第9話 ぬぇ!?首席!?

「はぁ、思わず逃げてきちゃったけど」


だって、ライトノベル部とか、いかにもオタクっぽいじゃん。

いや、オタクを馬鹿にしてるわけではない。僕だって、前世を思い出しちゃってからは、沢山の転生もののラノベを読み漁った。

でも入るなら、もうちょい普通の部活がいい・・・


「どうした?一ノ瀬、息切らして」


「よ、吉崎君・・・」


さっき、ノート見せてあげたからかな。彼の視線が優しい気がする。


「いや、ちょっと変な人に捕まって・・・ねぇ、神田真由子って子知ってる?」


「神田真由子?」


「うん。7組らしいんだけど」


「知ってるも何も、この学年の首席だぞ」


「ぬぇ!?首席!?」


た、確かにあの三つ編みに眼鏡!!新入生代表スピーチをしてた子じゃないか!


「その子がどうかしたのか?」


「い、いや、なんでも」


「そういや、なんか変な部活作って勧誘していたような・・・」


ライトノベル部だ・・・


「変わってる子らしいよ。友達も居ないみたい」


友達も・・・


「んで?その子に惚れでもしたの?」


「い、いや違うよ!」


吉崎柚希はニヤニヤと笑ったが、僕は慌てて否定をした。

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