第11話 友の為なら

お昼を食べ終わり教室に戻る。


( 楽しいかったなぁ。 キムナリくんも教室に 来れるようになればいいなぁ。

妃はやっぱり怖いよなぁ…… 嫉妬からキムナリくんをいじめるなんて酷いなあ。)


先生が期末テストの返してゆく。


「 今回はうちのクラスから1-2フィニッシュしてるわよ。嬉しいなぁ。」


椿先生はウキウキ!


「 二位は王妃さん。 さすがよね。 なんと一位は木村くんよ♪ 」


( やりやがった。 保健室登校してるって言ってるようなもんだ。 しかも、王妃が順位負けてるし……

これはヤバいぞぉ。)


先生の話を聞いて、焦りを隠せないモンク。

妃の顔を見てみると、みんなに誉められて嬉しいそう。

なんだ、ちょっと気にしすぎてたかな?

やっぱり負けたくらいで怒らないよね。

だって、学年で二位なんだから。

モンクは安心した。


そんなはずはなかった……。


「 キムナリ…… 来てやがったのか。 良い度胸してんなぁ? 後で会いに行ってやるか。」


恐ろしい計画を立てていた王妃だった。

子分を集めて、またイジメに行く事にしたのだ。


「 先生ね。 木村くんにまた前みたいにこのクラスに戻って来てほしいんだ…… だから、みんな優しく迎えてあげてくれる? 」


相変わらず頭の中がお花畑だ。

そんなことで上手くいく訳がない。

先生は悪気はない。 でも、世の中のリアルは先生の考えてるように、簡単にはいかない。

嫉妬や妬み、容姿のこと、色々な理由でイジメたりする。 大人にはバレないように。


「 先生。 学年一位の木村くんをみんなで優しく迎えてあげましょう♪ 」


王妃だ。 あれ? 本当に怒ってないのかな?


「 ありがとう。 さすがは学年二位ね。 みんなも優しく迎えましょうね。」


このまま上手くいけばいいなぁ。

モンクはそう願うのだった。


放課後、キムナリくん迎えに行こうかな?

まだいるかな? モンクが考えていると、


「 モンクん。 この前約束してた猫みたいなぁ♪

ダメ?? 良いなら一緒に帰ろう♪ 」


紅葉ちゃんだ。 嬉しいけど猫が居るのは嘘で

サムなんだよなぁ…… 居ないから断ろう。


「 可愛いから見に来てよ♪

白くて小さいんだよ。」


出た。 モンクのとっさに出てしまう、どうでもいい嘘だ。 本当に情けない。


「 やったぁ。 楽しみね。

一緒に帰るの久しぶりね♪ 」


幸せぇ~。 昔からの幼なじみ。 凄い仲が良いわけではないけど、僕は紅葉ちゃんに昔から片思いしていた。 一緒に帰る支度をして、モンクの家に向かう。


その頃、キムナリくんは一人で帰ることにしていた。


「 モンクくん凄い優しいかったなぁ。

明日も保健室来てくれるかな?

明日はもっと、美味しいパン買って行こう♪ 」


キムナリくんは学校が少し楽しみになっていた。

キムナリくんはみんなが帰ってから校門裏からこっそり帰る。

不登校は悪いことをしてないのに、なぜこんなに

怯えなければいけないのか……。


校門裏から出るとそこには…… 王妃とその仲間達が待ち伏せしていた。


「 おい。 キムナリ。 おめぇまだ学校来てたんだな? 一位取って嬉しいか? 」


王妃の猛攻が止まらない。


「 …… そんなつもり…… ない、よ。ごめんなさい……。」


なにも悪いことをしていない。 でも、王妃は負けていたので怒りは治まらない。


「 勝ちたくて勉強してんだろ? じゃあ、もう本当に来れなくしてやるよ!! 」


王妃達の魔の手が……。


なにも知らずに帰宅中のモンクと紅葉。


「 最近モンクん両親帰って来てる? 」


紅葉は隣の家だから気になっていた。


「 たまには帰るけど、最近は全然かな笑。」


忙しいのだ。 モンクを愛していない訳ではない。仕事に一生懸命なのだ。 毎日メールや電話してくれている。


「 そうなんだ…… たまに凄い楽しそうな声が聞こえるから、帰って来てるのかと思ってた。」


サムが来てから毎日、遊びまくりだから声でバレていたのか。


「 あぁ、従兄弟が来てたからかな?

それでかな。」


なんとか誤魔化した。 自然な嘘。


「 そうなんだね。 一人で大丈夫? たまにご飯届けてあげようか? 」


幸せ過ぎて死にそう。

でもさすがに迷惑かけられないから……。


「大丈夫だよ。 適当に食べてるよ。 本当にありがとう。」


不器用で素直になれない。 モンクは、人に頼るのがとても下手で、ピンチな時も遂、大丈夫って言ってしまう。


「 そう? なにかあったら言いなよ?

