第40話 松阪さん


今日はマッサージ機が届き堪能するママさん。

モンクとサムはソファーに座り見ていた。


「 サム。 お前能力使ったなぁ? 」


「 相手が悪いんだよ。 騙してるの見るとイライラしちゃって。 相手も2度と騙そうなんて思わないと思うよ。」


モンクは仕方なく納得した。

まぁ、松阪牛はモンクも嬉しかった。

でも凄い量だった。 食べきれるのか?


「 あ〜、気持ちいいわぁ。 そうだ!

今日の夜ご飯は松阪牛のステーキにしましょ。

隣の小木野さん誘おうか? 」


紅葉の家族を誘って、一緒に夕食会を開く事に。

モンクはドキドキだった。


「 母さん。 紅葉ちゃんが来るかなぁ?

迷惑かもしれないよ? 」


と、話を聞かずに既に電話を掛けていた。

モンク家と紅葉家は昔からの仲良し。

両親が最近は会っていなかったが、本当に仲が良かったのだ。


「 紅葉ちゃん達来るって。」


即答で来る事に。

嬉しいけど色々大変そうだ。

そう言えば紅葉に嘘で猫を飼ってるって言ってたが、偶然見つけた捨て猫を飼う事にした。

嘘の為だけでは無く、モンクは猫が可愛いくて飼いたくなったら気持ちに嘘は無かった。


夕方になり小木野家が来た。

お父さんは仕事で忙しく来なかった。

なので、紅葉ちゃんとお母さんの二人で来た。


「 こんばんは。 お邪魔します。

晴斗君。 また男らしくなったね。 格好いいぞ。」


紅葉ママはモンクが大好き。

昔から優しくしてくれている。

ケガした時も、自分の息子のように気に掛けてくれた。 本当に優しいママさん。


「 ママさん。 全然格好良くないよ。

今日はゆっくりしていってね。」


紅葉ちゃんも入って来た。


「 モンクン。 今日はありがとう。

私も松阪牛大好きなの。 モォ〜ッ! 」


紅葉もノリノリだった。

今日は何か良い夜になりそう。

ありがとう。 サム。


モンクママは特製のタレを作る為に料理中。


「 晴ママ。 私も手伝うわよ。 相変わらず料理上手いわね。 負けないわよ。」


「 私の料理は全てが計算尽くされてるのよ。

最高の料理にしましょ。 」


久しぶりの二人は楽しそう。

紅葉も料理の手伝い。

暇なモンクとサムはテーブルで、ミニ卓球をしていた。


「 そいっ! また僕の勝ちだね。

まだまだ青いね。」


サムの高速スマッシュが炸裂していた。


「 はぁ、はぁ。 今回は仕方なく負けてやったんだよ。 次は勝つからな。 」


このくだらない遊びをいつもしているのだろうか? その話は別の機会にしよう。


「 いやぁーーっ。 にんにく買い忘れたわ。

そこの何もしてない二人。 直ぐに買ってくるの!」


ママさんのパーフェクト料理の為に、二人は渋々スーパーへ向かう。


「 人使い荒いよね。」


「 昔から母さんは…… 。」


文句たらたらで出ていきました。


紅葉ママがテーブルにお皿とかをセットしていて、紅葉とモンクママは二人で料理していた。


「 紅葉ちゃんも料理上手ね。 良いお嫁さんになれるわよ。 私のお墨付きよ。」


「 ママさん。全然私なんて。 最近フラれたばかりで立ち直れなくて。 」


紅葉はモンクママが大好き。 色んな相談をしたり、洋服を買いに行くくらい仲が良い。


「 そうだったの…… 。 女はね。 傷ついたらその分がまた女は強くなるのよ? 磨けば磨く程輝くのよ。 知らなかったでしょ? 」


「 うん…… 。 ママさんは相変わらず格好良いなぁ。 私もママさんみたいになりたい。 」


紅葉は色々悩んでいた。

白夜にフラれた後に、モンクへの本当の気持ちに気付いたが思うようにはいかなかった。

フラれた後にモンクを選んだと思われたくなくて、いつ言えば良いか悩んでいた。

モンクが奥手なのを知っていたから、絶対に自分から言わないとダメなのを知っていたからだ。

流石は幼なじみ。


「 あんまり考え過ぎちゃダメよ?

何か悩んだらいつでも言ってね?

紅葉ちゃんは私にとっては娘みたいかもんなんだから。 絶対に言ってよ?? 」


「 ママさん…… 。 ありがとう。

私もママさん大好き。 」


二人は本当に仲が良かった。

料理は段々と完成へ向かう。


モンクとサムは夕陽が沈む中スーパーへゆっくり歩いていた。


「 晴斗君。 僕は本当に幸せだよ? ここに来てから毎日が冒険やパーティーの連続。

僕は能力無しでこんなに楽しいの初めてなんだよ。 本当にありがとう。」


照れくさそうに頭をかくモンク。

改めて何を言ってるのか?

