第5話『戦士、その後…』
「1、2っ!!1、2っ!!」
ゴンドラ城周辺から声が聞こえる。
時刻は早朝5時。
ゴンドラ聖騎士団の朝は早い。
ランニングからの基礎トレーニング、国を守る為日々鍛練を続けている。基礎トレーニングとはいえ生半可なモノではない。おまけに聖騎士長が目を光らせ鋭くチェックをしている。サボることも許されない。
新人騎士「はぁ、はぁ、き、きつい」
新人騎士達にとってはこの基礎トレーニングが慣れるまでが地獄と言われている。この厳しいトレーニングを1年耐え抜いてようやく聖騎士の卵として認識されるのだ。そんな新人騎士の中、顔色1つ変えず淡々とトレーニングをこなしていく男がいた。
聖騎士「やっぱすげぇ」
聖騎士長「ふむ、さすが」
その男の名はマツナガ。元戦士だ。
パーティ解散後の翌日に聖騎士団へ入隊。
現在聖騎士団の主な活動は王国周辺の復興作業だ。少しでも力になりたくて志願した。
聖騎士長「今日から新しいメンバーが加わる。みんなよろしく頼む!」
マツナガ「マツナガです!よろしく!」
聖騎士達はざわつく。
マツナガの入隊には誰もが驚くもこんな頼もしい仲間が加わることに期待感しかなかった。
聖騎士長「特別扱いはしないぞ!」
マツナガ「はい!」
聖騎士長補佐「……」
1人を除いては。
聖騎士長「よし!今日も隊を分けて復興作業に取りかかる!」
聖騎士達「ハッ!!」
戦いは終わったもののいつ何が起きても対応できるようトレーニングに励み、各地の街や村の為に復興作業に取り組む姿勢は国民からの信頼と評価を上げていくものだった。聖騎士団の活躍もあり破壊された町や村はみるみる内に元の姿を取り戻していった。
マツナガ「え?昇進ですか?」
強さだけではなく人として圧倒的に慕われるマツナガは1人前の聖騎士という立場を飛び越え聖騎士団の中でも5人にしか与えられない称号を授与される。前代未聞のスピード出世だ。
聖騎士長補佐「ま、まぁ、私が補佐になりそこのポジションは空席でしたからね!」
マツナガ「ありがとうございます!称号に恥じぬようこれからも精進していきます!」
聖騎士長「うむ。頼んだぞ!」
聖騎士補佐「………」
2年後……
聖騎士「聖騎士長!!大変です!!」
事件は突然起きた。
復興作業を終えて帰還する聖騎士達が襲われるという事態が起こった。
聖騎士長「何者だ?」
聖騎士「く、熊です!突然現れまして…」
聖騎士長補佐「おい、おい。何を言っている?我ら聖騎士が熊といはいえ動物程度に負けるわけがないだろ」
ゴンドラ聖騎士団の聖騎士レベルになると低レベルなモンスターなら1人で片付けてしまうほどの戦闘力を持っている。つまりこの出来事自体がおかしな話だ。
聖騎士「そ、それが明らかに野生の熊とは思えぬ動きを…!!」
聖騎士長「ふむ……他に何か不可解なことはなかったか?」
聖騎士「あ!そういえば眼です!!」
聖騎士長「眼?」
聖騎士「あの眼は動物というよりモンスターに近い……そんな感じでした!」
聖騎士長補佐「そんなバカな…!!」
聖騎士長「マツナガよ。直ちに現地へ向ってくれ」
マツナガ「わかりました!」
モンスターというワードに不穏な空気が流れる……
新たな物語が始まる…!?
つづく。
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