第15話 大食いと初めてのバイト
サムはパフェを食べ初める。
ばくばく! パフェの上にはプリン、ポッキー
リンゴにオレンジ。 生クリームとアイスてんこ盛りだ。 その下には、フレークが入りナタデココ、またアイス、また生クリーム。
そしてチョコのトッピング。
まさに夢のパフェだ。
「 凄い美味しい……。 どこを食べても美味しい。相棒も誘えば良かった。 あーむっ♪ 」
順調なサム。 桃も淡々と食べる。
「 サムは大食いさんなんだね。」
ニコニコしながら眺めている。 人の食べる姿は、何故か可愛く見えるのだった。
「 僕の胃袋は宇宙だからね。 いくらでも入るんだから♪ 」
黙々と食べ続ける。 遠くから見つめる店長。
( 中々骨のあるやつじゃねぇか。 だけど、
グランドオールザ・ウェイを攻略するレベルではない。 誰も4人でなんとかクリアできる物を、何処まで食らいつけるかな? )
楽しそうなコック。 今までのインスタの為やネタで頼んだ者達とは何かが違う。
そう感じるのだった。
一時間が経過した。 3割を食べ終わり、お腹が
膨れて来ていた。
「 凄い量だ…… 中にケーキの生地みたいのも
入ってて、後半にはキツイ……。でも全部美味い。」
美味しいけどペースは下がって行く。
「 大丈夫? 辛そうだね…… ゆっくりでいいよ?」
気を使い心配そうに見つめている。
「 全然へっちゃらだよ。 負けるもんか、、」
また食べ続ける。 ばくばく! むしゃむしゃ!
なんキロぐらいあるのだろうか……。
( 中々やるな。 ここまで1人で良くやったよ。そろそろ限界か? )
コックも頑張ったと誉めていた。
すると、最後の力を振り絞り口に沢山詰め込む。
あぁーーむ♪ 凄いデカい口だ。 これがサムの本気だ。
最初は野次馬も笑って見ていたけど、見ていていたら、出来そうな気がして応援し始める。
「 がんばれ!! 」
「 いけぇ!! 」
「 頑張ってぇ♪ 」
応援の声援が沢山聞こえる。
「 …… もう…… ダメぇ。。」
さすがに力尽きる。 4割を食べギブアップ。
「 中々頑張ったのに惜しいね…… 後1人兄ちゃんと同じくらい食べる仲間が居れば、罰金にならなかったのになぁ……。」
何故か悲しそうだ。
みんなも悲しそうに見つめる。
そのとき、まさかの参加者が!?
「 まだ食べれるし勿体ないから私が食べて良いかな? 凄い美味しいそうだし♪ 」
まさかの桃が残りの6割ある、パフェに挑戦することに。
( なんだって!? あんな小柄な女の子が?
インスタにあげたりちょっとしか食べない
女の子だけかと思っていたな。 でもあの娘は、リンゴたっぷりアップルパイを食べていたはず。
大丈夫なのか? 少し食べたいだけに決まってる。)
動揺を隠せないコックさん。
「 桃ちゃんには無理だ…男… の僕でもここ
までしか食べれないのに。」
サムが止める。 今のサムは、妊婦並のお腹で
動く事もできないのです。
「 大丈夫! 意外に食べれるんだからぁ♪ 」
周りからも乾いた笑いが聞こえてくる。
食べ始める。 むしゃむしゃ! ぱくぱく♪
「 美味しい♪ パフェ大きくても味も手を抜いていなくて納得だね。」
ばくばく!モグモグ。
残り半分まで食べた。 まだ残り半分も残っている。食べるスピードは遅いけど、どんどん減っていく。
パクパク!
食べ始めて40分経過した。
残りが2割くらいまでになっていた。
( なんなんだあの娘は!? さっきの男の子と同じ4割食べている…… もしかしたら。)
完食の予感がしていた。
周りからもいけるのでは? と思われ始めていた。
「 桃ちゃん…… お腹大丈夫?? 」
サムは凄い食べっぷりの桃を心配する。
もしかしたら無理に食べてるのでは?
