ゾンビ

今日も街灯の下で踊る

わけのわからないリズムを刻んで

青ざめた顔で地を這って廻る

一筋の明かりを求めて


そう、彼らはゾンビ

左を向けば絶望の匂い

そう、彼らはゾンビ

右を向けば泣き叫ぶ声

だからゾンビは下を向いて歩く


今日も暗闇で明日を探す

行き先のわからない列車に揺られて

白く冷たい肌で他人を傷つける

一筋の糸を奪い合って


そう、彼らはゾンビ

上を向けば眩い光

そう、彼らはゾンビ

下を向けば底なしの沼

だからゾンビは手を伸ばして歩く


渦を巻いて溺れていくゾンビ

死にはしないけど恐怖を覚えて

優しさなんて忘れて腐った脳みそ

ただただ臭い風が彼らを襲う

なんのために争っているのかも

ゾンビは思い出せない


今日も人生の墓場は大賑わい

有象無象に踏まれて固まった血流

いつかは終わると信じていた

幸せは失ってから気づく


そう、私はゾンビ

何も見えないこの瞳

そう、私はゾンビ

何も聞こえないこの耳

だからゾンビはもがき苦しむ


だからゾンビは墓地を彷徨う

だからゾンビはある時気づく

だからゾンビは争いをやめた

だからゾンビは幸せになれるだろう

きっとゾンビはそう願っている

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