第13話 クラス全員集合

絶望しながら家に帰るモンク。

キムナリくんを助けられたことは嬉しい。

その半分、白夜がムカつく。

相変わらずの漁夫の利大好きマンだ。

僕が頑張ったのに……。

不満を漏らすモンク。 ゆっくり家に到着。


「 ただいまぁ……。」


元気のない声で言うと。


「 お帰りなさい♪ また頑張ってたね。」


また見てたのね。


「 白夜に良いとこ取りされたよ。友達を僕が助けたかったのに……。」


かなり落ち込んでいる。 サムは笑顔で語る。


「 何言ってるんだい? あれは君の成果だよ?

何故白夜が漁夫の利出来たか? 何故彼女達が謝りに行ったか。 分かるかい? 相棒の声が強かったから、みんな動かされたんだよ。 相棒の声でビビりまくってたから白夜は、簡単に謝らせられたんだよ?晴斗くんが能力を使ったから、気になって見に行ったらあんなことになってたよ。

晴斗くんは彼女達の今後を考えて、能力を使わなかったんだろ? さすがは相棒だよ♪

君の魅力は僕には良く分かってるから安心して。」


宇宙人には、モンクの事が良く分かるみたいだ。

二人で話しながら、映画を見て次の日に。

学校でどうなるかが、気になるのだった。


次の日、モンクはパンを沢山買って直ぐに学校へ。 そこへ伴が登場。


「 よぉ。モンク。 パン楽しみにしてたぜ。

コンビニで買った、魚肉ソーセージと

交換しようぜ。」


悪いね。 伴くん。 今日だけは渡せない……。


「 伴くん。 今日だけは渡せない…… 君が魚肉ソーセージを食べてくれ。」


初めて断った。 そして猛ダッシュ!!


「 そうかぁ。 モンク?

あいつ、なにかあったのか? 」


断ることが何故か、逆に心配になる伴であった。


「 えっ!? 俺の昼ごはん魚肉ソーセージ?

食べられる訳ないだろ!! 」


当然な反応を示す伴であった。

伴もたまには、自分のご飯を食べて反省させないと。

モンクは走る。 ダッシュ!!


( 初めて断れた。殺されないといいけど……。)

モンクは、学校ではなくキムナリくんの家へ。


ピン! ポーーン!!


「 キムナリく~ん。 一緒に行こうよ。」


モンクは、一人では不安だと思い来てしまった。


ガチャッ!


