何もない休日 其の二
海に来て二日目。私は一人目を覚まします。んー、よく寝ました。軽く伸びをして横を見るとライトさんの寝顔が見えます。
かわいかったので顔中にキスをしてから耳を噛むことにしました。
「うわぁ。もう、ずいぶん情熱的な起こし方だな」
私はライトさんの耳を噛み続けています。んふふ、美味しいです。
ライトさんはお返しとばかりに私を押し倒し、耳を噛んできました。
「ひゃあん。んふふ、もっとしてください」
「ははは。喜んで」
今度は顔中にキスをされました。ふふ、いい一日になりそうですね。
このままライトさんと一つになりたいけど…… だめです! 今日は海に行かないと!
私は欲求を跳ねのけ、ベッドを出ます。
「私、チシャを起こしてきます」
「あぁ。じゃあ俺は朝ごはんを作ってくるよ」
隣の寝室に行くとチシャが気持ちよさそうに眠っています。ベッドに腰かけて、チシャの頭を撫でました。
「ほら、起きなさい。今日は海に行くんでしょ?」
「ん…… おはよ、フィオナ」
ふふ、お寝坊さんですね。眠い目を擦るチシャを抱っこしてキッチンに行くと既に朝食は準備されていました。
さぁ朝ごはんです。早く食べて遊びに行きましょう。
簡単に朝食を済ませ、海に入る準備をします。私とチシャは水着に着替えますが、私の姿を見たチシャが顔を赤くしています。どうしたのでしょう?
「わー…… フィオナ、綺麗…… いいなー。おっぱいも大きいし」
「んふふ。ありがとうございます。大丈夫です。チシャもすぐに大きくなりますから」
チシャはかわいいです。この子が大人になったらどんな美人になるのでしょう。見るのが楽しみです。
チシャも水着に着替えました。ふふ、すごくかわいいですよ。
リビングに行くとライトさんがいました。もう準備は終わったようです。
あれ? ライトさんも顔が赤いですね。
「フィオナ…… その水着ってさ……」
「似合ってますか?」
んふふ、ライトさんが私を見てます。かわいいですね。照れてるのでしょう。
あれ? ライトさんが私の手を取って寝室に向かいます。
「チシャ…… ちょっとだけ待っててな?」
「ん? いいよ」
不思議そうな顔をするチシャを残し、私とライトさんは寝室に。何がしたいのでしょう? そう思っていたら……
―――ボスゥッ チュッ
ひゃあん!? ベッド押し倒されました!
そして深いキスをされます……
「ん…… んふふ。駄目です……」
「すまん…… ついかわいかったもので……」
もう一度だけキスをされてリビングに戻ります。ふふ、続きは後で。
「何してたの? 早く海に行こうよ!」
「そうですね! 行きましょう!」
コテージを出ると、目の前には青い海が広がっています。私達は砂浜まで駆けました。
そうだ、冷たい水は体力を徐々に奪います。海に入る前にみんなに
みんなでゆっくりと海に入りますが、水は冷たくありません。ふふ、心配しすぎでしたね。
「あはは。気持ちいいね。ねぇ泳いでもいい?」
「いいですよ。でも深い所に行っては駄目。腰の高さの所で泳いでください」
「はーい」
チシャは浅瀬で泳ぎ始めます。ふふ、上手に泳いでますね。ライトさんもチシャの様子を見て笑っています。
「泳がないんですか?」
「んー。こうして水に浸かってるだけでいいさ。チシャが心配だからね」
ふふ、私と同じ気持ちでした。それじゃ水に浸かりながらチシャを見ていますか。
楽しそうに泳ぐチシャを見て思います…… こんなことを考えちゃ駄目なのに。でも考えてしまいます。
私はトラベラー。子を成すことが出来ません。
私とライトさんの間に子供が出来たら、どんなに素晴らしいことか……
ふふ、無い物ねだりしちゃ駄目ですね。やっぱり私も泳いできましょう。
「ライトさん。少しだけ泳いできます」
「あぁ。気を付けてな」
私は少し深いところまで泳きます。少しに潜ってみると、目に入るのは色鮮やかな魚や珊瑚。
凄く綺麗ですね。
ん? 何か気配がします。これはまるで殺気……
私は海面に顔を出し、辺りを眺めます。
すると私に向かって泳いでくる魚影が見えました。
大きい。私は目にオドを込めて魚影を見つめます。すると……
名前:メガバイト
種族:古代鮫
年齢:???
