第16話 バイトの仲間達
モンクの目の前に、味噌ラーメンが運ばれてくる。 いざ実食!!
麺は太麺。 濃厚スープに良く絡む。
ずるずるーー!
「 あっ。 歯ごたえも良くて、麺にスープも絡んでて美味しいです。」
モンクは味噌をあんまり好んでは食べないのですが、ここの味噌はそんな人でも好きにさせてしまう旨さがあるのだ。
「 そうだろそうだろ。 美味しいよね。
まかないだと半額で食べれるからね。
いつでも食べて良いよ笑。」
店長さんもラーメンが大好きなのだ。
食べても食べても、最初の一口の感動と、同じ感動の一口で食べれる。 人気なのも納得である。
あっという間に食べ終わる。
すると、控え室でバイトの自己紹介が始まる。
大ベテラン。 ここの主と言っても良いだろう。
60後半くらいで、フロアの仕事専門のおばあさんである。 口は悪い。
「 宜しくねぇ。 坊や! 」
坊や呼ばわり。 いつか見返したい。
30前半の主婦。 優しくて可愛らしい、バイトには一人は必要な存在である。
「 宜しくね。 可愛いらしい学生さんね。」
優しそうでいいおばさんだなぁ。
今いるバイトはこれぐらい。
男は以外と、飲食店では少ないのはあるあるです。
「 みなさん宜しくお願いします。」
挨拶を済ませて、スケジュールをメモ帳に書いて帰ることに。
「 今日はありがとうございました。
美味しいかったです。」
モンクは凄い満足していた。
「 鈴木くん。 絶対キミは飲み込み早そうだし、エースになれる。 キミの成長が楽しみだよ♪
またおごってあげるから頑張ってね。」
店長は本当に優しい。 お兄さんみたいな存在だ。裏口から帰る。 もう立派なラーメン屋のバイトに、なった気分だ。
歩きながら、次は何食べようか考えていた。
すると海荷が、ショッピングセンターの中を歩いていた。
( 買い物かなぁ? 何処に行くのかな?
まぁ関係ないから帰ろう。)
モンクは家に帰って行った。
麺屋パンダに向かう海荷。 またすれ違い。
「 お疲れ様でぇす。」
海荷もパンダのバイトである。 まだ二人はそれを知らない。
「 海荷ちゃん。 遅いよ。 今新しいバイトの鈴木くん来てたのに。」
店長が残念がる。
「 鈴木?? どんな奴なのかな? カッコいいかなぁ? まぁ彼氏居るし関係ないけどね笑。」
海荷にはチャラい彼氏が居る。
ちょっとした不良っぽい大学生である。
年上の魅力に、女の子はいつの時代も弱いものである。 海荷はここのバイトはモンクよりもベテランだ。 二人が会うのも時間の問題だった。
夕方。 モンクが家に帰って来る。
「 ただいまぁ。」
元気良く帰って来ると返事がない。
( まだ出掛けてるのかな? )
リビングに行くと、サムがソファーでぐったりしていた。
「 サム。 どうしたんだよ? 今日は楽しいジャンボパフェを食べに行ったんじゃなかったのかい? 」
サムはゆっくり口を開く。
「 …… でかすぎて食べれなくて、自分はどれだけ小さな宇宙人か見に染みたよ。 しかも、女の子にまで負けてしまうし。」
サムは大食いなのに負けるなんて……。
桃さんの胃袋はどんだけ凄いのか。
モンクは少し動揺してしまう。
「 そんなことかよ。 僕の方はバイト受かったんだよ♪ 麺屋パンダで働くことにしたよ。
楽しみだなぁ♪ 」
モンクは初めてのバイトに、やる気マンマンでした。
「 ん? それは凄いねぇ。 元気になったら食べに行こう……。」
これは重症のようだ。 二人ともご飯を食べていたので、夜ご飯を作らないで済みました。
リビングで二人は、海外ドラマの一気見することに。
モンクは最近の日課の「能力」を色々
出来るように練習していた。
( よぉし。 最近は簡単なのは出来るようになったぞ。)
間違いなく成長していた。
嗅覚の強化する能力や遠くまで見える能力。
握力上昇。 腕力パワーアップ。
使えれば得する能力ばかり。
「 サム。 最近簡単なのは、出来るようになったんだけど、そろそろ面白い能力とか教えてよ。
絶対マスターするから。」
出来る事が増えるのが楽しいモンク。
「 さすがだね。 じゃあ、相棒は僕に能力の質が似てるから、こんなの出来るんじゃないかなぁ? 」
庭にでるサム。 わざと水溜まりを作り始めた。
なにが始まるんだ??
