第3話 誰かに話しかけた方がいいのだろうか?

教室に入る。

すでに沢山の人が居て、しゃべって居る。

・・・まさか、もう友達を作ってるのか!?

ど、どうすれば・・・。僕は入り口で固まる。


「あの、ちょっといいかな?」


背後から声をかけられた。振り向くと、ふわふわの髪の可愛い子がいる。

な、なぜ、こんな可愛い子が僕に話しかけるのだ。


「教室に入りたいから、どいてくれるとありがたいんだけど」


「・・・ごめん」


「いいよぉ」


可愛い子は、笑顔で黒板の前に走って行く。

黒板には席順が書いた紙が貼られていた。なるほど、あれを見たかったのか。


えーと、僕は名簿番号は5番か。先は一番右の列で、前から5番目。

僕は席に座る。隣は男子生徒だ。

しかも寝ていらっしゃる。これから入学式だというのに。

いや、式で寝ないように今から寝ているのだろうか?


ふむ、誰かに話しかけた方がいいのだろうか?

ネットによれば、「どこ中から来たのぉ?」

が定番らしいが、いきなりそう話しかけるのだろうか?

だが、皆話し込んでいて、話しかけれそうな人が居ない。隣は寝てるし・・・。


「式が始まりまるぞー。体育館へ行けー」


先生らしき人物が教室に入って、みんなに声をかける。


はぁ、なかなか友達を作るのは難しいらしい。

式の後にもう一回、チャレンジをしよう。


入学式はごく普通で、つまらなかった。一つだけ残念なのは、新入生代表を逃した事だ。新入生代表は眼鏡の女の子だった。

僕はあの子に負けたのか。悔しい。

いかんいかん、今は友達を作ることを考えよう。

おそらく、この後定番の自己紹介タイムがあるはずだ。そこで、なんとかクラスメイトに印象付けよう


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