レベル:218
HP:20938 MP:25
STR:38801 INT:28
能力:高速泳法10
特殊:噛み付き 尾びれの一撃
魔物…… 私を食べる気ですね。そうはさせません。
私はオドを練る。ここは水中。属性を選ばないと。そうだ、いい魔法がありました。
練ったオドを魔物目掛け……
放つ!
―――シュオン
水面に
複数現れた刃は一斉に魔物に襲い掛かります。
―――ズバッ ズバッ ズバッ
水面が赤く染まりました。魔物は退治出来たようです。一応確認しておきましょう。
再び水面に潜ってみると、海底には輪切りになった鮫の死体がありました。
良かった。これでもう安全ですね。ん? 鮫の横にあるのって……
私は海底まで潜ってみます。するとそこには貝がたくさん。色んな種類がありますね。夕飯のおかずに採っておきましょう。
私は腰巻を外し、貝を包みます。ふふ、いっぱい採れました。
私はお土産を持ってライトさん達がいる場所に戻ります。二人は笑顔で迎えてくれました。
「お帰り、そろそろ上がろうか」
「はい! これ見てください!」
私は採ってきた貝を二人に見せます。
「いっぱいあるね! フィオナ、すごい!」
「あぁ。これでおかずには困らないな」
二人が私を褒めてくれました。んふふ、もっと褒めてください。
海から上がり、みんなでごはんの支度をします。おかずは貝と昨日買ってきた魚です。
それをコンロで魚と貝を焼いていきます。貝からあぶくが出てきました。そろそろ食べられるでしょうか?
あちち。殻を外して、火の通った身を口に入れます。
「んー! 美味しいです! 二人共、この貝すごく美味しいですよ。食べてください」
ライトさんとチシャもほふほふしながら貝を頬張ります。ふふ、二人共いい笑顔です。まだいっぱいありますからね。
私達はお腹いっぱいになるまで貝と魚を食べ続けました。
その後もみんなで釣りをしたり、砂浜で遊んだりと楽しい時間を過ごします。
そして夜になり、私達はコテージへと帰ってきました。
ライトさんはチシャを抱っこしています。遊び疲れたのでしょう。眠ってしまいました。二人でチシャをベッドに寝かせます。
かわいい子。いい夢を見るのですよ。私はチシャのおでこにキスをして部屋を出ていきます。
「フィオナ?」
「ん? 何ですか? ん……」
ライトさんが私を抱きしめてキスをしてきます。
そのまま暖炉の前にある毛皮の上に私を寝かせました。
ライトさんは私の水着を外して……
「もう…… いきなり過ぎです」
「ごめんな。でも我慢出来なくてさ」
そう言って私を抱きしめてキスをしてくれました。ふふ、ライトさんのエッチ。
お返しにいっぱい耳を噛んであげました。
「いてて。フィオナ、アモンを倒したらまた海に行こうな」
「賛成です。またオサシミを食べに行きましょう」
こうして私達の寄り道は終わります。楽しかった。ちょっと我がままを言ってよかったです。こんな楽しい想いが出来るなんて。この平和がずっと続いたら……
ううん。駄目です。続けられるように頑張らなくては。
そのためにもライトさんの仇であるアモンを倒す。私達の手で。
でも今だけはライトさんに甘えるとします。私は眠るまでライトさんを抱きしめて耳を噛むことにしました。
んふふ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます