第5話 問題

早速『脱出アプリ』を起動した。真っ白な画面に『脱出アプリ』というタイトルロゴ、その下にスタートボタン。なんとも言えない陳腐な作りの画面だった。要領の良い高校生なら1日で作れそうなクオリティ。

 だがこのなんとも言えない不気味さが、信憑性に滑車をかけた。


「回りくどいやり方してんじゃねぇーよ。結局はリアル脱出ゲームじゃん」


 リアル脱出ゲーム。希望する参加者が1つの会場に集まり、様々な出された謎を知恵を出しながら解き、最終的に脱出を目指す体験型ゲーム。通常であれば、複数人で参加し協力し合いながら進めていくゲームであるが、今回の参加者はハルカ1人だけだ。


 スタートボタンをタップする。


 出てきたのは第1問から5問までの全5問のタブ。

 英文や文字列、数式など、出題形式はバラバラだ。



「ていうか、電池がヤバいヤーバパパなんだよね」


 スマホの電池は残り18%。逐一スマホで問題をチェックしていては、電池が保たない。

 そこでハルカは確認がてら、ノートに各といを一旦書き写すことにした。


 ハルカは筆箱からシャープペンシルを取り出し、床に転がったノートに書き写す。


 ――――――――――――

【問題1】

 ここはどこ?


 rice ball in mouth


 ――――――――――――

【問題2】


 かや↓あ↑な↓あさ←たは


 ――――――――――――

【問題3】


 20 + 26 = カフェ

 11 + 4 = なべ

 3 + 5 + 8 + 7 = ???


 ――――――――――――

【問題4】

 仲間はずれは?


 市 支 反 圭 亡 古 ト 口


 ――――――――――――

【問題5】

 問1〜問4の解答を埋めろ。

 鍵が手に入る。


【問1】◎○○○

【問2】○◎○○

【問3】○◎○

【問4】○◎


(◎の文字を縦に読むと、最終的な答え)

 ――――――――――――


 問題5の示す通り各問の答えは、それぞれ4文字、4文字、3文字、2文字となっている。



「まぁ、私も何回か実際やったことあるし、いけるっしょ」


 ハルカはスマホをスリープモードにし、右手のペンを躍らせながら、ノートに書き写した問に向き合う。

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