モンクんは直ぐに一人で抱え込むんだから。」


紅葉ちゃんはいつも僕の味方だ。

ちゃんと気にしててくれる。 そんな所が好きなのかもしれない。


家に着いてしまった。

楽しくて忘れていた…… ネコ居ないんだった。


「 あの…… 実は…。」


真実を言って嫌われよう。


「 久しぶりのモンクんのお家だね。

お邪魔しまぁーす。」


ヤバい…… 終わった。 早く言わないと。


「 サムちゃ~ん。 出ておいでぇ♪

遊びに来たよぉ。」


ネコ大好き紅葉ちゃん。


「 サムは居るけど宇宙人だから…… ヤバいサムが出てきたらもっと面倒になる。」


焦るモンク。 軽いパニック状態。


「 大丈夫? 相棒? 」


後ろから声が。 サムか?

小声で話す。


「 サムなのか? 何処に? 」


何処にも見当たらない。


「 ずっと保護色して付いていきてたよ。

学校も楽しいね♪ ウチは猫居ないよね? 」


楽しんでる場合か! 他人事の様に語るサム。


「 猫居るって嘘ついちゃって…… 紅葉ちゃんに謝んないと。」


もう謝るしかない。 誠心誠意伝えれば、絶交は免れるかもしれない。


「 僕は君が嘘ついた理由が分かるよ?

紅葉ちゃんが好きなんだね。 話してるときアドレナリンが上がってたから。 僕に任せて♪ 」


なにを言ってるんだ??


ドロローン!


「 白い可愛い猫に変身した!? 」


そうなのだ。 サムはある程度の事なら、簡単に出来てしまうのです。 変身なんて簡単なのだった。


「 ミャアオオオーン!! 」


鳴き方変じゃない?? 文句言ってる場合では

ない。 抱き抱えて持って行く。


「 紅葉ちゃん。 これがサミュエルだよ♪ 」


バレないでくれ……。


「 可愛い。 この前見てた海外ドラマの猫にそっくり♪ 」


凄い可愛いので沢山撫でる。 紅葉ちゃんも、海外ドラマが好きなようだ。


「 サムめ。 また海外ドラマ見てたなぁ。 変身する猫も海外ドラマの猫を参考にしたんだな? 」


不満そうなモンク。


「 ミャアオオオーン! ミャミャミャア! 」


やり過ぎ……。 鳴き声がやっぱり変だった。


「 可愛いーー!! 大好き♪ なんでもっと早く教えてくれないのよ。」


宇宙人だから。 なんて言えない。


「 あはは。 ごめんね。 いつでも触りに来てよ♪」


また適当なこと言ってしまった。


「 本当に!? また来るぅ♪ サムー。」


凄い満足してる。 なら良かった。

何時間か遊び満足して帰って行った。


「 本当にごめん。 サム。 ありがとう。」


深々とサムに頭を下げる。



「 仕方ないなぁ…… ハーゲンダッツで手を打つよ。」


桃のせいで余計な知識をつけてきた。


「 わかったよ。 本当に助かったぁ。」


二人で反省会をしながら楽しんだ。

隣の家に帰った紅葉。

モンクの家から楽しそうな声が聞こえてくる。


「 まただ? 猫と遊んでるのかな? 」


少し怪しむ紅葉だった。


次の日。 モンクはいつものように学校へ!


「 昨日は久しぶりに紅葉ちゃんとあんなに

話したぞ♪ なんか良いことありそう。

キムナリくんにカレーパンも買ったし、人生薔薇色だぁ♪ 」


今日は、最高な1日なりそうだと思うモンク。

珍しく、校門の裏から入ろうとする。

あれ? 色んな物が落ちてる。 ノートに筆箱。なんでだろうか?


「 あれ? このシャーペンは……。」


そのシャーペンは、キムナリくんがお父さんからもらった大事なシャーペンだった。

昨日、沢山お話したから間違えない。

他に落ちてるのもキムナリくんのに見える。

嫌な予感がする。


学校について休み時間に保健室に向かう。

ドアを開ける。


ガラガラー!


「 キムナリくん? 」


保健室の先生しかいない。


「 キムナリはお休みなんだって……。

昨日、あんなに元気だったのに、学校には

もう来たくないんだって。」


いつも強気な先生も元気がない。

キムナリくんが好きだったので、凄い残念な気持ちになったのだ。


「 そうですか…… 分かりました。」


やっぱり、王妃の仕業だ……。

昨日なんで、王妃をもっと見ていなかったのか。

何で一緒に帰らなかったのか、、

やるせない気持ちでいっぱいある。


「 全部僕のせいだ…… 紅葉ちゃんに誘われて調子に乗って忘れてたから……。」


犯人を突き止めるしかない。 妃なのは分かってるけど、間違っていたら悪いから。


「 相棒…… 友達を助ける為だから許してくれるよね? 」


( 王妃の心の声を聞いてやる。この「能力」で。)


モンクの新しく覚えた能力とは?

王妃に打ち勝ち、キムナリくんを救えるのか?

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