恥ずかしそうな事でも簡単に言えるのも、宇宙人だからなのか?


「 なんだよ。 改まって。 何か奢って欲しいのかい? 」


「 いや…… 、 何となく言えて無かったから言いたくなっただけだよ。 」


その返答を聞いて拍子抜けしてしまう。


「 なんじゃそりゃ。 ふざけてると置いてっちゃうぞぉー。 」


モンクは走ってスーパーへ。

その後ろ姿をずっと見つめる。


「 後少しだけ、僕のワガママを許しておくれ。

相棒…… 。 」


サムは直ぐにモンクを追いかけた。

モンクとの別れは近いのかもしれない。

だからこそ、サムはその一分一秒を無駄にしない為にも今を楽しむのだった。

スーパーで頼まれた材料を買いつつ、少しだけ無駄使いをする。

お菓子やアイス、みんなで食べようと思い沢山買う。 モンクもサムも楽しそうに買い物を楽しんだ。


家に着き、家に上がろうとするとカンカンな紅葉が待っていた。


「 もぉー。 どんだけ遅いのよ。

早く買って来たのだしてよね。 ソースがいつまでたっても出来やしないわよ。 」


「 ごめんなさい。 これ頼まれたの。 」


頼まれたのを渡し紅葉はキッチンへ。

二人は顔を見合わせて苦笑いする。


「 本当に口うるさいんだからね。 」


モンクもサムに同意する。


「 本当だよね。 昔から紅葉ちゃんは…… 。」


すると、直ぐに紅葉が近付いて来る。


「 聞こえてるぞ。 早く手伝う! 男共っ! 」


モンクとサムは少し小さくなりながら直ぐにキッチンへ向かう。

やっぱり世の中、女の方が強いのだと分かる光景だった。


キッチンでモンクママの料理が炸裂!

美味しい匂いに誘われサムはヨダレが出る。


「 ママさん。 凄い匂い。 食べたぁい。 」


「 まだダメよ。 私のシカゴに留学中に伝授された、最高のソースをかけたステーキは絶品よ。

少しは待ちなさいな。 サムちゃん。 」


二人はまるで親子同然。 むしろ仲が良すぎるくらいになっていた。

サムはお預けにされ、寂しくポテトサラダのじゃがいもを潰すのだった。

モンクは紅葉ママと二人で飲み物を準備したりしていた。


「 本当晴くんは男らしくなったわね。

前までは私にくっついてばかり居たのにね。 」


昔のモンクを思い出していた。


「 何ですかぁ? そんな昔の話ですよ笑。」


「 今は背も高くなって格好いいわ。

旦那居なかったら結婚したいくらいにね。」


紅葉ママはモンクにデレデレしていた。

モンクが大好きだったからだ。


「 ママさんは本当に冗談ばっかり。 」


「 私ね。 紅葉が産まれてきて嬉しかったのよ。

女の子が一番って。 でもね。 晴くんが引っ越して来てからね、晴くん見てたら男の子のお母さんってこんな感じなんだろうな? って思ってたの。

だからね、私満足してるのよ。 晴くんは私にとっても可愛い可愛い、息子同然なんだから。

たまには昔みたいにデートしてね。 」


紅葉ママはモンクが大好き。

可愛くて仕方なかったのだ。

モンクは昔から美人な紅葉ママに弱かった。

照れくさそうになるモンク。


「 デートなんかした事ないですよ!

ただの買い物でしょ。 たまには良いですよ。

荷物持ちで良ければ。 」


二人で笑うのだった。

ステーキは出来上がりみんなで食べる。


「 美味しい! 」


みんなで声を合わせて叫んでしまう。

肉の旨さに負けないくらいにソースも絶品。

サムはモンクママに切ってもらいながら食べる。


「 むしゃむしゃ…… 美味すぎるっ。

松坂さん。 ありがとう。 モォ〜〜っ!! 」


サムはふざけまくり。

美味すぎると牛になってしまうのか?

モンクもサムを見て笑いまくり。

その笑顔を見ている紅葉。


( 何で今まで気付かなかったんだろ。

私はモンクンと居るとこんなに楽しい。

私にはモンクンが必要だったんだ。

こんなに好きだったなんてね…… 。

鈍感過ぎたなぁ。 )


紅葉は今更自分の気持ちに気付いていた。

だからといって、直ぐに行動出来る訳もない。

それが幼なじみの辛い所。


ディナーは盛り上がり、最高の食事会になった。

残りの時間は少ないかもしれない。

でもサムは今だけは忘れ、最高の食事を楽しみながら過ごすのだった。

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