道すがら物凄い数のオーク・リザードマン・ゴブリン・ホブゴブリンのモンスター達が人間を探しながら悠々と跋扈していた。陰で移動してなければ時間がかかりまず救出は無理だっただろう。


学校の校門まで着きそのまま校舎に進入していく。本校舎と思われる正面入り口の前に敷地内の地図があったため、急いで確認する。俺は地図を確認しながら気配察知と敵意感知のスキルを使ってモンスター達の居場所から避難所を推測する。


「抵抗しているとしたら南側にある体育館か東側の男子寮・女子寮かだな。」


体育館前や寮の周囲にはモンスターがうようよいるため気配感知を使わなくても避難場所がどこかわかった。めんどくさいな。 いっそのことモンスター達を討伐してしまうか?しかし物凄い数だ、1人では厳しいかもしれない。第一魔力が持たなくなるかもしれない。魔力は休めば回復できるがその間逃げ隠れしていたら時間切れで速水夫婦や他の避難民が持たないかもしれない。しょうがない、ここは一か八か賭けをすることにしよう。

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