第6話 コミュニケーション能力

サムと女子校生は沢山お話をしたり、ゲームセンターに行ったりして満喫してました。


「 あっまだ名前聞いてませんよね? 私は桃って言います! 」


ニッコリ笑いながら、自己紹介してきた。


「 桃さんですね♪ 僕はサミュエル。

友達だからサムって読んでね。」


自己紹介を終え握手をした。

あっという間にお友達になっていた。

少しして、休憩をしていると


「 サム。悩みあるの聞いてくれる? 」


サムにおまかせ。って感じで安請け合いする。

全然人間関係詳しくないが、モンクと沢山見た海外ドラマの力を借りるしかない。 自分も誰かの力になりたかったのだ。


「 友達にこの前無理矢理、合コンに誘われて仕方なく行ったんですけど、私が彼氏いないから友達も気を使ってくれて。 人見知り激しいので、早く終わらないかなぁって思ったら、凄い優しい慌てん坊さんが居て、少ししか話してないんだけどまた話したくて。 変な別れ方したので気になって……

学校は分かるんだけど、流石に校門前で待つのは恥ずかしいからどうにかならないかなって。

なんか重い話でゴメンね? 」


サムはよ~く考えてみた。

自分の出来る範囲で。


「 名前とかは分からないの? 」


帰るのが早かったので覚えていなかった。

周りの友達に聞いても、誰も覚えていなかった。


「 モンクって呼ばれてるみたいなんですけど……。」


外人か? 人探しなんて出来る訳もない。

サムにはお手上げでした。


「 んー、わからないなぁ……。」


いきなり桃は思いだした事があった。


「 趣味はパン屋巡りって言ってた。

なんか店長さんがジャムおじさんみたいな。

白髪で白い髭のおじさんがいるお店って言ってたの。」


「 僕の行くパン屋さんもジャムおじさんの、特徴に似てるよ? 今度相棒に聞いて来ようか? 」


桃は大喜び! どうして良いか、全然分からなく悩んでいたのだ。


「 サムは何でも出来るのね。凄いなあ♪ 」


サムは笑いながら返答した。


「 全部相棒の受け売りだよ。」


桃はサムがこんなに優しいのは、友達の影響も大きい事がなんとなく感じた。


「 もう3時かぁ…… 相棒が帰ってくるからそろそろ帰るね! 」


すると、桃はまた会いたかったから会う方法を探した。


「 じゃあ、番号交換しよ?? 良いでしょ? 」


桃も人見知りだが、サムの前では積極的に

なっていた。 桃はそれ程、サムと過ごした時間が大きかった。


「 ん~ スマホと言う性能のいい道具は持ってないんだよね…… ゴメンね。 家は分かるから地図書くから遊びにおいでよ。」


桃はニッコリ! 健気なサムを可愛いと思う。

ノートと鉛筆を出すと下手な絵で、大きな屋根で、庭もまあまあ大きい。 特徴を沢山書いた。


「 ありがとう♪ 学校終わったら行くね。」


二人は手を振り別れた。


モンクが家に帰ってきた。

サムは、それより少し早く帰って来ていた。


「 ただいまぁ~ サムー。

一緒にオヤツ食べよう♪」


モンクが呼び掛けるとサムが走って出迎えてきた。 今日の出来事を話たかったのだ。


「 晴斗くん聞いてくれよ。今日は僕にとって有意義な一日になったよ。」


興奮して話すと、モンクも一日の話をする。


「 良かったね。 僕も今日は、隣のギャルの悪い所だけではなく、良いところ見つけられて凄い良い気分だよ♪ 」


二人ともご機嫌。

オヤツを食べながら、サムはモンクに質問した。


「 いつものパン屋さんの名前ってなんだっけ? 」


桃に聞いてくれって頼まれたから聞いていた。


「 んー、ベーカリージャムだよ。 どうして? 」


サムの質問が気になり聞くと。


「 今日友達になった女の子が、パン屋を探してるんだって。」


モンクは友達が出来たことに、純粋に喜んでいた。 それと同時に、羨ましくも思う。


「 凄いなぁ。 僕なんて友達居ないのに笑。」


サムのコミュニケーション能力を見習わせてもらわなければ。 モンクはサムの事を尊敬していた。


「 そう言えばその子は、何処の高校? 」


素朴な疑問だ。当然気になる。


「 んー、高校の名前聞いても全然分からないから聞いてないよ。」


それもそうか。サムには全く興味の無いことだった。


「 明日遊びに来るけどいいかな? 」


( サムが友達を招待だと?? 悔しい……。)


「 良いよ。 連れてきなぁ♪ 明日は少し帰り遅いから会えないけど……。」


モンクはサムの友達を見てみたかった。


「あ りがとう相棒。 楽しませてもらうよ。

二人で海外ドラマの一気見だぁ。」


どんな友達なんだろう? まぁ楽しいなら良いけど。

モンクは次の日にバイトの面接に行く予定だったのだ。 金銭面は安定しているが周りのしっかりしている人は、バイトしてるイメージがあるのでバイトすることに。 社会勉強だ。

でも個人的主観。 ファミレス、お寿司屋、ラーメン屋三社受けることに。

食べるのと作るのが好きだから飲食店にしたかった。 モンクには一石二鳥の様な仕事だった。

サムも応援してくれている。


次の日の金曜日。 晴れ。 日課のパン屋に行って、モンクとサムはパンを買う。

帰り道にサムの能力の話しになる。


「 人間にも簡単にできる能力ってあるの? 」


気になって聞くと、


「 んー、どうだろ? 簡単な能力は、売ってる野菜とか刺身の美味しいのを見分けるのはどうだい?