キムナリくんが制服を着て、玄関から出て来てくれた。 昨日、王妃が謝りに来た事がよく分かる。


「 キムナリくん。 早く行こう♪ 」


モンクは、王妃の事に触れなかった。

話したくなったら、話してくれればいい。

そう思っていた。


「 ありがとう。 モンクくん…… 昨日休んでごめんね。 まだお昼買ってないんだよね……。」


モンクの聞きたかった返答だった。

モンクのマイバッグから、大量のパンを見せびらかせる。


「 今日は僕に任せてよ。 さぁ行こう。」


「 凄いパンだね…… うん行こう! 」


二人は笑顔で学校へ向かう。

モンクのつまらない話や、モンクのパントークが出来るのはキムナリくんだけなのだから。

今の二人には王妃の事なんか頭になかった。

ただ純粋な想いで学校へ向かっていた。

その光景を、遠くの屋根から見ていたサム。


「 さすがは相棒だよ。 どんな海外ドラマや映画の主人公より格好いいよ。 僕の初めて会ったのが晴斗くん。 キミで本当に良かった……。」


自分の成果のように誇らしげに、見つめるサムだった。


おや? キムナリくんの家に椿先生が来ていた。

椿先生なりに考えに、考えた結果、キムナリくんを学校に一緒に行こうと思ったのだ。

モンクの言葉で、気付いたのでした。 モンクの成果の一つだった。 無駄な事なんてないのだ。


「 木村君!! 居るのよね?? 先生と行こう。

先生は絶対あなたの味方だから。 絶対守るから。

行こう?? 先生まだまだだけど、先生は変わるから…… 絶対に木村君を傷つけさせないから! 」


凄い良い話をしていた。 椿先生は全然悪い先生ではない。 先生なりにモンクの話を気にして、出した答えだった……。


「 先生、木村君が出てくるまで動かないから! 」


良い先生だけど間が悪いのであった。

これも、椿先生らしくて憎めない。


学校に到着。 キムナリくんは、保健室へ向かおうとしている。


「 …… モンクくん。 教室に行くのはまだ怖いんだぁ。 また王妃さんにいじめられるかもしれないし……。」


この前色々されたから、トラウマになっているようだ。 仕方ない事だった。

時間をかけて治すしかない。


「 分かったよ。 無理しないで。 キムナリくん、これ落ちてたよ? ちょっと汚れたりしてるけど出来るだけ拭いたり、テープで補強しておいたよ。」


モンクは破られたノート、捨てられたカバンを拾い、家で一生懸命補強したり綺麗にした。

若干傷痕は残ってるが。


「 ありがとう。」


キムナリくんには、友達が居ることが何よりも幸せだと言うことが分かり、涙を流した。

自分はもう一人ではないのだと。


「 何かあったらいつでも言ってね。

後、お父さんから貰ったボールペン。」


ボールペンを手渡しした。


「 大切な宝物。 もう落としちゃダメだよ。」


モンクにしてはかなり頑張った。

すると、校門前には王妃3人組が待ち構えて

いた。


「 キムナリ。 あんたのナヨナヨしてるとこ

腹が立つんだよ。 勉強出来るなら堂々としろよ!?いじめなんてもうしないよ。 ごめんな……。 私はもう負けない。 次は堂々とあんたを倒して、一位になるんだから! 」


白夜の力なのか? 凄い反省している。

自分の想いを伝えてスッキリしたようで、

早歩きで教室に行くのだった。

王妃もまた一つ、大人の階段を登ったようだ。


「 キムナリくん。 本当に良かったね。」


二人で喜ぶ。

キムナリも勇気を出す。


「 …… 僕、教室に行くよ。モンクくんもいるし。負けないよ! 」


モンクに感化されて、勇気を出すことに。


「 そうかぁ…… じゃあ、行こう。」


二人は教室へ!


8時のチャイムが鳴り、みんな席に着く。

そして扉が開く。 ガラガラー!

みんなは先生だと思っていたら、休んでいたキムナリくんとモンク。


「 あれ? キムナリじゃん。」


男子達が話し始め、ざわざわする。


「 キムナリくん来たんだね。」


委員長が迎え入れる。 やっぱり、委員長。


すると、席から立ち上がりキムナリくんの所に向かってくる人が。


「 キムナリくん良く来たね。 いや、お帰りなさい。 みんな、彼を迎え入れよう。 俺たちの仲間だから。 welcome! キムナリくん。」


拍手する、白夜。 みんな白夜に続き拍手する。

これが、モンクの憧れのクラスの中心的な存在。


「 キムナリ! お帰り。 席に着けよ♪ 」

「 キムナリくん。 何かあったら言ってね? 」

「 ノート見せようか? 」

「 元気だった?? 」


みんな優しく話しかける。これが、(紅 白夜)の力なのかぁ……。

悔しいけど、キムナリくんを助けてくれたのは事実だから、感謝するしかない。


「 モンク悪いな。 また俺の勝ちだな? 」


キザな奴だなぁ。 性格にも難あり。


「 そうだね…… キムナリくんを助けてくれて

ありがとう。」


本当に助かった。 クラスのリーダー的存在が動けば、簡単にいじめがなくなる。

これが世の中の現実リアル


「 …… つまらねぇな。 キムナリの為じゃないから感謝するな。 俺は俺の為にしか動かないからな?」


何故か変な反応だなぁ? まぁいいか。

先生が入ってくる。


「 ホームルーム始めるぞ。 担任の椿先生とは、今連絡つかないから代わりにやるからな! 」


椿先生はどうしたのだろう?

モンクは気になっていた。

椿先生は必死にキムナリくんの家の前で、呼び掛けしていることは、まだ誰も知らない。

後から家に帰って来た、キムナリくんの母親により

キムナリくんが学校に行ってる事が分かり、遅刻して学校へやってくるのだった。


お昼の時間。 教室に戻って来たけど、保健室で食べたがるキムナリくん。

保健の先生のことが好きで、保健室がお気に入りのようだ。 当然だった。

教室に行けない間の2ヶ月間は、保健の先生がメンタルケアしてたのだから。


「 あんた達仲良くなったの? 良かったなぁ。」


無愛想にして誤魔化しているけど、先生も内心嬉しいかった。 先生もキムナリくんが大好き。


「 じゃあ、僕の買ってきたパンを越えたパン。

あえて言うなら(おパン)! 食べるがいい♪ 」


決まった。 パンのネーミングセンスも完璧。

(おパン)。流行りそう笑。


「 あはははは! (お)が付いただけじゃん。

しかも、おパンってネーミングセンス最悪だよ。

あはははは! 」


凄いバカにするキムナリくん。

なんだとぉ?? 笑うキムナリくんに掴みかかったりしてじゃれあっていた。

それを見ていた保健の先生は少し涙目に。

本当は素直に喜びたかったみたいだ。

沢山パンを広げて、キムナリくんにカレーパンをあげる。


「 いただきまぁす!! あむあむ。…… 凄い、本当に美味しい。…… 今度お店教えてくれる?

これはカレーパンを越えた、カレーおパンだね笑。」


まだからかってくる。 3人は笑いあった。

少しだけ、騒がしい保健室の昼休みになりました。


…… その頃体育館前では。


「 晴斗くん? あれ? キムナリくん?

何処かしら?? 」


いつもの様に、体育館前には居ないモンク。

やっぱり間が悪い、椿先生なのでした。

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