第7話 面接と初めての友達

学校が終わり面接に行くことに。

まずはお寿司屋さんだ。 大型チェーン店なので人手が欲しい筈。 受かる確率高いはず。 履歴書完璧。いざ、お寿司屋へ!


到着し、緊張しながら入る。

初めての面接。


「 いらっしゃいませ! 」


お客と勘違いされてる。

元気に挨拶をした。


「 こんにちは。 今日面接して頂く鈴木です。」


すると、控え室に案内される。


「 どうもこんにちは。 鈴木くんね。

履歴書持ってきたかな? 」


直ぐにカバンから履歴書を渡す。

下書きと本番含めて、三時間掛かった履歴書。


「 預かりますね。 色々質問していくよ? 」


色々質問してくる。 モンクも頑張って対応する。


「 君、元気ないね。 バイト経験ないのかな?

ちょっと…… 難しいねぇ。」


( あれ? 面接、もうやばくない?? )

それから、色々な質問をされてモンクは一生懸命に返答した。


「 じゃあ、以上です。 後日連絡するね! 」


これは駄目そうだなあ……。

モンクはなんとなく確信していた。


「 ありがとうございました。…… 宜しくお願いします! 」


店を後にした。 頑張ったが、これがモンクの限界。


「 あれはダメだな。 元気ないし、動き悪そう。

履歴書もいいこと書いてないし、他の子にしよ。」


モンクは駄目だったようだ。

やっぱり、肉体派が良いようだ。


少しして、ファミレスに到着した。

あまり思い入れはないけど、ここに入って沢山バイトして、バイト先の人と仲良くなってコミュニケーション能力を上げるんだ!

モンクは強くそう思う。


「 いらっしゃいませ! 」


さっきと同じ光景。


「 こんにちは。今日面接する予定の鈴木です! 」


直ぐに控え室に案内される。

もう、さっきの様にはいかない。

全力を出して入る為に、頑張るモンク。


「 はい宜しくね。 履歴書ある? 」


( うわぁ! 横柄店長。嫌だなぁ……。 )


怖がりながら、直ぐに履歴書を出す。

モンクの苦手なタイプだ。


「 じゃあ質問していくね? 」


テンプレ質問。 頑張って返答して行く。

良いことを言えない。 自慢できる所がない。

運動神経も悪いし、元気もない。 良いところ無し。


「 んー、分かりました。 検討させてもらいます。後日連絡するね。」


( これはダメなやつだ。)


直ぐに店を後にした。

モンクはメンタルボロボロだった。


「 なんか魅力ない奴だよなぁ。 全然欲しくならないなぁ笑 」


性格最悪店長でした。

世の中人それぞれ。 色んな人が居る。


最後はラーメン屋さん。 気が進まない。

よぉーし頑張るぞ! 元気良く。


「 こんにゅちわぁー! 」


噛みまくり。 顔は真っ赤っか。


「 今日面接予定の鈴木です! 」


控え室から若い店員が出てくる。


「 来たねぇ! さぁさぁ、控え室で話きくよ。」


ここからが本番だ。 控え室の椅子に座ると


「 ちょっと今忙しいからちょっと待っててくれる? 直ぐに戻るから。」


接客に行ってしまった。

うーーん…… 気まずい。暇だぁ。 無音に耐えられない。 スマホもいじれないし、ダラける訳にもいかないし。

( あれ控え室ゴミ凄いなぁ。 暇だから少し掃除しよう! )


モンクは近くにあった塵取りとホウキで掃除した。 足音が聞こえる。 早く椅子に座らないと。


「 ごめんねぇ。 今の時間バイトの子いないから一人営業なんだよね…… じゃあ面接するよ。

店長の柳内やぎうちです。宜しくね。」


( あれ?こんなに若いのに店長さん? )


「 今若いなぁって思ったでしょ??

いくつに見える?? 」


フレンドリーだなぁ! さすが、若いだけはある。


「 えーっと…… 32ですかね? 」


さすがにそれぐらいかなぁ。


「 え~!! そんな年に見える? ショックだなぁ。28歳だよ笑。」


( 若い。そんな年で店長さんなんだなぁ!凄い。)

モンクは純粋に、凄いと思った。



「 雇われ店長だからね。 結構頑張ったんだよ。

若いからって言われたくなくてね。」


格好良いなぁって思った。 そして、テンプレ質問をして大体終わった。 モンクも頑張った。


「 鈴木くんはラーメン好きかい? 」


「 はい!大好きです。 両親が忙しくて家に居ないのでご飯作ること多くて。 ラーメンとか簡単見えて奥が深くて大好きです。」


モンクはラーメン好きだった。 男は皆そうなのだ。


「 そうかぁ。 嬉しいなぁ。 俺は母子家庭だったから、手料理良くしてたから良く分かるよ。 鈴木くんは苦労してるかも知れないけどその分、絶対周りの子より成長してるよ。」


