第4話 告白

カラオケで男女四人が向かい合い座る。

伴はガキ大将体型なので身長も高い。

175もある。モンクは165。子分達も170以上あるのだ。


子分の中平あだ名はブルーマウス。


次郎はウルフ。

隣の女子校の高校一年生のようだ。みんな巻き髪の可愛い女の子。

モンクの一番苦手なタイプ。


「 自己紹介していくか! 俺は伴。趣味はボクシング、特技はバスケのダンク。宜しく。」


女の子達も盛り上がる。 モンクは……


( えっ?? ボクシング? そんなに強くなって

どうするつもりだよ……。)

知りたくなかった。


「 俺は中平ちゅうへい。ブルーマウスって呼んで。 趣味はボクシング。 特技は鼻が良いから匂いでなんでも分かるよ? 」


女の子達は笑う。

モンクは、やっぱりばんの金魚のフンだと思った。


「 じゃあ、俺は次郎じろう。野球選手じゃないよ笑? ウルフって呼んでね! 趣味はボクシング。 特技は長距離走です。宜しく。」


女の子達から笑いが起こる。

モンクは、

(またボクシングかよ笑 どんだけフンなんだよ。

特技長距離走? 伴から逃げたら、ウルフが捕まえるって感じじゃないか…… ヤバい。どうなってんだよ。)


「 おい!モンク。 次はお前だよ。」


テンパるモンク。

女性の前では、自己紹介もまともにしたことはない。


「 えーっと…… 鈴木晴斗すずきはると。」


ばんから「 あだ名はモンク笑。」と言われてしまう。

女の子達から、


「 なんでモンクなの? 」


するとブルーマウスがモンクの代わりに答える。


「 たまに小さな声で文句言ってて気持ち悪いからモンク笑。」


そうなんだと、笑いが起こる。 地獄だ。


「 あはは……。 趣味はパン屋巡り。 特技はお菓子作りです。…… あっ、宜しくです……。」


「 女の子かよ~笑。」と伴の余計なツッコミが入り、笑いが起こる。


( 分かったぞ。 僕をいじって笑いを起こしまくる訳だな? 絶対にもう笑わせないぞ。) とモンクは誓う。


女の子の自己紹介にシフトする。


「 双子の志穂しほ香帆かほ

趣味はヘアメイク。特技は変顔笑」


男メンバーは盛り上がる。

モンクはノーコメント。


「 私は桃。趣味はヘアメイク。特技はお菓子作り宜しくね♪」


男の反応は変わらず盛り上がりを見せる。

モンクは同じ特技なので共感していた。


「 私は花。趣味はヘアメイク。特技はヘアカット。宜しく♪ 」


男はテンプレ反応。

モンクはまたノーコメント。

自己紹介しておやつを食べながら

笑い話し合う。モンクは頭の中が真っ白。

何を話していいのか分からないからだ。


「 モンクくんもお菓子作りするの? 男の子で作るの凄いね。」


桃さんが話かけてきた。

モンクも直ぐに返答をした。


「 あ…… 両親が居ない日が多くて、ん~、レシピ本あるから暇で作ってたら得意になっただけですよ。」


テンパりながらも返答した。

桃は優しくモンクの話しをちゃんと聞いてくれて、うなずいていた。モンクは調子に乗り、どんどん自分の話をする。 モンクには珍しい光景だ。


「 後ね。 パン屋さんが近くにあるんだけど、見た目もおしゃれで店長がジャムおじさんみたいな白髪しらが白髭しろひげで、パンも美味しくて特に美味しいのが、」


そのとき……。ガシャ!


飲み物が倒れ、モンクのズボンがびしょびしょに。 慌てるモンク。


「 モンク。なにこぼしてんだよ笑。

お漏らしかよ!」


番長が羨ましく思い、わざとこぼしたんだ。

慌てていると


「 大丈夫ですか? ハンカチあるから……。」


モンクは慌てていて、周りの声が聞こえず立ち上がる。


「 慌てん坊なんですよ笑。 僕は帰りますね…… 楽しんでくださいね♪ 」


そこを走り去り、部屋からは笑い声が響き渡る。地獄だ……。

走って家に帰っていった。


家に着いた。


「 ただいまぁ……。」


部屋は綺麗になっていた。おやつを食べながら海外ドラマに夢中。


晴斗はるとくん。興味深いね。 このドラマは人間の愛と友情、努力と物語の深みが最高だよ♪ 」


サムは一人盛り上がっていた。

こっちの苦労も知らずに……


「 最高だよね。 ちょっと着替えてくるね。」


少し元気のないモンク。濡れたズボンを

洗濯機に入れ部屋着に着替えた。


晴斗はるとくん元気ないね?

