第9話 Mr.イケメン

桃とモンクの再会。


「 あれ? サムのお友だちが桃さんだったんですね。 凄い偶然。 」


「 本当にそうですね。 この前の合コンで変な別れ方したので気になってて……。」


サムは桃の話を思い出す。 そうかぁ。

桃が気に入った理由が納得した。


「 そうだったんですか? ありがとうです。

慌てて帰っちゃってごめんなさい。 そうだぁ。

この前のお詫びにパンご馳走しますよ?

本当に美味しいんだから。」


「 良いんですか? 嬉しいです。 この前言ってた絶品パン楽しみ。」


3人はパン屋さんへ。 相変わらず朝のパン屋の香りは絶品だ。 自分がパンにされたくなるくらいに、匂いだけでも美味しい。


「 すごぉい。 朝のパン屋さん初めてなんです。

絶賛するのも分かります。」


沢山のパンに囲まれて幸せ気分。


「 おじさん。 焼きそばパンと出来立て新幹線クリームパンあるぅ?? 」


サムの大好物のパンの組み合わせ!

厨房から店長が出てくる。


「 あいよー! サム。 わしの背中のゴミ取ってくれんかのぅ? おぅっ? 女の子のお客さん?

いらっしゃいませ♪

( なんで教えてくれないんだよ! 恥ずかしいじゃないか。) 」


「 桃って言います。 宜しくお願いします。」


最近は変なことが多い。 前まではモンク一人でパン屋に来るのが当たり前だったのに。

店長は自分の息子のようにしてたから、晴斗の友達を純粋に嬉しかった。


「 よっしゃぁい! 今日はみんなにビーフカレーパンと最強優勝パン。

BLTサンドおじさんのおごりだい♪ 」


太っ腹なおじさん。

3人は「ありがとうございます。」と声を合わせて言った。


沢山パンを買って外のテラスで食べることに

いただきます。


「 あむ。ん、このカレーパンサクサクで凄い美味しい♪ 今日の学校のお昼にも買おうかな? 」


凄い喜んでくれた。


「 美味しいでしょう? もぐもぐ。 アップルパイも最高だよ? 」


モンクは凄い楽しかった。 自分に会う為に探してくれて、こんなに早起きしてくれて凄い嬉しいかった。


「 …… 焼きそばパンやっぱり美味しい♪

炭水化物+炭水化物は最強だね。」


サムの大好きなパン。 学校の前だからあまりゆっくりしてられない。

食べ終わりお別れの時間になっていた。


「 今日はありがとう。…… ん、また会いたいですね……。」


勇気をだした。モンクの積極的な誘い文句だった。 普通の人には体した事ではないが、モンクには凄い頑張った行動だった。


「 そうですね。…… 連絡先交換しよ??

晴斗くん。」


相変わらず奥手だから、桃が行動に出てしまった。 男なのに情けない……。


「 そうですね。 交換ですね。 ほいっほいっと。

これでいつでも連絡できますね♪ 」


やったあ。 友達ができた。 しかも女の子の。


「 そうだね。 晴斗くんからも連絡してきてね? 」


奥手なのがバレバレ。 恥ずかしい……。


「 当然です。 絶対連絡します♪ またね。」


桃と別れて帰ることに。


「 やったね。 晴斗くん。 毎日連絡するぅ? 」


サムがおちょくる。


「 迷惑だからたまにだよ。」


モンクは嬉しい気持ちでいっぱいだ。

スキップ、スキップ!

そのまま家に帰り学校に行くことに。


「 行ってきます! 」


いつもより軽快にまるでウサギのようにジャンプしながら学校にかけて行く。

ジャンプ、ジャンプ!


( そう言えば、サムの「能力」でハイジャンプ

ってこんな感じだっけ? )


見よう見マネで、足に集中して一気にジャンプするっ…… びょおーーーん!!

凄い勢いで飛んでゆく。 延びてく延びてく!


「 うわぁ~~!! 出来ちゃったぁぁ!

止まんない!! 」


ハイジャンプはコントロール出来ないとどんどん、延びて延びて飛んで行く。

近くのアパートの2階の部屋に向かって行く。


「 ヤバい!、せめて窓が空いてる所に着陸しないと警察沙汰だ。 あの部屋に落ちるぞ……。」


モンクはどうにかアパートの2階に不時着した。

ズドォォーーン!!

