1 骨色の魔法 その4
けれど、どうやら呼び出し人が
「あなたの用事だったの? 今日はなに? 先生だけじゃ
どこからつっこんでいいのかわからん。
「……なんでニモなの?」
「
「ちげーわ!
「ニモはクマノミでしょ。クマノミは
「
背中を
でも
「Musa男は一時期ピアノコンクール
「……そりゃまた身に余る評価ありがとうございます……」
ほんとうに下手なだけなんですけど。
「けっきょくわたしの周囲でもMusa男がだれなのかは
もういやだ。なんなんだよ音楽業界の
「
「マイナスって言うな! 好きでやってんだよ! あ、いやその好きってのは女装じゃなくて音楽の方の話だからそういう顔すんのやめてください」
「それで今日わたしを呼び出したのはまた変態
「おまえはもともと女だろうが! ああもう、話がちっとも進まないよ!」
「昨日のカルミナ・ブラーナ? わざわざ独奏用に書き直したの? べつにそんなことしてもらわなくても、わたしはてきとうに自分でアレンジして
「てきとうにやってもらいたくないから書き直したんだよ」
やがて
なぜこうも
なんて静かな
第二曲の終結までの間、
「……じゃあ、これはもらっていっていいの?」
「……あ、ああ、うん。持ってっていいけど」
「昨日のよりは簡単な
「なに言ってるの?」
ふたを開き、
あれほどのピアニストが
それから、ふと思う。
なにがあったのだろう。
どうして
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