ハミダシモノ
本当の名前も知らないヤツらに
冷えきった
悔しくて泣いたあの夜
僕は多くを知った
世の中の煩わしい仕組みってやつを
心をギュッと握り潰して誓った
僕を殺していいのは僕だけで
あいつらを死ぬほど憎んだ
そして他の誰にもない
何かを探して彷徨ったんだ
暗闇を引き裂きたくて
あの頃より強くなるために
本当の僕を一ミリも知らない
誰かの虚言に生きる気力を絶たれて
笑顔を見失った表情筋
僕は思考をやめた
今日の晩御飯から自分の将来まで
心を重力に任せて自由落下させた
俺を捕まえられるならやってみろ
世界中を敵だと認識した
そして非常識なことも
この身で背負いきれないほどした
明暗とかはどうでもよくて
あの頃より強くなるために
明日より今が大切で将来なんてどうでもよくて
今という楽しみを掴み取ろうとした
心は繁華街の路地裏のように混沌で
未来に期待なんて抱かず諦めていた
どす黒い闇の中へと体は埋もれていった
ひたすら同じことの繰り返しで
やっと気がついたのは俺は死んでいたってこと
そしてそこに差し伸べる手はもう無かった
でももう一度這い上がってみようと思った
偽りの楽しみは虚無でもう誤魔化しはきかない
血みどろになって地を這いつくばって
汗も涙も振り切ったひとりぼっちの鼻垂れ小僧
やっと見つけたやりたいこと
列車の揺れがこの身を焦がす
だんだん近づく夢のような人生
そして僕は笑顔を忘れてなかった
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