「 グラスホッパー!! 」
サムはそう叫び、水溜まりの上にサンダルで乗る。 普通はサンダルが水浸しになる筈なのに、全く濡れていない。 まるで表面張力によって水の上に浮いている状態だ。 アメンボのようだった。
「 凄い…… 水の上に乗っても沈まないのか。
本当にアメンボみたいだ。」
さらに応用を見せるサム。
家の壁に水をかけるて、サムは壁に張り付く。
この能力が使えると、水があれば壁に張り付くことも可能のようだ。
アメンボ以上だった。 さらに、
「 これは難しいよ? 」
サムが一瞬で消えた。 すると、近くの水溜まりに浮いていた。 これは水溜まりから水溜まりにジャンプ出来るのだ。 まるでテレポートしたみたいに。
これは凄い……。 宇宙人みたい。
「 凄いでしょ? 僕の得意な能力だよ。
晴斗くんなら直ぐに出来るから大丈夫。
頑張ってね♪ 」
そう言って家に入り、海外ドラマを見始めた。
もっとアドバイスとか教えてくれればいいのに。
でも、何となくは理解した。
浮くときは足に全集中する。 壁に張り付くときは、その集中力を足に留めるから、難易度高め
のようだ。 水溜まりから水溜まりにジャンプ
は、ジャンプしたい水溜まりを見つめて
頭と目にジャンプするイメージをして、ジャンプして直ぐにまた足に全集中して浮くようだ。
とても難しい。 でも絶対やってみせる。
何処で使えるかはわからないけど。
それにしても気になることが。
サムは何故こんなに、モンクに能力の使い方を教えてくれるのか? 友達だから?
わからないけど、サムは相棒なのに変わりないのだから、考える必要はなくなった。
何度やっても水が弾いて沈んでしまう。
「 難しいなぁ。 意識が足りないのかな? 」
色々考えて何度も挑戦する。
隣で紅葉ちゃんが、お風呂上がりに2階のベランダで外の風を浴びていると、モンクがビシャビシャになりながら、何度も水溜まりの上でジャンプしている所を見つける。
「 なにやってるんだぁ? 防水靴の精度でも
試してるのかな?
モンクンって本当に面白いなぁ♪ 」
バレないように見つめるのだった。
次の日、毎朝恒例のパンを買いに行く。
ついでに、水溜まりがあるとわざと踏んで、
少しでも浮けないか試す。
「 サム。 今回は難しいね。 出来るか不安になるよぉ……。」
弱音を吐くモンク。
「 何言ってるんだよ。 晴斗くんは僕に似てるから、絶対出来る筈なんだよ。
僕の見る目は間違いないんだよ。」
相変わらず上げ上げなサム。
少しずつ練習すればいいか……。
「 上手くなればアメンボみたいに池とかも、スイスイ! 滑れるようにもなるよ。」
本当にそんな凄いこと出来るのか?
不安になってしまう。 毎日練習あるのみだ。
パンを買い、家に帰って学校に行く。
放課後学校が終わったら、バイトの初勤務だ。
楽しみだった。
授業を受けながら簡単な能力を試してみよう。
たまには遊んでみよう!
( 白夜の口を勝手に動かしてやる。)
喋らせたい言葉を頭で考えて、そのイメージを白夜に飛ばす。 少し難しいけど、近所のオバサンで実験済みだ。 ( ごめんなさい。オバサン。)
( 白夜に食らわせてやるぅ。)
軽洗脳発動!!
遠くの席にいる白夜。
授業を受けているといきなり。
「 パオ~~~~ン♪ 」
みんなびっくりするが、お馬鹿な発言でみんな笑い出す。
「 あはははっ! 」
「 白夜様何言ってるんですかぁ? 」
「 え?? 俺はそんな発言する訳がないだろ?
どうなってるんだ!? 」
慌てまくる、白夜。
たまには良いかな?
少しぐらいは能力をこんな風に使うのも笑。
先生に軽く叱られる白夜。
( 不思議だ。 いきなり口が勝手に動いた……
まるで自分の意思でない、誰かに操られたみたいに……。 そんな訳ないよな? )
頭が良く、勘が良い白夜は不信感を抱き始める。バレないか不安な、日常が始まるのだった。
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