第17話 一旦元の世界に戻る。

雷電健太は空母富士の、艦長になりました。なりたくてなった訳では、有りません成り行きなのです。


俄かに日の丸国で騒がしくなったので、パイレーツと共にハワイ諸の名前もなき島無人島に、移動し隠れる事にした。洞窟に身を隠しほとぼりのさめるのを待つことにした。


雷電健太は無性に元の世界に、帰りたくなった。それで火星にいる花岡誠に連絡しました。

「そうか逸れは仕方ないなぁ、もっとこの世界に居て助けて貰いたいと思っていたが、無理は言えまい」

「私もこの世界の人間族の解放に関わりたいと思っていましたが、里心がついてしまってねぇ?」


「仕方ないなぁ引き止めも出来ないしなぁ、最後に何か良いアイデアは無いかな?」

「一つ有ります試さないと、分かりぜんがその価値は有ります!」

「教えて呉れるか取りあえずやってみよう、其れには君は元いた世界に戻らないといけないのだったなぁ」


「ではまたこの世界に戻って来て呉れるのか?」

「はい戻って来ますよ、逸れを試すのに必ず!」

「それではこの乗って来た宇宙船に乗って呉れるか、向こうに着いてたら別のを用意する!」

「はいお手数を、お掛けしますお願いします」

火星の基地に着いた。


早速用意されていた宇宙船に乗り換えた。小型だが操作は同じであるらしい、手筈は何回かしているので説明は要らなかった。飛びワープする少ししてから、宇宙船が震えて見慣れた自分の家の庭に着陸した。


友達の山田勇が、すっ飛んで来た。この世界の時間の流れと、あの世界の流れとは違うらしく、あの世界では一年たっていても此方ではほんの数時間しかたっていませんでした。


此方では新学期異世界の事は、忘れたように勉強に遊びにと忙しく、していました。矢張りまだ子供でした。


隣に座っている女の子の増田博美さんとは、仲がよく話が会い楽しく過ごしていました。異世界の事など頭の隅にもなくなっていました。


この世界の事なれば力も入るが、異世界の出来事なので、他人事でありあまり実感も湧かずそれで死ぬ事も、有り得るならばやる気も無くなる。


だから忘れるように中学の事に、夢中になっていました。それについて誰も文句も指摘もしませんがねぇ。親も良く勉強するので誉めてくれます。


この世界にも犬猫はいます、逸れを見る度に思い出すのです。

(この世界の犬猫と異世界の犬猫族はどう違うのだろう、根本的に同じならば掛け合わせれば、子孫が残せるのではないだろうか?)と、思うのです。


あの世界の犬猫は人間の科学者が薬によって、変化したのである。だから戻す事も出来るのではないだろうか。


此方の犬猫を持っていけば、その可能性は充分ある。なので夏休みの前に友達にも頼んで、野良犬野良猫を探して集めた。そして手懐けたのである。


いよいよ今日から夏休み、行くため友達の山田勇に協力頼み、また異世界に行くため宇宙船に乗り込んだ。船は犬猫だらけで足の踏みばも無い。


子供達の使う無線機で山田勇と連絡を取り合い、出発のタイミングを計った。

「山田勇聞こえる、準備はよいか?」

「準備オツケイ何時でもどうぞ!」


そして宇宙船は、唸ると出航した。少し気分が悪くなったが無事着いた。

すぐに花岡誠に無線で連絡した。

「遅かったなっ待っていたぞ、元気だったか早速やってみようか!」


「うん世界中にやりたいので、ピストンで繰り返し届けたいので部下を此処に集めてばらまいて呉れるかなぁ!」

「分かったここに呼んで、その都度運ぶ事にします!」


そして向こうの犬猫を、出来る限りこの異世界に運んで世界中にばらまいた、効果はわからないけれど兎に角実行した。後は結果を待つだけだ。


忙しく動いたので流石に疲れた。久し振りに町外れの小屋に行った。そこには篠原明美がいた。


顔を観るなり飛んで来ました、いつ見ても明るく可愛いい娘です。スタイルも良くピチピチギャルです。もう連れて帰りたいくらいです。


「どうしてたの遅かったわねぇ、あたし待ってたのよう!」

「向こうの世界でも、用事多くてね」

「そうねあなたはこの世界の、人ではないものねぇ」

たわいも無い事を話しましたが、嬉しくて時間の過ぎるのも忘れます。束の間の平和で御座いました。この様な事はまれなのです。


この異世界では相変わらず、人間族は犬猫族のペットである。首輪を嵌められ自由が利きません。それに年老いた者や病気や動けぬものは、収容所送りになって処分場で消されました。


早く結果を知りたくてうずうずしてたのですが、こういう事は時間がかかるものなので御座いますねぇ。


その間この小屋でなりをひそめて暮らすしかないです。効果は半年や一年はかかりそうです仕方ないですね。

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