第23話 悪魔との対決

「デ-モンと対決だな、どんな奴だろうか腕がなるなぁ!」

まだ若いので恐いもの知らずであった。見たことも無いので言える事だ。


この世界の神を滅ぼした悪魔デーモンです。とても対戦する自信は有りません、呪文を唱えている内に遣られるにちがいなさそうです。


其処で考えました。僕の魔法は動作が遅いならば代わりに、誰か魔界から呼び寄せて戦って貰おう。強くてすばしこい奴がいいのだが、思い付くのはそうだ孫悟空が良い。


呪文唱え孫悟空を呼び寄せました。

「誰だ良い気持ちで寝ているのに、呼び寄せるのは!」

孫悟空の頭に合った金属製のワッカを、呪文で締めました。


「おお痛い待てよ待て待て、何者だお前は訳を話して呉れないか?」

石猿は赤顔で、此方を覗き込んだ。

「この世界の神や仏様が、悪魔デーモンによって滅びた。困っている何とか助けて貰えないか孫悟空どの!」


如意棒を地面に、突き刺して言う。

「ふーんデーモンとやらはそんなに強いのか、身体がなまっていたところだよし儂が懲らしめてやる!」

「待ってました孫悟空どの、よろしくお願いします」


「でどこに要るのだ、そのデーモンと云う奴は? 」

「月始めに村人たちが生け贄を捧げて、悪魔を鎮めるために鎮魂祭を開きます。その時現れますそれは明日です」

いよいよ悪魔と孫悟空が戦います。


けれども雷電健太は安心していませんでした。デーモンは神をも退けた実績が有りますから、孫悟空とて容易では無いと予測します。


なのでぶ厚い魔法の書物広げて、何かヒントが無いだろうかと目を皿のようにして、探していました。それは時間の懸かる仕事でした。


仙人に教えてもらった魔法と、この本に書かれている魔法は少し違うものです。古い魔法ですが昔の魔法使いが精魂込めて、書いたものですからまだまだ値打ちが有ります。


自分も魔法は使えますが新米で、とても悪魔と戦える力は有りません。逸れは痛いほどわかっていました。デーモンはどれほどの力を持っているのかまたどんな姿をしているのか。


孫悟空はノー天気で、人間ではないので楽観的でした。悪魔と言っても意に害しません、怖さが分からないのです知らないのが幸いですね。


いよいよその日が来ました。朝まだ暗いうちに西の空から、逸れはやって来ました。人間のような身体をした三メートルありそうな、青い牛のような奴が現れたのです。


「そん孫悟空さん来ましたよ、よろしく頼みますよ私は遠くからみていますあの木の下で」

「おお任しておけよ、ただの木偶の棒ではないかビクビクするな!」


きんとん雲を呼び寄せて、それに飛び乗りました。手には如意棒を持っています。

「さあ我こそは孫悟空なり、デーモン掛かって来い退治してやる」

遠くの空でぶつかり合いました。


火花が散ったようです。何か落ちています孫悟空のようです。きんとん雲がそれを受け止め、また戦いの場所に戻って行きます。


空中で何回もぶつかり合いました。その都度落ちて来るのは、決まって孫悟空のようです。


「おかしいなぁ手ごたえは充分あるのだが、彼奴は不死身なのか?」

今度は如意棒を頭上に構えて、渾身の力で思い切り振り下ろしました。


「ガシ-ン、ババーン」

「やったどうだ、参ったか!」

見ると振り返ったが、一向にこたえた様子はありません。呆れて声も出ませんでした。


デーモンはこちらを見て笑ったようです。それで孫悟空は戦意をなくしました。雷電健太に合図して退散するように指図しました。


一からやり直しです負けを認めました。三十六計逃げるにしかずです。そして二人してその場から、一目散に逃げました。


「もう手の打ちようが無い戦や方法を練り直しそう」

「そうですねこのまま戦っても、犬死に成りかねないと思います」

追って来ませんでした。何とか助かったのです。胸をなで下ろしました。


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