やってみたくならない? 」


なんだそれ!? 全然、凄くない様な……。


「 なんだよ。 それ。 そんなもん…… 僕には合ってるかも笑。」


教えてもらうことに。 モンクは料理をするから、最高の能力だ。


目を見開き、見比べたいものを全体的に

見てうっすらモヤモヤが見える。

そのモヤモヤが緑色に近いと美味しい物。

赤いものは質が良くないらしい。

感覚を掴めば簡単らしい。


「 僕が晴斗くんを見る限り、君は飲み込みが早いから直ぐに何でもできると思うよ♪ 」


またまた煽てる。 今日はご褒美にプリンをあげよう笑。

朝ごはんを食べて学校に行くことに。歩きながら畑とかを見るときに、さっき聞いた事を試しながら歩く。


「 目を見開き…… 見比べたいものを全体的に見る……。」


流石に全然できない。 毎日続けよう。


学校に到着し、いつものパンの不平等トレードをして授業を受ける。

授業中もいけてある花を、どれが質が良いか

見比べる。 勉強も出来ない訳ではないから

当分は、こっちに集中しよう!

お昼は体育館前でご飯。


「 またまたジャンボアップルパイかよ……

たまには他のパンにしてくれよ……。」


愚痴るモンク。すると女子が体育館の方に来る。クラスの委員長だ。


黒川花くろかわはな。 真面目で優しく

僕がいじめられてるときも、絶対に助けに来てくれる。 友達ではないけど、優しい存在。

でも、どうしてお昼に体育館? なぜか隠れて

しまう。 誰かと電話を始める。


「 だから行かないから。 行かない! 本当にお父さん面しないでくれる? 」


激しい口調で電話を切る。

( うわぁ~っ。見ない方が良かった。こっそり隠れてよっと! )


そのとき、スマホの通知音が鳴る。


「 サムからのメールだよ! サムからのメールだよ! 」


スマホからサムからメール来たとき専用音声。

サムに僕のスマホを一つ貸してあげたの忘れてた。地獄……。 気まずい。


「 そこに居るの誰? 」

バレたので仕方ないので出る。


「 僕だよ。あっ…… のぅ…… ここでいつもご飯食べてるんだ。…… 電話聞いてごめんね。」


罪悪感が凄かった。


「 全然気にしないで。 両親が離婚してママが新しい彼氏ができて、そのおじさんがお父さん面するのがうっとうしいんだよね……。」


難しい問題だ。 思春期には良くある事だ。

委員長も色々大変な私生活。


「 委員長も大変なんだね。 僕の両親は、仕事が忙しいから全然帰って来ないのが悩みかな? 」


モンクも愚痴をこぼす。


「 親がいない方が楽だよ? 結構うるさいし、自由になりたいよ!」


委員長も悩みあるんだと思った。

でも、モンクには両親が居ることが羨ましいかった。


「 心配してくれるお母さんが、近くに居るだけで羨ましいなぁ。 ご飯も作ってくれるしいつも自分の味方でいてくれるし。 そのおじさんも全然知らないけど、ご飯一緒に食べたくてわざわざ委員長に連絡してくれるなんてなんか優しいなって思って。

あっ…… 適当な事を言ってごめんね……。」


委員長は一度もそんな風に考えたことはなかった。 新しいお父さんが受け入れられないから、

只、いちゃもんつけていたと思ってしまった。


「 モンク君の言う通りかもね。 わがまま言ってたような気がする。 おじさんの話しもっと聞いてあげようかな? でもね、そのおじさん前のお父さんより格好よくないの笑。 だからかな? 凄い優しいんだけどね笑。」


二人は笑い合いました。


「 モンク君っていつも全然発言してないけど、凄い物事を良く見てるんだね!尊敬しちゃうなぁ。」


そんなこと言われたのは初めてだった。


「 全然だよ!ただの変人なだけだよ笑。」


委員長は笑っていた。


「 私もお弁当あれば今日ここで食べたかったな…… 購買部にパン売ってなくて、今日はお昼抜きかな笑。」


お腹減ってて可哀想だった。


「 アップルパイ凄いでかいから一緒に食べない?いつも食べるの大変なんだぁ笑。」


「 ありがとう! アップルパイ大好きなの♪ 」


アップルパイを半分ちぎって二人で食べながら話しをした。 いつもよりアップルパイは美味しく感じた。 食べる相手が居るだけで、美味しくない物も美味しくなると思うのでした。



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