動揺を隠しきれなくなっていた。
「 まだ大丈夫。 モグモグ。 食べれば食べる程、違う味になって最高。 フレークゾーンなんて、味が染みててふにゃふにゃなの大好きなの♪ 」
勢いは止まることを知らない。
作者はコーフレークは、ふにゃふにゃになる前に食べちゃう派である。
残り1割まで来た。
周りからの歓声が聞こえて来た。
「 がんばれよ!! 」
「 女の子でも出来るってとこ見せてやれ♪ 」
本当に底が見えてきて、最後の一口へ……。
「 ごちそうさまでしたぁーん。」
完食してしまった。 サムが頑張って4割食べても6割も食べていた。アップルパイと合わせても相当な量である。
「 あはは。 桃ちゃん。 凄いね……。」
サムは完食出来なかった敗北感と、女の子に負けたショックが同時に押し寄せて来ていた。
周りからの拍手喝采♪
「 凄いぞー! 」
「 女の子なのにすごーい! 」
「 写メ撮らせてぇ♪ 」
お店の中は桃に夢中になっていた。
「 お嬢ちゃん。 負けたよ。あんたがNo.1だ。」
コック長の武蔵が負けを認めたのだ。
「 美味しいくてペロッと食べちゃいました♪
また来ます。」
拍手が巻き起こる。
「 二人で食べきったのは初めてだから、店に記念に写真を、飾りたいんだけどいいかな? 」
武蔵が店に飾る為に、写真を撮りたいと言い出したのだ。
「 私は全然いいですよ。 サムは?? 」
サムは真っ白な灰になっていた。
灰になっているが、写真を撮ることに。
「 はい。 チーズ。」
桃は笑顔でピース。 サムは静かに眠っている姿になった。
楽しい楽しい、初めてのジャンボパフェになったのだった。
その頃、そんな事があったのを知らないモンクは麺屋パンダへ向かっていた。
家から15分。 ショッピングセンターの中で
麺屋パンダは経営している。
値段はまぁまぁのお値段だが、味は美味しい
ので結構人気である。 働いてる人数はそんなに多くはない。 社員が3人。
店長と若い女性の社員とおじさん社員。
後は色々な年代のバイトさんである。
「 よぉし。 いくぞ。 初めが肝心だぞ。」
店の裏口から入る。 もうここで働く一員なの
だから。 扉を開けて大きな声で、
「 こんにゅちわぁぁ! 」
噛み噛みマンである。
やっぱり、こんなスタートばかりだった。
「 おっ? 来たねぇ。 噛みまくりだけど、勢いは良いねぇ♪ やる気を感じるぞ。」
柳内店長だ。 若いけど高校中退したが、ずっと料理をしてきて、ここまでの地位に確立したのだ。
「 今日から宜しくお願いします。」
挨拶すると、最初の試練が待っていた。
「 ここのお店の、オススメのラーメンはなに? 」
えー? ちょっと分からなかった。
食べたことはあるけど、どれが一番オススメかは分からなかった。 正直に
「 すみません……。 分からないです。 食べたことはあるんですけど一番はわからなくて。」
すると店長は
「 それじゃダメだよぉ鈴木君。 ここで働くなら、お客さんに聞かれたら直ぐに答えられるようにしなくちゃ。 ここのオススメは基本は、( 濃厚合わせ味噌ラーメン ) だよ。
でも、お客さんは鈴木君が食べた事なかったりするラーメンを勧められたら食べたいと思うかい? 」
言われてみると教科書道理のオススメなんか、そそられない物だ。 そこには「心」や「気持ち」が入っていないからだ。
「 その通りだと思います。」
話が深かった。 店長さんは、モンクに社会に出ていく為の常識を色々教えてくれるのだった。
店長さんは本当に優しかった。
「 じゃあ勉強の1つとして、ラーメン食べようか? 」
「 はい。 喜んで。 全部食べて、お客さんに何を聞かれても大丈夫にしたいです! 」
モンクは早く覚えて、一人前の男になりたかったのだ。
「 良く言ったよ。 今日は俺のおごりだよ。 」
本当に優しい。 モンクは、どんどん店長さんの事が好きになっていった。
「 ありがとうございます。 」
直ぐに店長がラーメンを作り初める。
まずは器にお湯を入れて暖める。
温かいラーメンを提供する為の1つだ。
寸胴と言う大きな鍋があって、そこで出汁のスープをずっと暖めている。
なくなったら、大きな冷蔵庫であらかじめ、冷やしてあるスープの入った寸胴と入れ換える。
そして新しい寸胴でスープを作り、冷やす。
これの繰り返しである。
中華鍋に赤味噌、黒味噌をレードルで入れて、ニンニクのこがし油を入れスープをオタマで一杯。
そしてかき混ぜながら、沸騰するのを待つ。
沸騰したら器のお湯を捨てて、キレイな乾いた布巾で拭いて、沸騰した味噌スープを入れる。
その間に茹でてある、麺を入れたら完成だ。
当たり前なラーメンも、お店で作るのは本格的。上に薄く切った長ネギをのせて、上から青ネギをかける。 チャーシューをのせたら出来上がり。
店長の仕事は早い。
いざ。 実食だ。 楽しみなモンクだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます