確かに痛快愉快で面白い!、が、、

序盤の引き込みは強くないものの、比較的早い段階から盛り上がるストーリー。
ゲーム世界の錬金術という“現代人から見たご都合主義“も上手く活かし、良いテンポ感を生み出していると感じる。

出てくるキャラも個性豊かで非常に印象に残りやすい。
主人公もありがちな埋没してしまう作り込みではなく、誰よりも強い個性の塊。
思考回路が痛快で非常に楽しめる。
ミクロ視点で読み進める場合、非常に良作だと言わざるを得ない。

ただ、飽きも来ず、テンポが良いにも関わらずMMOで言うところのメインクエストが一向に進まない。
それ自体を感じさせないほど上手く次の展開へ繋げているのだが、如何せんタイムリミットの存在するメインクエストを背景に発展して行くサブクエストが長い。

いや、ひとつひとつのサブクエストは長くない。
ただ物語終盤かというほどにサブクエストや緊急クエストが続くと「面白い」と思う気持ちに影をさす。
「まだメイン進まないの?」と。

物語の中では時間自体はそれほど進んでいないので矛盾はない。
サブクエストも十分に楽しめるし、何よりサブクエスト含めてのメインストーリーであることはよく分かる。
しかして、それでも高い評価に二の足を踏むほどにメイン“クエスト“のテンポが悪いことが残念でならない。