舞台裏③
「ほいほい、桜子ちゃんの旧姓分かったよ」
「そうか……」
「ビンゴ?」
ご丁寧に紙に書いてよこしてくれた鈴木に静かに頷く。いまさら驚きはない。
「早かったな?」
「
「……ありがとう、鈴木」
「君にウイスキーの味を教えた恩師、ね」
そう言って手にしたグラスを干すと鈴木はなんてことない調子で語った。
「逃げたってことはさ、桜子ちゃん気づいたんじゃないの? 間男の存在と正体に」
「……離婚済みだったから、間男なんかじゃ……いや、間男だな。あの子にしたら」
「おお、踏みとどまった。葉太はイケメンだから女々しい姿も絵になるから残念」
「この……!」
悪趣味美術教師め。酒が入ると尚更性悪だな。
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