第4話 oh・・・

「じゃあ、次は自己紹介。名簿1番のやつから頼む」


来た来た。自己紹介タイム!

この自己紹介で、これからの学校生活が決まると言っても過言ではない。


「相崎百合子です。趣味はー」


「綾瀬太一です。中学はー」


様々な自己紹介をしている。どうにか、みんなの印象に残る自己紹介をしたい。いや、しなければならない。


「次、5番ー」


来た。


「い、一ノ瀬葵です」


噛んだ。


「だ、第五中学校から来ました。趣味は、に、人間観察です」


どうだ!人間観察!なかなか無い趣味だろう。みんな、僕に興味を持つはずだ。

だが、みんなの反応は思って居たものとは違っていた。


「えー。人間観察って何それ」


「キモっ」


「メガネだし。オタク?」


どうやら僕はスベってしまったらしい。

周りの視線が痛い。


やってしまった。


「じゃあ、次は6番ー」


oh・・・


泣きたい。


「はい。じゃあ、30番」


ショックのあまり、意識がふっとんでいた。もう、30番までいってしまったのか。他の人の自己紹介を聞けていないのに・・・


「山ヶ丘中学から来ました。吉崎柚希です。趣味はサッカー。彼女は募集中でーす」


髪を明るく染めたイケメンが席に座ると、周りが色めきだった。


「えー格好良い!」


「それな!立候補しちゃおうかなぁ!」


クソゥ・・・イケメンめ。

僕もあれくらいの自己紹介が出来たら・・・いや、僕が同じ自己紹介してもキモがられるだけだな。


入学式早々、僕は躓いてしまったらしい。

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