どうにか、窓ガラスは割れていない。


「 生きてる…… 助かった。」


なにも壊さないでなんとか着陸できた。

なんでサムの能力が使えたのかは謎だ。

そんなことより謝らないと。

何処かで見覚えある部屋。ボクシンググローブ。


「 これは僕が貸したゲームだ。名前があるもん。あれ? まさかここは……。」


嫌な予感……。


「 おはようモンク! 」


伴の家だった。 終わった。殺される。

なんとかジャンプしてるとこは見られてない。

ならこのデクの棒なら誤魔化せる。


「 パン交換しに来たよ笑?」


学校に登校したモンクはケガしていた。

やっぱり嘘が酷すぎて、秒でバレた。

バカだからいけると思ったのに……。


「 いてててっ。 あんなに殴んなくていいのに。

いてぇっ! パンも取られて、トレードにもなってないよ…… 最悪のスタートだ。」


ボロボロなモンク。 ブーン!ブーン!

スマホが鳴る。 桃からだ。


「 おはよう晴斗くん。 朝はありがとう。

お昼はアップルパイ食べるよ♪ 楽しみ。

今日も良い1日になりますように。桃。」


( かわいいなぁ♪ 女の子って感じ。)


「 いてぇっ。骨折してないかな? 大丈夫かな?」


大げさにしてると


紅白夜くれないびゃくやが帰って来たぞ!」


( なにぃーー? 白夜だと? あの? )


説明しよう。 このクラスに居る学校一のイケメン。紅 白夜。 モンクの幼なじみ。

いつも良いところばっかり取って行くイケメン。

漁夫の利大好きマン。 勉強、スポーツ、顔、お金、人徳全てにおいてパーフェクト。

モンクの嫌いな奴。何故か僕に対抗意識

が凄い。 海外留学してて帰ってきたようだ。

クラスの女子はメロメロだ。


「ただいま。 みんなhello♪ 」


相変わらずキザな奴。


「 キャーキャー!! 白夜様!! 」

「 カッコいい♪ デートしましょ! 」


「 相変わらずだなあ。」


モンクは気にしない様にした。


「 あいつクサイよね。」


海荷も興味ないみたいだ。他の学校に彼氏いるからか。


「 本当にね。 あいつクサイよね。 何処がカッコいいんだか笑。」


モンクタラタラだった。


「 どうでもいいんだけど、なんでケガ沢山してるの? そんな顔で言われても笑。 ウケんね笑。」


笑われまくった。 前より話すようになった。

一応友達になったからか?


「 よぉモンク。 相変わらずすげぇドジしてんな?大丈夫か? なんかあれば言えよ? 」


( くそーー! キザでかんにに触る奴。)


「 ケガは気にしないでくれよ。なんか困ったら僕に言えよ。 教えてやるよ? 」


男らしい。

白夜の前だけはデカイ態度を取る。

モンクのお決まりだ。


授業が始まりここからは

白夜の独壇場だ。 英語の時間はぺらぺら!

数字もぺらぺら!

体育もぴょんぴょんぴょんぴょん!

跳び箱も9段まで飛んだ。 くそぉ……。

女子もキャーキャー! あんな高いとこまで

飛ぶなんて…… 高いとこ?


「 ハイジャンプだ! 」

悪い事を考えた。


「 先生、僕も9段…… 嫌10段がいいです。」


( サム。俺に力を貸してくれ。 ハイジャンプで

女子もキャーキャー言わせてやる。

そしてあの憧れの、紅葉ちゃんの心も僕が鷲掴みにしてやる!! )


「 さすがはモンクん! 凄いね♪ 大好き。」


なんて言われたい♪


「 お前が10段を? 正気か? 」


先生もびっくりする。


「 先生! やらせてやりましょうよ?

彼ならできるかもしれませんよ? 」


白夜がそう言うと先生も渋々賛成する。

準備が出来た。

10段は凄い高さ。ハイジャンプなら余裕。

朝のハイジャンプ登校はジェットコースター

なんて比べもんにならないスリルだった。

10段飛んで白夜に一泡吹かせてやる。

足に集中。 そして…… 一気に爆発させる!


「ハイジャンプ!!!」


ぴょーーん!


( やばい全然だ。 不味い……。)

ドゴォーーーン!!! 勢いで突撃した。


「 鈴木ーー! 」先生が駆け寄って来る。

ボロボロだが生きている。

女子たちからの反応は?


「 あははははっ! 」


凄い笑い声。

紅葉ちゃんは??


「モンクん酷すぎだよぉ笑。」


もう…… 終わった…… 少しだけここで眠りたい……。


モンクは気絶した。


目が覚めると保健室。


「 頭が割れそうに痛い…… 大丈夫かな? 」


そうだ。 跳び箱で地獄を味わったんだった。


「 はあ…… 絶望し過ぎたなぁ。紅葉ちゃんも笑ってたし。 なんで飛べなかったのかな? 」


「 僕が遠くで使えなくしたんだよ。」


保健室の窓から見える木の上にサムがいた。


「 やっぱりお前かぁ。 」


何故あんなに酷いことをしたのか!?

サムの理由は一体??

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る