第3話 友達

モンクの帰宅は基本真っ直ぐ帰る。

夕食の材料を買うときだけは寄り道することにしている。 家の近くのスーパーで、夕方安くなった野菜などを買い帰って行く。

17時に家に到着。 恐る恐る入る。


「…… ただいま~。」


…… ん? まだ寝てる? 爆睡していた。


「 どんな生活してたんだ?」


仕方なく夕食の支度へ。夕食はパスタとサラダにポタージュにしよう。

手慣れた手つきでこなして行く。一人での生活に慣れているからだ。三十分足らずで出来上がった。いい匂いが漂っている。

サミュエルが動き始めた。


「んー、 美味しいそうな匂いだね。」


鼻が良いようだ。テーブルに広げ食べる。


二人で「 いただきま~す。」と手を合わせる。


「 もぐもぐ…… 美味しい。 美味しい。 晴斗くんはまるでコックだね。」


おだてまくる。


「 サミュエル、君の家は何処なの? 両親は心配してないの? 」


そう聞いてみると


「んー、ちょっと遠いんだよね…… ちょっと家出中なんだぁ……。」


深刻そうに話す。


「そうかぁ…… どうせ僕一人だから当分泊まってもいいよ? 僕達友達だもん! 」


サミュエルはいきなり泣き始めた。

モンクはびっくりしてしまう。


「 優しいんだね…… うん。 友達だ。 サミュエルだから、サムって呼んでよ♪ 宜しくお願いします。」


泣きながらパスタを頬張っていた。

なにか言えない深い理由があるのだと感じた。

モンクはサムの事が悪い奴には全然見えなく、純粋な青年にしか見えなかったのだ。


「サム。 宜しくね。 食べ終わったら、お風呂に入んないとね…… 匂いも凄いし笑。」


二人で笑いあった。 モンクはこんなに楽しい食事は初めてだった。

二人はお風呂にも入って、綺麗なパジャマに着替えて遊ぶことにした。

テレビゲームをやることに。

最初はモンクが経験者の実力を魅せる。

だが段々とサムの勝ちが多くなる。 覚えが早かったのだ。


「 サムー。 本当に初めてやったの? 」


愚痴をこぼすモンク。


「 凄い興味深い。 覚えれば覚えるほど楽しくなる…… ゲームって楽しいね。」


むむっ? ゲームしたことないのかな?

色んな家庭があるから詮索するのは悪い癖だ。

やめておこう。

お菓子を食べながら夜更かしして、ゲームをしたりボードゲームをしたり二人で遊びまくるのだった。


「 サム。僕こんなに楽しいの初めてだよ♪ 」


すると


「 実は僕もなんだ。晴斗はるとくんに色々教えてもらえて最高だ。」


二人は一日で親友になったのだ。時間ではなく仲良くなるのはその質量なのかもしれない。

二人はリビングで疲れ果て熟睡した。


朝の目覚ましが鳴る。二人は顔を洗いパンを買いに行く。 モンクには当たり前な事だったのに、二人だといつもの何倍も楽しいかった。


晴斗はるとくんは、両親があまり帰って来なくてもしっかりしてて凄いなぁ。」


「 全然なんだよ…… 学校では全然友達居ないしからかわれるし笑。」 とぼやく。


晴斗はるとくんのことをみんなが、まだ全然知らなくて仲良くなってないだけだよ。 僕は晴斗くんの良いところ沢山知っているよ♪ 」


モンクは、初めての親友の慰めにちょっと

照れ臭くなっていた。


「 ありがとう。 サムも僕にとって最高の親友さ。」


サムにならなんでも話せるようになっていた。

パン屋に入り出来立てのパンが並んでいる。


「 おはよう、店長さん。今日も最高なカレーパンを頼むよ♪ 僕とサムの分。」


店長は驚いていた。


晴斗はるとくん。友達かぁ…… 良かったね。 よしっ。 今日は奮発してアップルパイのサービスしてあげるよ。」


二人は大喜び。

まるで兄弟のようになっていた。

家に帰り、二人で朝ごはんを食べるとモンクは学校に行かなければいけない。


「 サムそろそろ行って来るね。サムの好きな海外ドラマ沢山あるから見ててね。 お昼ご飯はオムライスがあるから食べてね♪ お掃除も忘れないでね。

終わったらプリン食べて良いからね♪ 」


サムは大きな声で「 了解した。」と返事をした。

モンクは学校へ行くことに。


学校やだなぁ…… 友達も居ないし、からかわれるし。 いつものように伴とのパンの不平等トレードをして、ギャルの海荷うみかに鼻で笑われ、

紅葉もみじちゃんはみんなの中心になって話してる。 はぁ…… ため息しか出て来ない。

お昼を食べながらスマホをいじっていると


「 先生も混ぜてぇ♪」


お節介先生登場!


晴斗はるとくん。今日はちょっと元気じゃない?なにかあったの? 」


なんでも顔に出ているのか、先生には直ぐにバレてしまう。


「 猫ですよ。昨日から飼ってるんですよ。」


先生は笑顔で、


「 そうなの~? 先生も猫大好き♪ 名前は何にしたの?? 」


ヤバいまた嘘が裏目に。仕方ないから……


「 サミュエルです笑。」


先生は笑っていた。


「 外人みたいな名前ね。 今度先生にも見せてね♪」


また変な約束をしてしまう…… ここははっきり言って断ろう。 そうしよう。


「 はい。いつでも見に来てください♪ 」


ビビりーマンなのを忘れていた。 まあ大丈夫だろう…… 来ても居留守しよう!


放課後になり走って帰宅することに。

最速で帰るぞ。 そう。 僕は音速のフラッシュだ。

校門前にばんと子分達が待っていた。


「 モンク。 良かったらみんなでカラオケ行くから行かねぇか? 」


伴の誘いは絶対になにかある。


「 ちょっとだけなら笑。」


断りたいのに断れない。まるで地獄。


「 さすがはモンク。いや、さすもんだな! 」


なに言ってんだ? さすもん? あだ名だけじゃ

物足りず、また変な呼び方をして。

伴と子分二人とモンクの四人でカラオケへ。

すると嫌な予感が的中することに……。


「 こんにちは。伴さんですよね? 」


むむむっ? 女子高生が四人カラオケ店に現れた。


「 今日は来てくれてありがとう。こっちも四人集めたよ。 俺の相棒の中平ちゅうへい次郎じろう、後は仏のモンクだよ。」


この話し方で分かった。合コンだ。

モンクは初めての地獄の合コンに巻き込まれていた。もう逃げ場はない……。

モンクはどう乗り切るのか?

それともモテまくり彼女GETか?

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