大丈夫かい? 」


( 相棒…… あんたは最高だよ……。)

モンクはそう思い、今日あった事を少し話す。


「 全然だよ。 コミュニケーションって凄い難しいなぁって。」


難しいそうに、サムもうなずいていた。


「 何かされたら言っておくれよ? 僕が何処にでも助けに行くからね♪ 」


( サムよ。未来から来た猫型ロボット

のように、君は僕の味方なんだね 。)

とモンクは、深く噛みしめた。

そして、二人でご飯を食べながら映画を見ていると


晴斗はるとくん。 君はこの映画のように宇宙人が居たらどう思う? 」


サムが思ったより真面目な顔して聞いてきた。

良く分からなかったが、モンクも適当に答えずに返答した。


「 んー、どうだろう。 やっぱり怖いよね。

でも優しいかもしれないし、友達になってみたいかな♪ 」


するとサムもニコニコして、


晴斗はるとくんはやっぱり誰にでも優しいんだね。 君に会えて良かったよ♪ 」


変なこと言うなぁと、モンクは思っていると


「 親友だから言うんだけど…… 晴斗はるとくん、実は僕…… 宇宙人なんだよね…… ゴメンね、黙ってて。」


( おう? なにを言ってるんだ? サムのアメリカンジョークなのかな? )


「 なに言ってるんだよ。 海外映画見すぎだよ笑。」


モンクは笑いながら、返答すると


「 両親とケンカして地球に家出してきたんだ。」


(まだ言うのか? しつこいなぁ……。)


モンクも嘘アメリカンジョークだと分かっていても、少し呆れている。


「 人間とほとんど同じなの?? 何か出来たりするの? 」


モンクも面白半分に聞くと、サムは重い口を開きまた続きを話始めた。


「 んー、ほとんど同じだけど不思議な力がちょっと使えるくらいかな? 」


( むむむっ? なら見せてもらおう……。)


「 どんなこと出来るの? 」


「 透視とか心の中が見えたりとか、どっちも全然使わないけど笑。 後はアメンボのように水の上を滑ったり、水から水にジャンプしたりとか、ちょっとしたしたことならなんでも出来るよ。」


( ふざけてるのか?? またまだアメリカンジョークをかまして。 不思議な所が多かったが、さすがに宇宙人の筈あるわけないだろ!? )

モンクはやっぱり、サムを信じれる筈はない。


「 信じてもらえるようにちょっと力を使うと、10分後に宅配便が来るよ。 そのドライバーの名前は橋本さん。」


( 何を言っているんだ。 そんな事ある訳がない。

サムの言う通り、宅配便何かくる筈ないよ。)


「 じゃあ…… 10待とうか。」


直ぐに、真実は分かる。 なので、二人で待つことにした。


…… 10分後。

ピンポーン!


( 今日はなにも頼んでないぞ? )

いきなり怖くなりながら、玄関に行きドアを開ける。


「 宅配便です。ハンコをお願いします。」


ハンコを押しながらネームプレートを見てみると…… 橋本。間違いなく橋本!

これは、間違いなく宇宙人だあ!!!!


「 分かってもらえたかい? 」


モンクは腰をぬかしていると


「 君が僕のこと嫌なら直ぐに出て行くよ?

絶対に怖いだろうし……。」


モンクはテンパりながらも考える……。

少し時間が掛かったが、モンクは返答した。


「 んー、人間となんにも変わんないよ。

嫌な訳あるかよ。 だって僕達は親友だろ? 」


モンクなり考えて出した答えだ。 サムが悪い奴には思えなかったからだ。 だって、もうモンクのたった一人の親友になってからだ。

サムは急に涙を流し、モンクに話す。


「 さすがは晴斗はるとくんだ。

ありがとう。」


「 びっくりしたけど、僕達は親友だろ?

人間か宇宙人なんか関係ないよ。 むしろ、人間の中でただ一人、僕が宇宙人との友達なんて最高だよ。」


二人は笑い合い、親友その物でした。

まるで兄弟のように……。


モンクは、普通に出した答えだったがサムにとっては、とても嬉しくやっぱりモンクを親友だと再確認する瞬間でした。


その瞬間から人間と宇宙人の友情が

生まれたのであった。 この後起きる出来事を、モンクはまだ知るよしも無かった。

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