寿命ってのは
次はフォロッド城である。
このあたりの強敵と言えば、からくり兵である。
仲間になったばかりで非力なガボにほえろで動きを止めさせ、その上で攻撃を加えて行く。これが基本パターンであるが、なかなか倒れない。
たまに退屈になってマリベルにしっぺ返しさせてさみだれ剣返しを狙う事もあるが、無論ダメージは知れている。
それでもハイリスクハイリターンを求めて、狩って狩って狩りまくる。
何よりのハイリターンは、鉄の斧だ。これをドロップしてくれれば、それこそキーファにとっては最後の武器になるしアルスにも頼れるそれになる。あまったら売ればいいと来ている。
(なお今回はレベルを14まで上げたものの落とさず)
この場所のストーリーのメインは、ゼボットだろう。恋人とでも言うべきエリーを失った彼は城の西の小屋に閉じこもり、からくり作りのみに精を出している。城や町には彼が作った掃除機があり、その才能が決して低くない事を示している。
だが彼は、極めて冷淡である。
「国がどうなろうが、人がどうなろうが知った事か」
無常観に打ちのめされた彼の言葉は、重たい。
幸い、フリーズには悩まされなかった。
だが単純に、敵の強さに悩まされる。この後がさほど難しくないので、ここはある種の難所かもしれない。二連続のボス戦は、対策を講じないと簡単に全滅ルートである。
なお全てを終えてフォーリッシュに戻ると、ゼボットはボロカスに言われる。
感情的には仕方がないとは言え、この事件の功績者の一人に対してあそこまでの言いぐさをする事もあるまいと言うほどに言われる。
だから、フォーリッシュには寄らないで直にフォロッド城に行く事にしている。
トラッドもトラッドでゼボットに対しずいぶんとつっけんどんだが、それは現在進行形の戦場と向き合わされる軍人と過去の世界にしがみつき一人の世界に閉じこもっている研究者の差異だろう。
だが現在にて
「ゼボット、ウゴカナイ。スープサメタ。スープツクリナオシ……」
そう言いながら骨になったゼボットと厨房を行き来するエリーの姿は、あまりにも悲痛である。
百年はくだらない時間が経っていると言うのに、ずっとそんな事を続けている。彼女に置き去りにされたと信じ、自分が彼女を置き去りにするとは一向に考えなかったゼボットは、やはり後ろ指を指されても仕方がないのかもしれない。
まあ、最初に作ったからくりメイド、一旦エリーと言う名を付けながら雑に消した時点でそういう人間なのだろうが!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます