1 骨色の魔法 その2
「
「
「並んで密着して二人で
クラスメイト男子にはめちゃくちゃ
「べつに教えてもらってるわけじゃないよ」と
実際は仕事ではなく
「
ふとクラスメイトの一人が言った。
「あ、すげえ
「何組の女子?」
「4組だっけ」
「音楽
食いつきっぷりが加速するけれど、
「えっと、
「そうそう」
「
「まさか
「てめえふざけんなよ代われ!」
話がわけのわからない
うちの高校は1学年が8クラスある。芸術
そして、
「見たことないけど」と
「なんだよ。つまんねえな」
「ていうか
「
*
くだんの女の子とは、意外にも早く
四月の最終週、
この
しかし音楽室は無人だった。
窓の外では野球部やハンドボール部のジョギングのかけ声が聞こえた。学校の向かいの工場からパンの焼き上がりを
いっこうに
なんだあの女、放課後すぐ持ってこいって言っといて留守なのか。
しかたない、待たせてもらおう。
上下数オクターヴに
だれかやってきたのかな。先生かな? 初見であんなに
いや、ちょっと待て。あれは
ピアノの前に、制服姿の女の子の後ろ姿がひとつだけあった。
ひとりで
落ち着いてよくよく
信じられない思いで、
けれど演奏は
まわりじゅうの音がいきなりなにも聞こえなくなるくらい印象的な目だった。割れた流氷の下にのぞく冬の海みたいな底知れない
「……ずっとそこで
「え……いや、うん、……まあ。
「この性格の悪い
「
「ムサ……」あの女、ひとの名前をなんだと思ってんだ?「
「次に
「特に最低音部の
「ひどすぎる。もっと他に言い方あるだろ? 全部事実だけどさ」
「事実なの? ほんと最悪……」
「あー、いや、そのぅ」
そのとき音楽室のドアが開いた。気まずくなっていたので助かった──と思いきや、入ってきたのは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます