第22話 JKの姉妹丼?①
長い日曜日だ。
極上の夢から始まったと思えば、また目の前に女子高生が現れて、しかも小悪魔と呼ぶには少々おいたが過ぎる女の子ときた。
しまいには、宇佐美さんの妹?
「全然似てないのに」
本音がポロリと出て。
俺は口を押さえた。
本人たちが気にしてないとも限らない。
「いいの、本当のことだから」
しかし、金髪ツインテールの少女は、そう言って認めた。宇佐美さんがちらりとこちらを振り返る。
姉は純情可憐。
動きに合わせ、揺れる黒髪に、ぷっくりと柔らかそうな唇。笑うと細くなる、明るい茶色の目も、彼女の人のよさを表しているようで、なんとも愛らしい。
対して、コケティッシュな魅力をもつ妹。
髪色といい、はっきりとした目鼻立ちといい、日本人離れした美しさがある。青みがかった瞳が印象的。笑うときにちらりと見える八重歯が男心をくすぐる。
一目見て、いや、何度見ても、姉妹とは分からないだろう。
本当に妹、なのか......?
「そんなことはどうでもいい。ラビはなんの用で、まずどうしてここが分かったの?」
「もちろんママに聞いたの。かなり怪しまれたけど、最後には教えてくれた」
「......お母さん、が」
「そ。もう大変だった。ラビたちの街から随分遠いから。ほら、汗びっしょり」
「じゃあ、どうして犬山さんの部屋に?」
宇佐美さんは見たこともない表情で、少女を問い詰める。怒っているというよりも、心配、焦りみたいなものを感じる。
「ねえねがいないって聞いたから、待たせてもらおうかなあって」
「それなら、わたしは帰ってきたよ。だからもう、この部屋に用はないよね。早く、隣の部屋に行こう。話はそれからでも」
「それはどうかな」
遮るように、少女は言う。
会話を終わらせて、なんならそのまま引っ張っていきそうな勢いだった宇佐美さんは、少女の意味深な発言に口をぽかんとさせる。
そして、さらなる少女の言葉が、俺をも驚かせた。
「ラビ、このアパートに住むから」
「......へ?」
「ねえねといっしょに暮らすことにした」
「わ、わたしと!?」
「そ。だから、この部屋に用があるし、あのおっさんにも用がある」
「俺に......?」
「うん」
少女の赤い唇が薄くのびる。
蠱惑的な瞳が俺をしっかりととらえた。
「ラビとも、お風呂入ろ?」
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