第15話 地球の海賊と手を組む。

そして海賊と会う日が来ました。

「おお儂は海賊の剛力直也だ、要件は何だ? 少し聞いてやろう」

「私は雷電健太と言います、あなたはロボットミ-手術を受けていないと聞いています、逸れは本当ですか?」


「その通りである、儂だけで無くウチの者は大方そんな手術はしてない!」

「ふーんそんな事が、あるのですね信じられない事ですが?」

「儂ら捨て子同様に生まれて来た、親の顔も知らないだから戸籍も無い、人で無く幽霊のような存在なのだ!」


「存在の無いそんな人もいるのですねぇ、いくら犬猫族でも幽霊で在っては手術も出来ませんしね?」

「今の世の中その方が、幸せなのかも知れませんね」


明美が茶とお菓子を持って来た。

「剛力親方さんお茶をどうぞ、雷電健太をよろしくねぇ」

「お-気がきくの、お前の彼氏か!」

「そんなんじゃありませんわ!」

そそくさと隣部屋まで走りこんだ。


「本題に入ろうかな、一体どうしたいのかな何か有るのか?」

「はい情報を売りたいのです、情報は犬猫族の船に関するものです。例えば積み荷や行き先などです」


「逸れは儂らには欲しいものだ、そしてその条件は何だ?」

「あなたの判断で出来るだけでいいです。これからいるだろうスパイの資金にします。または子ども達なのでおやつを買う足しにしたいのです!」


「よし乗った! いつからその情報をくれるのか?」

「情報をとれ次第連絡します、どこに申し送れば良いのですか?」

「逸れは此処で良いだろう、いつも来ているからのう良いだろう!」

「で決まりですね、条件は良いね」

握手して決まりました。


帰って皆に伝えました。けれど危険な事は慎むように念をいれました。ただ今までと同じように、耳をすまし聞くだけです。


幼い者にこの様な事を頼んでも良いものか、悩みました。ただ聞くだけなので余り悩まずそれで納得した。


「雷電健太よ今日儂ら、海賊家業をやる事にした。どうだお主も行くか!」

「はいお供します、おじゃまになりませんか私はとても嬉しいのですが」

「よし決まった何もしなくても、隅で見ているだけで良いだろう」


この海賊の船は木製で、この人達が自ら作ったと聞いている。昔ながらの帆船であり時代遅れの物だけど、逆にレーダー映らないメリットがあった。


この船の変わっているのは、帆も船体も真っ黒である。だから夜には見えにくい不気味な船に見えた。


「野郎共行くぞ帆を張れ、行き先は紀州沖だ相手は空母の富士である!」

「キャプテンむちゃくちゃや、とても勝てませんでぇ。」


何を言っても無駄である、パイレーツのキャプテンの、言うことは絶対である。部下全員の反対でも無ければくつがら無いのであった。


瀬戸内海の無人島から、パイレーツの船は夕闇に紛れて静かに出航した。

この戦いは現代装備と、旧時代遅れの装備の戦いであった。


強力な新式の大砲やミサイルを食らったら、ひとたまりも無いだろう。不利な戦いでありました。しかし遣らざるを得ません。


パイレーツへ情報は、若者達により随時もたらされた。富士の空母の現在の位置や、イージス戦艦天龍の動向などである。


木造船ではあつたがレーダーは最新の物です。大砲も新しく小型のミサイルも積んでいました。


ソーナにも掛かりません。エンジンが無いので音がしないのです。さしずめステルス戦艦ですね、見た目は古い漁船のようですが、目立たない船でも有ります。隠密行動に適しています。


「今空母とイ-ジス艦どこにいる?」

「はい紀州の大島のふ頭に、並んで泊まって居ます!」

「儂らも行こう半分は島に上陸し、空母の乗組員を捕らえる。半分で船を制圧するのだ!」


「行動開始だ、予定どうりに行け!」

海賊達は作戦どうりに動いた。油断していたせいもありあれよあれよという間に空母とイ-ジス艦は、パイレーツどもに占領された。


「ウム思ったより、上手くいったな捕らえた者に船の操船を習い、時間置き助ける。逆らう者海に落とすのだ!」


今海に落とされると、犬猫族は泳ぎが下手でこの寒い時期には、死を覚悟せねばならなかった。


皆従順に人間のパイレーツに、従ったのであった。犬猫族も命は惜しいらしい、その点は人間とあまり変わらないらしい。


若者達を呼んで訓練をした。若いので飲み込みが早く二カ月で、見事に動かす事が出来るようになった。約束通り犬猫族の乗組員は帰してやった。


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