少し嬉しかった。 そんな誉められ方は、されたことなかったからだ。


「 今日は以上かな。 後日採用するときは電話するね。 ダメなときもあるからごめんね。」


受かるといいなぁ。 モンクは深くそう思いました。


「 分かりました。 今日はありがとうございます。失礼します。」


全て終わった。 ゆっくり帰って行こう。

その後少しすると、ラーメン屋さんにバイトが来た。


「 良い子だったなぁ。 他に元気で体育会計な子が居なかったら、彼にしたいんだけどなぁ。」


悩む店長さん。 店長はモンクを何故か 他人には思えない気持ちになっていた。

自分と似てる所が多かったからだ。


「 遅れてすみません。 居残りさせられてぇ。」


言い訳をしながらバイトが出社。


「 困るなぁ。 バイトの面接に来た子に迷惑かけたよ? 」


少し叱るとバイトの子が話をはぐらかす。


「 あれ? 店長。 控え室綺麗にしたんですね。

やるぅ! 」


床のゴミが散らかってたのが片付いている。

店長も言われて気付いた。 本当に綺麗になっていた。


「 あれ? 掃除してないんだけどなぁ。 先延ばしにしてたから。 もしかしたら鈴木くんがやってくれたのかな? 待たせてる間に……。」


「 変な高校生ですね。 普通受かってもいない店を掃除しないでしょ? しかも掃除してるなら受かる為にやったって言えば良いのに! 」


店長もそう思った。 そのとき、決断した。


「 彼は不器用で口下手なんだよ。 決めた。 誰がなんと言おうとあの子採用するぞ♪ 」


モンクの知らない所で採用されていた。

見てくれてる人は、絶対にいるのだった。


その頃サムはお昼を食べた後に掃除をして、ゆっくり海外ドラマをみていた。


「 日本人にないワイルドさが魅力的だなぁ。 晴斗くんにも見習ってもらわないとなぁ! 」


一人ごとを言いながらテレビを見ていると


ピンポーン!!

( お客さんかな? )


「 はぁい! どちら様ですか? 」


手慣れた対応。 モンクも普通の生活に慣れてきた。


「 こんにちは。 サムのお家かな??

私、桃です。」


海外ドラマに夢中でつい忘れてしまっていた。


「 今開けるね!」 玄関の鍵を開けると、桃が家に遊びに来た。 学校帰りなので、制服姿だ。

とっても綺麗だった。


「 お家大きいね。 お友達凄いね。 お邪魔しまーす。」


靴をそろえてお邪魔する。


「 今日はお土産でケーキ買ってきたよ! 」


それはお店で買った高そうなケーキ。

モンクはケチ臭いのでスーパーでしかケーキを買ってくれません。 やっぱりお店のケーキが良いサム。サムの個人的主観です。


「 凄いなぁ…… スーパーのケーキとは見た目も匂いも全然違う。 まさに名人! 」


あくまで個人的主観。


「 一緒に食べよう♪ 」


箱からケーキを出してお皿に取り分ける。

いただきま~す! 二人で海外ドラマを見ながら食べる。


「 うわぁ!! もぐもぐっ。 食感もいちごの量も桁違いだ。 ケーキ屋さん最高だね。 相棒もケーキ屋さんに面接に行けば良かったなぁ。 もぐもぐ! 」


凄い美味しそうに食べる。 桃も買ってきたかいがあった。


「 喜んでもらえて良かったぁ。 私のおすすめなの! お友達さんバイトの面接なの?? 」


「 コミュニケーション能力上昇と…… モグモグ。友達作りしたいって…… んっ、言ってた。」


食べることに夢中だった。あまりの美味しさに、手が止まらなかった。


「 お友達さんもサムと同じで、変わってるけど面白いなぁ。 会ってみたい♪ 」


桃は優しく微笑む。 サムは直ぐに返答する。


「 本人は凄い困ってるんだよ。 絶対何処か受かると思うなぁ♪

相棒の魅力に気づく人は必ずいるから。」


相変わらずの上げ上げ。


「 そうだね。 受かるといいね。 受かったら二人で食べに行こう♪ 」


二人でモンクの話で盛り上がる。

サムはモンクの話を沢山した。

髪を洗うときシャンプーハットをまだしていることや、寝起きが悪いこと、猫舌。

桃はどんな話でも笑ってくれた。


「 そろそろ夕方だから帰ろうかな。 サム。 この前言ってたパン屋さん案内してくれない? 行ってみたいの。」


合コンの相手と会いたいからだ。 まだ桃はサムの相棒が、まさかモンクなのは知らない。


「 食後の運動に行こう。 店長さんに挨拶したいし。」


二人でベーカリージャムに行くことに。


「 今度お友達さんにも会ってみたいなぁ。 お邪魔しましたぁ! 」


桃は人見知りで直ぐに仲良くなれない。 ましてや、男の人とこんなに仲良くなるなんて初めてだった。

二人で家をでて歩いていく。 すれ違いでモンクの帰宅。


「 ただいまぁ~! あれ? 居ないのかな? ん?

ケーキの空箱だ。 クソー。 友達来てたんだなぁ。羨ましいなぁ…… 置き手紙だ。

(相棒へ少し外出します。 友達がケーキを相棒の分も買ってきてくれたので冷蔵庫に入ってます。)

だって。 凄い良い子だなぁ。 あむあむ。すげぇ!美味しい。 サムめ。 どんな友達なんだぁ? 」


モンクは悔しながらケーキを頬張った。 やけ食いである。


ベーカリーに案内して桃は帰ることに。


「 今日はありがとう。 ここに今度朝来てモンクって人待ってみるね。 」


喜んでいる桃。


「そうだぁ。 相棒にスマホ貸して貰えたから連絡先交換しよう♪」


ポケットから出して交換することに。


「 本当に?? やったぁ! 交換しよう♪ 」


直ぐに交換した。 その後に別れ帰ることに


「 サムありがとう! またね♪ 連絡するね。」


「 了解です。 待ってるね♪ またね! 」


充実した私生活であった。 モンクと桃が出会うのは、もうすぐのようだ。

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