うざったいとか鬱陶しいとか

やけに肩が重いな

ビルの狭間で煙を吸い込んだ

みんな貼りつけたような笑顔を浮かべてる

都会のヒトゴミに自分を見失なって

霞んだ空気が惰性を呼び覚ます


うざったいなとか思ったり

地下の腐敗した空気をかき分けていくんだ

溢れ出す感情に力任せに電柱を殴った

血が滲んでたぶん骨も折れたけど

それでも笑い声をあげて馬鹿なフリをした

俺が俺であり続けるために

勝ち続けなきゃならない


やけに首が痛いな

路地裏で深いため息をついた

みんな鉄カブトをかぶって自分を大きく見せている

350万人の濁流に気が狂いそうになって

肩身の狭い電車に狂気が目を覚ます


鬱陶しいなとか思ったり

階段を登るのもホントは気だるくて

エレベーターを羨んで全てを諦めたあの日

思いきり額をコンクリに打ちつけたけど

それでも馬鹿みたいに叫び声をあげたりした

俺は俺であり続けたかった

無理なのかなとか思った


大きくて沢山あって

でも軽くて薄っぺらい

そんな息苦しい街が俺は嫌いだ

我慢とか建前とかそんなもん捨てちまえ

顔も名前も知らねえヤツの話は聞きたくない

俺は俺であり続けるために

めんどくさくてお馬鹿な意志を貫く


やけに体がだるいな

世界の中心でありったけ叫んだ

ろくに前も見ずにぶつかってくるヤツら

鉄カブトの隙間に本音が顔を覗かせる

筋違いの冷やかな視線に俺はどうすればいい


盛大にズッコケろと思ったり

ホントは俺も強がってたから何もできなくて

どうすればいいか迷ったときもある

目いっぱい怒鳴ってみたこともあるけど

それでも俺の方が馬鹿みたいだと自覚した

俺は俺であり続けたい

そう願った


悔しくても何度でも

奮い立ってやると誓った

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る